第2話 ショートステイ
私が初めて介護員として働いたのがショートステイ施設です。
と、言っても介護業界の知識なし、未経験、無資格のおみずの世界に浸かっていた私。
お客さんの中に、いつもご指名頂いていた池上さまが実はグループホームを3つ、ショートステイを1つ経営していたんです。
さーゆ、俺のやってる仕事手伝って。
とのご提案、、、
えっー、私が介護⁈と、かなり驚きましたが池さまはいたって本気モードのご様子。
仕事の内容や経営状態などはお店でよく話されていたのでだいたいは理解していたものの、自分が介護をするというイメージがわかない。
池さまは、昼間に打ち合わせようと1ヶ月に渡り、私をスカウトし続けて下さり、さーゆなら大丈夫。大丈夫じゃない人間に介護なんて頼まない。いずれはひと施設任せるから、、、と。
ひと施設任せるはさておき、将来的にいつまでもおみずの世界にいられるわけもなく、定年まで首切りなく勤めるにはいいかもしれないと、スカウトされたわけです。
第一関門は、池さまの奥様副社長の面接。
未経験、無資格だよ、私。
池さま曰く、副社長は人を見る目はピカイチ。その副社長を嫁にした俺はさらにピカイチ、だから俺が見込んださーゆは副社長のお眼鏡にかなうから。
と、、、、
えっー⁈ホントかよー。
で、あれよあれよと採用(笑)
第二関門は、施設長の指導。
実はこの施設長もおみず出身。私よりキャバいお店に勤めていたとご本人より(笑)
ひどっ! 私が勤めていたのはお席料頂いて、お一人最低数万円頂く某銀座のお店ですけど、、、
あ、そんな話はさておき。
介護の排泄介助に限っては未経験ながら子育て経験済みの私にはあまり苦になるものではなかった。
が、いかんせん認知症の利用者のわけのわからなさに辟易し、帰りの車の中ではボッーとする始末。
あの、脳みそだけが異次元に飛んでいる言動に毒され、我にかえるのに時間がかかる毎日を一週間ほど過ごす。
いかん、いかん!
これでは介護どころか自分がヤバい。
そこは、自称人間嫌いの私は頭を切り替え、施設を一歩出たら全て忘れる。という離れ技(笑)を習得。
以来、脳みそがどんな異世界に飛んだ御老体とて他の職員がヘルプを出してくるほどの強者へと進化する(笑)
ショートステイは、1日から利用者の家族様等の要望する期間、基本1ヶ月以内ステイできる。
だから平均一週間から10日が多く、持参される荷物も、前もって3日分と伝えてあるにも関わらず、どデカいバックにパンパンに衣類を詰めてくる。
何をそう大変そうに言うかと?
その荷物を一つ一つ持参物表に記入しなきゃならないのよ!
その作業中にも、誰々さんが失禁しただの、意識ないだの、転んだだの、、、、
上からは、書類まだか、、、
下からは、これどうしますか、、、
ガァー!
うるさーい!
と、叫びたくなる毎日。
採用半年で、リーダーなどと肩書きがつき、いつの間にか部下ができ、施設長曰く。
絶対無理だろう、、、と、思っていたけど根性あんじゃん。リーダー昇格!
あー、めちゃくちゃ迷惑な話だぁ。
とも言えず、施設長のお眼鏡にもかない3年間勤めさせて頂きました。
その日々でベスト?3の利用者を次回からご紹介と致します。
介護って言っても私も人間だよ! 高橋さゆ @killa930
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