第23話 あれからもずっと、続く想い

長いようで短く、黒歴史のようで、私にとってかけがえのない物語。


家に帰ったら10分で華蓮が訪問していたことに、言いようのない恐怖を覚えた。

それ以来、私は彼女と意気投合し(半分は一方的)いつの間にか彼女に対して私は緊張やいらぬ気使いをやめていたのだ!そして親友といわれる関係になってしまった。全く想像もつかない。


「なに懐かしい顔してるの?早くいかないと遅刻するよ」


「いやまだ余裕あるじゃん」


「私が残してきた仕事が残ってるの。今日の生徒総会でやるやつ」


「は!?そんな重要なの今すぐ言ってやらなきゃ!」


すぐさま走る私に、あっさり追いつき並ぶようにしてペースを合わせてきた。やはり彼女には勝てない。まあ陸上部だからしょうがないけど。本当に彼女はマイペースだ。

だが走ると冷静になる。


咲村桜。氷川ゆき。瀬川香織。栗原晴海。


この人物たちについては、謎が多すぎる。

私はちょっとした情報網を持っている。親友のために集めてきたら、いつの間にかかなりの情報網になっていたのだ。

それでも、すべてが分からなかった。特にある人物については、ほとんど残っていない。まるで消されたように。神隠しされたように。


隠蔽されたように。


「どうしたの?顔深刻そうにして。私に言ってみなよ。いじってあげるから」


「いじらないでよ・・・別に大したことじゃないし」


「ふーん」と不思議そうに顔をかしげるも、何も聞かずに走り続けた。こういう所が彼女のいいところだ。信頼して疑わない。まあ友達に関してだけなのがマイナスだけど、彼女の実家を考えれば当然のことだ。


「そういえばさ。なんかこの街に引っ越してきた人がいるんだよね」


「へえ珍しい。華蓮が興味持つなんて」


「な〜んか色々と訳有らしいし、何故かマイホームに住んでるし」


「・・・って引越し先おかしすぎるでしょ!?・・・でも華蓮の家って有名だったか。それじゃあ、そこつながり?」


「さあ。お母さんに聞いても教えてくれないし。逆に関わるなって言われてるしね。まあ訳ありだからだろうけどね」


「へえ。色々と大変そー」


「他人事だね」


「だってもうなんか慣れてきたしさ。いまさら驚かないもん」


「だよね〜。誘拐されたときも・・・」


「はいストップ。それ禁句だから」


誰にでも有る黒歴史。私のはかなり重い歴史と化している。恐ろしや恐ろしや。ブラックすぎてもはやダークだ。

闇歴史。


「てゆうかもう着いちゃった。あーあ。もう終わっちゃうのか、私のスクールライフ」


「生徒朝会はそこまで目立つ場所じゃないでしょ。それに期待されてる《レジェンド オブ ブレイズ》伝説の紅蓮。あまり期待されてないから大丈夫」


「そうだよね・・・って何その中二ネーム!?めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!」


「そうかなぁ。結構かっこいいと思うんだけど」


「そっそんなことよりも、早く準備しなきゃ。私は期待の新星だし」


余計プレッシャーになると思うが、、、まあ彼女にはこうするのが効果が有るだろう。別に最近はやってる通り名を華蓮に言いたかったとかじゃないし。


というか、あれ考えたの私なんだけどねぇ。


内心ニタニタ笑いながら、私は華蓮の後を追った。やっぱり、華蓮最高。大好きです。

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