第4話 署名ってそういう意味だったり
ここはこのアパートの管理人室らしい。さっきあった栗色の髪の人がこのササラギアパートの管理人さんだったらしい。名前はまだ聞いてない、というか聞けない。まだ仕事中らしくて、ドアの外で立たされてる。はあ。一応事情話したんだけどなあ。多分わかってもらえないんだろうな。とボーっと考えていると
「どうぞ〜、覗き変態魔さん入って〜」
いきなり嫌な二つ名で呼ばれた。誤解解けてないのかよ。
「はい」
って答えて、入らせてもらった。正直めっちゃ怖い。
「こんにちは」
「まず誤解を解かせておいていいですか!」
「誤解ってなんのですか〜」
「あの、、ええっと、、、そのですね」
いや、よく考えればどこから説明すればいいんだ?まずまず許可なしではいったことか?でもそれは瀬川先輩が許可したと思うし、でも先輩って一体何者なんだ??
ああもうまとまんねえ。ともかくこう言えば
「全部です」
「・・・」
やっぱそうだよねー。変に見えるよねー俺は。ああもうどうすれば。
「まず解かないといけないのはこっちからかな〜」
「自己紹介がまだだったね。私の名前は栗原晴海っていいま〜す。それで覗きくんは?〜」
栗山さんっていうのか。栗色の髪に、優しそうな目。語尾のゆったりとしたのは、多分性格の現れだろう。
「まず俺は覗きじゃないですって。名前は氷川ゆきって言います。」
って俺はこのセリフを本日二回目言ってるし。
「はあ。香織ちゃんってばねえ。こんなむちゃしなくても良かったのに〜。」
「早瀬先輩のことですか?」
「ああ。あの子は体が弱くてね〜。今も病院に検査しに言ってるんだよ〜」
そうだったのか。まあこれで納得できるな。
「それじゃあ。全部説明するね・・・」
それで聞いた説明はこうだった。
まずここはササラギアパートといって、この辺の高校に通う生徒さんたちを安く住まわせているらしい。これも毎年のことだとか。「毎年こんなことしてるんですか?」
と聞いたら微笑まれた。また話題そらされたし。それで、瀬川先輩は今日初めて連れてきて、こんなになったとか。ここも長年やってるけど、修繕費がないらしい。それで今このアパートを修繕するため署名を集めてるらしい。
「それでここに名前書いてほしいんだけど、いいかな〜」
「ああ、いいですよ」
それで名前を書いておいた。アパートが修理されるなら。でも白紙ってのはおかしい気がするな。
「はい。それじゃあ、ササラギアパートへようこそ」
「はい。よろしく、、、、、、、っってええええ!?」
「どうゆうことですか??」
「あなたの部屋はね、ええっと、、、102号室ね〜。これからよろしく〜」
「いや、ちょっ、まってくださいよ」
「・・どうしたにかなあ〜。言っておくけど、ご両親の許可は取ってあるわよ〜」
「えっ許可って。どうゆうこと?」
「はい。もう行っちゃっていいよ〜」
俺がまだとまっどっていると。
「いっていいよ〜」
怖い。というかすげープレッシャーだな。これ行くしか選択しないよな。
はあ、もういいや。冷静な理性が「もう諦めよ」と言っているんだし。それに寝たら、夢落ちかもしれないし。そうして俺は指定された部屋に行き、ベットに飛び込み勢い良く一日を終えたのだった。
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