第6話 苦手な再会・前編・
唐突だった。とてつもなく唐突すぎるだろ。いきなりモテた?なんて思春期あるあるは考えないけど。この人はおそらくササラギアパート関係者だろう。つまりは要注意人物だ。注意注意、油断大敵。絶対なにかされる。
「大丈夫、僕は何もしない。」
「なんか含みがある言い方だな」
「ちゃんと来てよ。来なかったら、、、ね?」
なぜだ普通に見ればすごい可愛いはずなのに、この笑顔からは悪意しか感じられない。
ていうか普通に本読みに戻ってるじゃん。会話終了なのか。なんかどんどん巻き込まれてる気がする。杞憂に終わればいいけど、、、
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時間は経って今は問題の放課後なっていた。というかいったいなんなんだこれは。
うーん、逃げるという選択肢もあるけどあの人後々怖そうだしな。でもいっそのこと逃げるか。バレないだろうか
「さあ、行くよ」
「しまっtじゃなくて、こんにちは。名前は何なんですか?」
「変態に名乗る名前はない。」
「かっこよく言っても言われる側は結構辛いからね!?というか本当にあれは誤解だから」
すげー疑いの目で見られてる。でも今のツッコミ的なのは合ってただろうか?心配だな。
「あの、やっぱ名前はなんて・・・」
「いやだ。教えたくない。」
すねた子供みたいに言ってる。なんだろう、この子のこの反応はなんとなく、、、
「かわいい」
何いってんだ俺は。馬鹿なのか?もういっそ馬鹿だと宣言したほうがいいのか。
「違います。これは変な意味で言ったわけじゃなくてですね」
「・・・・・女たらし」
更に軽蔑的に見られてる気がする。気がするじゃなくて、そのままだろうけど。
頬が少し赤いのは、怒りのためだろうな。
「とにかく黙って。うるさいから君は」
あっせてるような口調だった。遅れてるのか。適当に謝ると嫌なパターンになるからやめておこう。
「ついたよ。ちなみに僕はただの案内役で、関係がない。恨まないでね」
突然だな。結局名前は聞けなかったか。まあいつか聞けばいいか。でも少しやわらかくなった気がする。なんかそういうこと言ったかな。案内役さんがノックをしてドアを開けた。いよいよか、、てここはもしかして
「生徒会室、、だと?」
嫌な予感しかしない。生徒会室には生徒会員が、生徒会員にはリーダーである生徒会長がいるってこと。つまりは、、、間違えて見た半裸の人がいるのか。
今更だけど、すごい逃げたい。どうすればいいんだ。半裸を見られたひとに、どういう表情でどういう言葉を伝えればいいんだろう。あの怒声が蘇る。会うのは二度目だから、、、また怒鳴られ罵声を浴びるのだろうか
「こんにちは。氷川ゆきくん」
赤い髪に、赤い瞳。その人は、とても、、、とても穏やかな表情をしていた
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