第6話 苦手な再会・前編・

唐突だった。とてつもなく唐突すぎるだろ。いきなりモテた?なんて思春期あるあるは考えないけど。この人はおそらくササラギアパート関係者だろう。つまりは要注意人物だ。注意注意、油断大敵。絶対なにかされる。


「大丈夫、僕は何もしない。」


「なんか含みがある言い方だな」


「ちゃんと来てよ。来なかったら、、、ね?」


なぜだ普通に見ればすごい可愛いはずなのに、この笑顔からは悪意しか感じられない。

ていうか普通に本読みに戻ってるじゃん。会話終了なのか。なんかどんどん巻き込まれてる気がする。杞憂に終わればいいけど、、、


**************************************

時間は経って今は問題の放課後なっていた。というかいったいなんなんだこれは。

うーん、逃げるという選択肢もあるけどあの人後々怖そうだしな。でもいっそのこと逃げるか。バレないだろうか


「さあ、行くよ」


「しまっtじゃなくて、こんにちは。名前は何なんですか?」


「変態に名乗る名前はない。」


「かっこよく言っても言われる側は結構辛いからね!?というか本当にあれは誤解だから」


すげー疑いの目で見られてる。でも今のツッコミ的なのは合ってただろうか?心配だな。


「あの、やっぱ名前はなんて・・・」


「いやだ。教えたくない。」


すねた子供みたいに言ってる。なんだろう、この子のこの反応はなんとなく、、、


「かわいい」


何いってんだ俺は。馬鹿なのか?もういっそ馬鹿だと宣言したほうがいいのか。


「違います。これは変な意味で言ったわけじゃなくてですね」


「・・・・・女たらし」


更に軽蔑的に見られてる気がする。気がするじゃなくて、そのままだろうけど。

頬が少し赤いのは、怒りのためだろうな。


「とにかく黙って。うるさいから君は」


あっせてるような口調だった。遅れてるのか。適当に謝ると嫌なパターンになるからやめておこう。


「ついたよ。ちなみに僕はただの案内役で、関係がない。恨まないでね」


突然だな。結局名前は聞けなかったか。まあいつか聞けばいいか。でも少しやわらかくなった気がする。なんかそういうこと言ったかな。案内役さんがノックをしてドアを開けた。いよいよか、、てここはもしかして


「生徒会室、、だと?」


嫌な予感しかしない。生徒会室には生徒会員が、生徒会員にはリーダーである生徒会長がいるってこと。つまりは、、、間違えて見た半裸の人がいるのか。

今更だけど、すごい逃げたい。どうすればいいんだ。半裸を見られたひとに、どういう表情でどういう言葉を伝えればいいんだろう。あの怒声が蘇る。会うのは二度目だから、、、また怒鳴られ罵声を浴びるのだろうか


「こんにちは。氷川ゆきくん」


赤い髪に、赤い瞳。その人は、とても、、、とても穏やかな表情をしていた

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