移りゆく日常

第24話 帰省します(妹キャラ登場)

夏の日差しが容赦なく照りつける、7月最初の週、学生が待ちに待ったイベントが、この学校で開催される。


そう、、、夏休みだ!おっしゃあああ!


「はーい静かに。夏休みだからって、羽目外していちゃついたりすんなー。そんときゃあ、怒りの鉄槌がされるかもしんないぞ。以上だ」


気怠そうに学校美人ランキング年間1位を獲得している南条有沙先生はいった。ちなみに塩対応ランキングは3位である。第一位は、、、一部生徒から絶大な人気を誇っているらしい。


ふと、隣を見てみると、澄野は、目をランランと輝かせて、もはや焦点があってない目で何かを見つめていた。おそらくそれは、楽園だろう。

ともかくとして、ついに少しぼっち気味だった学校生活は、一時的な終わりを迎えたのだった。


**************************************

「それで〜ゆっくんは、夏休み何するの〜?」


ゆっくんのところは突っ込まないでおこう。


「特にな・・・いや。実家に戻らなきゃいけませんね。さっき妹からメールも来たし」

「氷川・・・妹いるんだ」


え?澄野さん俺に嫉妬?もしかして。


「羨ましい」


羨望の眼差しで、俺を見てきた。やっぱそうですよね。妹というシュチュエーションですよね、、、でもあんまり仲良くないんだけど。


「よし。つれてって、氷川」

「・・・はい?」


何言い出すんだよ。まあ、楽しいだろうけどさ、色々予定も有るだろうし。


「それじゃあ、私がセッティングしておくよ〜。ツテも色々有るし〜」

「栗原さんまで・・・。でも予定ないのか?澄野。お前も帰省とか」

「ない。帰省しないし、したくない」


きっぱりと言われ、少し驚いてしまった。やっぱなにか事情が有るんだろうな。

まあでも、澄野と実家帰り。なかなか胸踊る企画だな。でもあいつインドアだから外でなさそうだし。水着とかは、、、


「エロっちいこと想像してるね〜。それじゃあついでにチケットも送っておくよ〜。瀬川さんも連れてってくれるなら」

「瀬川までも・・・。くっ。だがしかしプールのチケットはほしい・・・」


あそこの海はかなりの人気があり、チケットがないと入れないほどだ。

つまりは澄野の水着が見れないことになる。それは国宝を拝める機会を失うことになるのだ。

だが、瀬川さんとは気まずい。あの謎の一見以来、ほとんど口を利いていないのだ。まあ一方的に避けているだけなんだけども。


「どうしたの氷川?」


いつものクールな表情ではなく、心配そうに顔を覗いてきた。この瞬間、俺は決断を下した。


「わかりました。それじゃあ彼女も」

「あ〜もう言っておいたから問題ないよ〜」

「・・・・・・・・信頼がない」


はあ、少し馬鹿らしいな。澄野の水着でここまで悩んだのに。優柔不断すぎるな、澄野に関しては。


「これで全員」

「へっ。なんか言いました?」

「別に〜。それじゃあ、楽しんでね〜。移動手段は私が用意しておくから〜」


いつの間にか片手にスマホを持ち、いつものゆるい表情で、かなりすごいことを言ってくれた。なにせ今は帰省ラッシュ。電車もなかなか混んでいるのだ。


「荷物まとめて、行く用意してね〜。瀬川さんは、途中で来るから〜」


こうして、若干の不安を抱きつつも、思わぬ特典とともに、実家帰りをすることになった。

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