第5話 始まりは大切
*************************************
何故か見覚えのある屋上に立っていた。それで理解する。
「ああ、明晰夢ってやつか。」
頭がぼんやりとしていて、全然働かない。多分ここは前通ってた中学校かな。なんでいるんだっけ。
ぼーっとそんなことを考えていると、眼の前にいつの間にか俺くらいの女の子がたっていた。そうだ。俺はこの子を止めに来たんだ。その子がフェンスを登った。いつの間にか俺は走っていて、俺はーーーー
*************************************
「はっ」
飛び起きた。あれなんの夢を見てたっけ。大事なことを見ていた気がするんだが、あるあるだな、こうゆうのは。
ていうかここってどこだ、、ってああそういえばなんか入居させられて
「いや考えるなっ考えるなよー俺。たしかここは」
「ササラギアパートだよ」
「あっおはようございます。そして」
思い出してしまった。おやすみなさい。それは言葉にできなかったけど、伝わったはずだ。
「って寝ないでよ」
「いや、現実逃避したいんで。絶対起きたくありません」
そして丸まった。自尊心なんて、とうの昔に捨てたよ
「学校、遅刻しちゃうよ」
その一言で、俺は暖かな布団を飛び出した。忙しい。
*************************************
変な朝だったけど、俺の学校生活は終わったわけじゃないはずだ。すくなくともあの魔の手(アパート)はこちらには届いていないはず。今は入学式の挨拶だ。
「会長あいさつ。秋原会長、お願いします」
よし。ここから気を取り直して、新たな学校生活を
「こんにちは。早瀬中学の皆さん。さてーーー」
俺はほぼ頭に入らなかった。だってその人は、ササラギアパートに入って初めてあった人だったから。間違えて入って、そこで裸を、、。やめろ想像するな。忘れろ忘れろ忘れろよ。
そう自分を叱咤していると、いつの間にか挨拶とやらは終わっていた。降板するときに目があった気がするけど、気のせいだろう。ついでにとてつもない殺意もね。
クラスは結構良かった。明るい人もいるし、俺みたいな人(失礼だと思うけど)外眺めたり、新しい友達と喋ったり(すごいコミュ力だな)俺を睨んだり、、、あれ?変な人が混じってるような、ないような、、、まあ別にいいか。俺は朝日でも浴びて黄昏ようかな。友達もいつかできるだろ。諦めなんかじゃないからねっ
「ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、、、」
「馬鹿そうにぼーっとするのはいいけど、聞きたいことがあるからさっさとこっちみろや、変態」
何だこの人。すげー言葉使い雑だな、、、って意外と可愛い。白色の髪でおとなしそうな性格なのだが、、
「ごめん、さっきのは言い方緩かったね」
「いや全然きつめでしたけど!?」
「いや、僕の目の前にいる人間みたいな生き物に対しては、全然ゆるすぎたよ。ごめん。」
「いや謝るとこ間違えてるだろ。それに初対面で軽蔑しすぎだし、、というかなんで昨日の誤解を知ってんだよ」
「ちょっと放課後、付き合って」
全然話聞いてなかった。って
「え?」
唐突すぎだろ。これが青春?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます