第13話 勉強会

ジリリ、、、。いつもと同じ音で目を覚ます。そしていつもと同じように二度寝をするのだ。


「寝るなっ」


「朝から怒鳴るなよ、もう」


「起きてくれ、師匠」


「誰が師匠だ。それよりも、お前まだいたのか」


薄目を開けて見えたのは、咲村だった。自然に会話しているけど、布団から出てなるものか。


「先輩・・・この手は使いたくないんですよ。だから起きろ」


「お前なんか話し方変だぞ?と言うよりさっさと俺に惰眠を貪らせろ」


「氷川くんこそ言い方が変だよ?なんで自分で言うの」


この声、、、もしや


「秋村先輩おはようがざいます」


秒で起きた。秋村先輩、この人とは色々あったものだ。今じゃもう禁忌中の禁忌に指定されていて、ちょっと前までは差別の原因になっていた事件だけど先輩って大人らしい。もう忘れてる


「何で私じゃなくこの変態女に・・・」


咲村が変なこと言ってた気がするな。いや、気にすると負けか、、、。俺が起きなかったらどうするつもりだったんだ?まあこいつは無視して、今日はなんで起こされたんだろ。もっと寝ていたいのに。


*************************************

起こされたときは嫌だったけど、今になってそれはプラマイゼロになった。勉強会だ。はっきり言ってしまうと俺は中の下で、この高校に入れたのも運が強いとも言い切れる。まあ努力もしてんだけどね。


「今日半日よろしくおねがいします、先輩」


「ここでは先輩じゃないよ。その・・・華蓮って呼んでもらえないかな?」


恥ずかしいのか、少し頬が赤いような、、って見間違えだな。


「じゃあ華蓮さん、今日はよろしくな」


「うっ、うん」


心なしか、華蓮さんは少し嬉しそうだった。でもなぜか澄野の方は不機嫌そうなんだけど。


「あのイチャつかないでもらえます?あと私は、今日はがあるので部屋にいてもいいですか」


「別にいちゃついてないわ。でも行っちゃだめだから。ちゃんと勉強終わっらせてからね」


「・・・はい」


こうして勉強会は始まった

最初はなかなか順調だった。澄野も嫌々ながら付き合っていたし、俺も華蓮の教え方がうまいせいか、苦手なところもすんなりと理解できた。さすがは学力トップ。


「せんぱ・・・華蓮さん。ここってどうやって解くんですか」


「ああ、ここはね・・・」


華蓮さんとの距離が少し近い気がするのは、多分気にし過ぎか。


「先輩、近いです。もう少し離れてください」


澄野の少し鋭い声が聞こえた。珍しくイライラしてるんだろう。


「こっ、こうしないと教えらないから。しょうがないでしょう?それとも何か」


「別に変な意味じゃないです。ただちょっとむかつきますから、やめてください」


「昔から君は堅いな。だから友達ができないんだぞ」


「別に、友達なんていりませんよ。ゼロでもいいし」


「いや、俺がいるだろ?」


「・・・どういうことだ、す〜み〜の〜」


そこから謎のトークが始まった。


「違う。これはあいつの思い込み」


「そうか〜結構仲良さそうだが」


「なあお前らさっきから何はなしてんの?」


「きみには関係ない」


華蓮さんに言われた。一体なんの話なんだろう。


*************************************

「よっしゃあ。終わったあ」


先輩からの課題も終わって、俺は改めて自由の身となった。



















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