ごきげんよう、龍人さま。
貴方とゼフさまの美しくも哀しい思い出を教えて頂き、ありがとうございます。
ラボのビオトープを見た幼いゼフさまの瞳と心に焼き付いた、緑の力強い生命力が溢れる美しい風景、そして目を輝かせて食い入るようにみつめているのだろう、幼いゼフさまの笑顔が、龍人さんの心にも焼き付いたのでしょうね。
困難な状況をコントロールすることに喜びを覚えると依然仰っていましたが、国の復興と荒れた大地の緑化に力を奮ったとき、それは自分の嗜好だけではなく、きっと幼い日のゼフさまの純粋な笑顔を想って、願いに応えたのだろうな、そんな風に思いました。
そして王として最後の力を振り絞ったゼフさまにも、初めて出会ったあの日の笑顔を重ねて、だから涙で見送ったのだろうな、とも。
ひょっとしたら、今、最悪のゲームの真っ最中の貴方の心には、あの日のゼフさまの笑顔が残っているのではないでしょうか?
美しい、そして哀しい思い出をお教えいただき、ありがとうございました。
作者からの返信
しのぶちゃん、僕のつまらない思い出話、最後まで読んでくれてありがとう。
僕があそこでビオトープを見せてなかったら、もしかしたらゼフはもう少し長生きできたかもしれない。
でも、見せない方が良かったとはどうしても思えなくてね。
最初は本当に興味本位だったよ。
僕を動かすのは常に興味なんだ。
僕はずっと、友達と言う友達がいなくてさ。
別にそれで困ったこともなかったし、特に何とも思っていなかった。
むしろ、近寄って誤解されて面倒になることが多いから、自分から線引きして友達は作らなかった。
あたりさわりのない仮初の自分を作るのが得意なのは、そのせいだろうね。
でも、なんだろう。
今振り返ったら、彼はシエラちゃんみたいにありのままの僕を受け止めてくれたから、友達になれたのかもしれない。
そのせいで、喪失感を知ってしまったけど。
……やっぱり友達を作るのは難しいし、必要なのだろうかと疑ってしまう。どうせまた別れが来てしまうから。
僕って、めんどくさい人間だね。
今のゲームかい?
もちろんゼフのことを忘れたことは無いよ。
彼がくれた土地も、ダイバーシティとしてずっと大切にしている。
この思い出を聞いてから、本編の57話を見てくれたら、僕がどんな気持ちで再びお城に戻ったか、しのぶちゃんなら分かってくれるかもしれない。
……分かってほしいと思うのはどうしてだろう?
なんだか今日は柄にもなく自分のことをしゃべっちゃったな。しのぶちゃんが優しいから。
いつもどうもありがとう。
田中龍人
ゼフ……心の綺麗な青年だ……(;_;)