第16話 瀬川先輩と新婚挨拶

本当にどうゆうことなんだ?なんで瀬川先輩があのアパートに入るんだよ。というか退院したあと何してたんだろう。

そんなことを考えているといつの間にか頭に霧がかかっていた。6時限目の数学、今絶賛睡魔に襲われ中じゃないか。やばい。全然声が聞こえない。だが俺は負けないぞ。立ちう向かえ、俺の理性よ。


こうして、俺は6時限目を終えた。


*************************************

「というわけで澄野、ノートを写させてくれ」


「どういうわけ?というか居眠りは昨日夜ふかししたせいじゃん。自業自得。」


通学路、というかもうちょっとでアパートに入る手前でこんな会話をした。


「それはお前が夜遅くアニフェスに付き添えって言ったからだろ。あのあと全然眠れなかったんだぞ!?」


「しょうがない。カップル限定だったんだから」


ムッとした表情で澄野がそう言い返した。

昨日、澄野が深刻そうな顔で深夜に突然「ちょっと付き合って」と俺をアニフェスに連れ出した。もちろん管理人さんには内緒で。「アニマー」という会社で、何故かこういう制限ばかりかけて主催してる。それ以外はいいらしんだけど。というか俺はほぼ今日になろうとしていたときに眠れた。


「まあ付き合ってもらった仮もあるし、別にいいよ。」


「ありがとな澄野。ほんと助かる。」


「別にっ。仮を作りたくないだけだし」


たまにこういうツンデレっぽさが可愛い。癒やされると言うかなんと言うか


「それより、瀬川さんとはどういう関係なの?」


「へ?ああ、瀬川先輩か。前声をかけられて、今こうなってる原因だよ。関係と言えるほど仲は良くないけど」


急に話題が変わって戸惑いつつも答えた。珍しいな、澄野が他人に興味を持つなんて。

今日の昼休み。俺は瀬川先輩と再会した。もしかしたら、もうアパートにいたりして。


「んじゃ。今日も俺の部屋に寄るか」


「うん。やりたいこともあるし」


何がしたいんだろう。って考えても無駄か。こいつマイペースだしな。

ここ最近、澄野は俺の部屋に寄るようになった。ただゲームしたり、ずっと話をしたりする日もあった。なかなか嬉しいなあ、澄野さんや。

話題は変わるが、晴れてこのアパートは新築した。2週間前、突然管理人こと栗原さんが、ここを改築するので、一時的に退去してほしいと言ったときに知ったんだが、、、

それは、また別の話である


階段を登り、取っ手に手をかけると、中からなにか物音がした。だがその時の俺はその些細な音に気が付かず、開けてしまった。


「おかえりゆきくん」


そこには行儀よく正座して挨拶してる、瀬川先輩がいた。、、、What's!?

ドアを閉める。5秒間深呼吸し、心を無にする。前栗原さんに教えてもらった技術だ。これで俺は何事にも動じない、無表情かつ無感情な人間になれるのだ。


ドアを開いて


「ただいま、瀬川先輩」


と返した。フッ、これはもう新婚生活じゃないか。

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