第16話 瀬川先輩と新婚挨拶
本当にどうゆうことなんだ?なんで瀬川先輩があのアパートに入るんだよ。というか退院したあと何してたんだろう。
そんなことを考えているといつの間にか頭に霧がかかっていた。6時限目の数学、今絶賛睡魔に襲われ中じゃないか。やばい。全然声が聞こえない。だが俺は負けないぞ。立ちう向かえ、俺の理性よ。
こうして、俺は6時限目を終えた。
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「というわけで澄野、ノートを写させてくれ」
「どういうわけ?というか居眠りは昨日夜ふかししたせいじゃん。自業自得。」
通学路、というかもうちょっとでアパートに入る手前でこんな会話をした。
「それはお前が夜遅くアニフェスに付き添えって言ったからだろ。あのあと全然眠れなかったんだぞ!?」
「しょうがない。カップル限定だったんだから」
ムッとした表情で澄野がそう言い返した。
昨日、澄野が深刻そうな顔で深夜に突然「ちょっと付き合って」と俺をアニフェスに連れ出した。もちろん管理人さんには内緒で。「アニマー」という会社で、何故かこういう制限ばかりかけて主催してる。それ以外はいいらしんだけど。というか俺はほぼ今日になろうとしていたときに眠れた。
「まあ付き合ってもらった仮もあるし、別にいいよ。」
「ありがとな澄野。ほんと助かる。」
「別にっ。仮を作りたくないだけだし」
たまにこういうツンデレっぽさが可愛い。癒やされると言うかなんと言うか
「それより、瀬川さんとはどういう関係なの?」
「へ?ああ、瀬川先輩か。前声をかけられて、今こうなってる原因だよ。関係と言えるほど仲は良くないけど」
急に話題が変わって戸惑いつつも答えた。珍しいな、澄野が他人に興味を持つなんて。
今日の昼休み。俺は瀬川先輩と再会した。もしかしたら、もうアパートにいたりして。
「んじゃ。今日も俺の部屋に寄るか」
「うん。やりたいこともあるし」
何がしたいんだろう。って考えても無駄か。こいつマイペースだしな。
ここ最近、澄野は俺の部屋に寄るようになった。ただゲームしたり、ずっと話をしたりする日もあった。なかなか嬉しいなあ、澄野さんや。
話題は変わるが、晴れてこのアパートは新築した。2週間前、突然管理人こと栗原さんが、ここを改築するので、一時的に退去してほしいと言ったときに知ったんだが、、、
それは、また別の話である
階段を登り、取っ手に手をかけると、中からなにか物音がした。だがその時の俺はその些細な音に気が付かず、開けてしまった。
「おかえりゆきくん」
そこには行儀よく正座して挨拶してる、瀬川先輩がいた。、、、What's!?
ドアを閉める。5秒間深呼吸し、心を無にする。前栗原さんに教えてもらった技術だ。これで俺は何事にも動じない、無表情かつ無感情な人間になれるのだ。
ドアを開いて
「ただいま、瀬川先輩」
と返した。フッ、これはもう新婚生活じゃないか。
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