第15話 澄野サーチの結末

と思って、時計を確認すると結構時間があった。あと15分位だ。これなら行けるな。

さてと、って思えば澄野のことあんまり知らないな。だいたい図書館あたりか。静かそうだし。遠くてあんまり行かないけど、行ってみるか。


残り15分


途中で変な人に絡まれたりしたけど、なんとかついた。結構距離があるんだなここ。ガララ、と少し建て替えが悪いドアを開けると目の前に大きな長机があった。ここは結構歴史がある図書館で、もう少ししたら改修工事があるとかないとか。


「って、いたいた」


そこに澄野がいた。思わず声をかけてしまった。そういえば読書中は声をかけれられたくないとか言ってたけど。


「よっ澄野。お前ここにいつも」


「誰ですか?」


見るからに嫌そうな目を向けてきた。やっぱ怒るんだな。いや、でもよく見れば違うな。髪は薄い桃色だし、それに顔があいつとは全然違う。こいつは別人か。


「あっすみません。知り合いと間違えてしまいました。」


「あっそ」


なぜに塩対応。まあここも違ったし、次行くか。


残り9分


図書館に行くまでに結構時間を食ってしまった。いつもは暇だから別にいいけど、今日の俺には澄野を探すという超重要な課題が、、、

次に来たのは生徒会室。澄野を探しながらだけど、途中で生徒会役員さんが「生徒会室に秋村生徒会長が来てって言ってましたよ」とにやけ顔で言われたからだ。さっさとこの環境になれたい。


失礼します。ノックすると、ドアの向こうから「どうぞ」と言われ、中に入った。

そこには奥から、華蓮さん、澄野、それに次に座ってる人には見覚えがあった。。ササラギアパートに入る理由、というか元凶になった人である、瀬川先輩がいたのだ。

俺が呆然としていると


「さあ、座って頂戴氷川くん。話が始まらないわよ」


「すっ、すみません。驚いちゃったもんで」


俺が驚きつつも反対側に座ったのを確認して秋村先輩が咳払いをした。


「さて、ここにあなた達が呼ばれたのは、他でもない新しく入る入居者の説明よ」


「・・・っえ、このアパートに咲村が入るんですか!?」


つい驚いて大声を上げてしまった。そんなことよりも、咲村がこのアパートに入るのか?


「いえ。違うわ。入るのはここにいる瀬川さんよ。咲村さんはあれっきり音沙汰なしじゃない。」


そういえばそうだ。あの勉強会の朝以来、俺は咲村と会ってない。連絡も何も未だに届いてないのだ。


「あの、咲村さんというと・・・」


「その話は長くなるからあとよ。それにあまり時間ないから、さっさと話すわよ。まず、この人にはあなたが説明したり案内したりして。氷川くん。お願いできるかな」


「ってなんで俺なんですか?俺この人と接点ないし、それにこれは女子がやったほうが・・・」


「悪いけど、彼女、つまり瀬川さんがあなたを指名したの。頑張ってね」


そんな期待するような目で見られても、、、って瀬川さんが指名した?なんで、どういうことだ。横目で瀬川先輩を見ると、なぜかショックを受けていた。困ったような、驚いたような目だった。


「すみません。もうすこし・・・」


キーンコーンカーンコーン。丁度なタイミングでチャイムがなった。結局その日は説明を聞けずに終わってしまった。





























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