寝れなかったBy兄



「あれ?もう寝たのか?」


あんだけウキウキしてたのに寝んの早いな、でも確かに月夜がいつも夜更かししてるイメージはないな、いつもの習慣で眠くなったんだろう。変にベタベタして来て寝れないって事を予想してたんだけどそんなことなさそうで良かった。


いや、月夜がこっちに近ずきすぎてるせいで若干寝ずらいんだけどね?なんな昔もこんな事あった気がする。小学校に上がる前くらいまでは月夜に強制的に一緒に寝させられてた時も無駄にくっついて来てたな〜


・・・・・・待って、今思い出したんだけど月夜って確か…


うぐっ!


「は、肺が……」


そうだった、昔から月夜は寝坊が悪すぎて毎回強く抱き締めて来るんだった、それで何回寝不足のまま学校に行ったことか……あの時は対策として月夜が寝たのを見計らって距離をとってたけど寝相が悪いの忘れてて距離とれなかった、でも覚えてたとしてもベットだから距離がとれなかった……最初からこうなる運命は避けられなかったのか


や、やばい苦しい。早く脱出しなければ!なんで寝てる時はこんな力強いんだよ!


クソッ!全然引き剥がせない、なんで男の俺より力強いんだよ!って言うかまずどんな寝相してんだよ、人に抱きつく夢でも見てんのか?もう抱きついて来るのは100歩譲って許すから力を少し緩めて欲しい……


「んふふ〜お兄ちゃ〜ん♡」


「え?」


まさか起きてる?そんな訳ないか、こんな力起きてる時じゃ出ないだろうし・・・・・・でも一応確認してみるか


月夜の顔を見ると確かに目をつむってる。完全に寝てる時の顔だな。腑抜けた顔してちょっとヨダレたらしてるし、でもこれだけじゃ寝たフリかもしれないしな、


「月夜起きてるのか?」


「・・・・・・」


返事がない。ほんとに寝てるっぽいな、さっきのは寝言って事だとしたらますますどんな夢見てるのか気になるな。夢でまで俺に何してんだか、兄としてはなんとも複雑な気持ちだよ


「お兄ちゃん〜兄妹なのにそんなこと〜♡」


「ん?」


・・・・・・寝てる、よな?寝言にしてはよく喋るな、もう一度顔を見ると確かにさっきと同じ顔で寝ている。ん〜?もしかしてずっと寝たフリしてるとかないよな?ちょっと攻めたことしてみるか。


抱きしめられて動かせなかった腕をどうにか解放してほっぺをつついてみる。


「ん〜えへ〜」


声は嫌がってるように聞こえるけど完全に顔はにへ〜っとしてるんだよな、いつも起きてる時だったらこと後なんかベタベタしてこようとしてくるけどしてこないってことは完全に寝てるな。


ん〜寝ずらい。いや、昔を思い出すんだ。あの時はこの状態でも寝ていた。つまりその時の気持ちを思い出だせば寝れるはず


まぁでも最悪寝れなくてもいいか、明日は必須じゃないし朝から寝直す手もある。でも一応寝る努力はしておくか


✤ ✤ ✤ ✤ ✤


チュンチュンと雀のなく声が聞こえる。


部屋の窓からは太陽の光が差し込んできて外が少しづつ明るくなっていくのがよく見える。こんなに朝になるのをちゃんと見たのはいつぶりだろうか、


案の定熟睡出来なかった。途中少し寝れたけど深い眠りに入る前に起きちゃって寝れなかったし


スマホを使うと月夜が起きると思ってずっと使えなかったからただただ目をつむって時間を過ごしてたな。


そう言えば今思い出したけど昔一緒に寝てた時も熟睡出来なくて寝不足のまま学校に行って授業中に寝てたことを思い出したわ。


「ん〜お兄ちゃんおはよ〜♡」


「おい!」


月夜が起きたと思ってらすぐさま俺の上に覆いかぶさってくる。


「朝からお兄ちゃんとイチャイチャ出来るなんて〜」


「いいから早くどいて学校の準備でもしろ!」


「え〜」


こっちは今すぐにでも寝たいんだよ、だから早く上からどいてくれ、なんて言えないよな〜月夜に寝れなかったなんて言ったら流石に申し訳ないとか思って普通だったらしばらく控えめになるんだろうけど月夜の場合お返しに私が寝かせてあげる!とか言って膝枕とかしてくるに違いない。


「そう言えば夜お兄ちゃん私のほっぺ触った?」


「起きてたのか?」


「起きてはなかったんだけど誰かに触られた感覚があったから」


なるほど、あの時はほんとに寝てたんだな。もしかしてずっと起きてたとか言うと思って少し緊張したわ


「寝てるか確認するためにな」


それを聞くと月夜の頭の上に電球が出てきてピコンと光るような幻覚が見えた。これも寝不足のせいなんだろうな、そして目をつむって


「実は今私寝てるんだ〜確認するためにほっぺにちゅ〜した方がいいんじゃない?」


今自分が寝てると言うなんとも大胆な嘘をつきながらちゅ〜を要望してくる。もちろん返事は


「するか!」


この一択だ。

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