移りゆく日常
第24話 帰省します(妹キャラ登場)
夏の日差しが容赦なく照りつける、7月最初の週、学生が待ちに待ったイベントが、この学校で開催される。
そう、、、夏休みだ!おっしゃあああ!
「はーい静かに。夏休みだからって、羽目外していちゃついたりすんなー。そんときゃあ、怒りの鉄槌がされるかもしんないぞ。以上だ」
気怠そうに学校美人ランキング年間1位を獲得している南条有沙先生はいった。ちなみに塩対応ランキングは3位である。第一位は、、、一部生徒から絶大な人気を誇っているらしい。
ふと、隣を見てみると、澄野は、目をランランと輝かせて、もはや焦点があってない目で何かを見つめていた。おそらくそれは、楽園だろう。
ともかくとして、ついに少しぼっち気味だった学校生活は、一時的な終わりを迎えたのだった。
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「それで〜ゆっくんは、夏休み何するの〜?」
ゆっくんのところは突っ込まないでおこう。
「特にな・・・いや。実家に戻らなきゃいけませんね。さっき妹からメールも来たし」
「氷川・・・妹いるんだ」
え?澄野さん俺に嫉妬?もしかして。
「羨ましい」
羨望の眼差しで、俺を見てきた。やっぱそうですよね。妹というシュチュエーションですよね、、、でもあんまり仲良くないんだけど。
「よし。つれてって、氷川」
「・・・はい?」
何言い出すんだよ。まあ、楽しいだろうけどさ、色々予定も有るだろうし。
「それじゃあ、私がセッティングしておくよ〜。ツテも色々有るし〜」
「栗原さんまで・・・。でも予定ないのか?澄野。お前も帰省とか」
「ない。帰省しないし、したくない」
きっぱりと言われ、少し驚いてしまった。やっぱなにか事情が有るんだろうな。
まあでも、澄野と実家帰り。なかなか胸踊る企画だな。でもあいつインドアだから外でなさそうだし。水着とかは、、、
「エロっちいこと想像してるね〜。それじゃあついでにチケットも送っておくよ〜。瀬川さんも連れてってくれるなら」
「瀬川までも・・・。くっ。だがしかしプールのチケットはほしい・・・」
あそこの海はかなりの人気があり、チケットがないと入れないほどだ。
つまりは澄野の水着が見れないことになる。それは国宝を拝める機会を失うことになるのだ。
だが、瀬川さんとは気まずい。あの謎の一見以来、ほとんど口を利いていないのだ。まあ一方的に避けているだけなんだけども。
「どうしたの氷川?」
いつものクールな表情ではなく、心配そうに顔を覗いてきた。この瞬間、俺は決断を下した。
「わかりました。それじゃあ彼女も」
「あ〜もう言っておいたから問題ないよ〜」
「・・・・・・・・信頼がない」
はあ、少し馬鹿らしいな。澄野の水着でここまで悩んだのに。優柔不断すぎるな、澄野に関しては。
「これで全員」
「へっ。なんか言いました?」
「別に〜。それじゃあ、楽しんでね〜。移動手段は私が用意しておくから〜」
いつの間にか片手にスマホを持ち、いつものゆるい表情で、かなりすごいことを言ってくれた。なにせ今は帰省ラッシュ。電車もなかなか混んでいるのだ。
「荷物まとめて、行く用意してね〜。瀬川さんは、途中で来るから〜」
こうして、若干の不安を抱きつつも、思わぬ特典とともに、実家帰りをすることになった。
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