睡眠欲には勝てないよ

歯を磨きながらもうそろそろ終わるドラマを見る。

別に明日ちゃんとスマホで最初から見るから普段なら見ないんだけど今はお兄ちゃんと兄弟の恋愛ドラマを見ることが出来る!見るしかないよね!これで兄弟恋愛否定的なお兄ちゃんの考えが変わってくれることを祈るばかりだよ!


でもこのドラマいまいち妹のお兄ちゃん愛にリアリティが足りないんだよね〜


今のこのお兄様が何日も家を出て帰ってきていなくて寂しく思ってるシーンとかもっと寂しい以外にも色々あるでしょ!お兄ちゃんが中学、高校の修学旅行の時なんてついて行こうとしたのを両親に止められるくらいだったんだから!


でも他のブラコン妹とかが出てくるドラマとかに比べたらリアル感があるんだよね、話の内容も面白いし、でも真のブラコン妹の私からするとまだまだだね!


原作者さんはもしかしてブラコンの事をよくわかってない?


まはまははへまだまだだね


「ん?なひはなにが?」


ひんのふらほん真のブラコンひはほほとおひねには程遠いね


ひんのふらほん真のブラコンっへなんはよってなんだよ


ほひいひゃんお兄ちゃんはふへへのひもうとが全ての妹のほほはよのことだよ!」


しばらくシャカシャカと歯を磨いているとドラマが終わってエンディングとスタッフロールが流れ始めた。


相変わらず続きが気になる終わり方するな〜途中から見てもなかなか面白いなんてこんなドラマなかなかないよね


エンディングを最後までしっかり聞いてドラマが終わったのを確認してからお兄ちゃんと同時に立ち上がって脱衣所に二人で歩いて行くと脱衣所の中からドライヤーの音が聞こえてくる。お母さんお風呂上がったのかな?


おはあはんはいふよお母さん入るよ?」


「わかったわ〜」


返事を聞いて脱衣所の扉を開けるとお母さんが髪を乾かしていた。


お兄ちゃんが順番を譲ってくれたから先に洗面台を使って口をゆすぐ。


歯ブラシを水で流して綺麗にした後にいつも置いてある所に置いておく


「じゃあお兄ちゃん先言ってるね!」


水で少し濡れた口周りをタオルで軽く拭いてリビングに置いておいた枕を回収してそれを抱えてお兄ちゃんの部屋に入ってベットにダイブするとさっきと同じように体が掛け布団に沈んでいく。


「しあわせ〜」


今日こんなところで寝れるなんて幸せすぎるよ!せっかくさっき気持ちを落ち着けたのにこれじゃ意味ないよ……


「月夜何してんの?」


「ん〜?幸福にひたってるの!」


「そんな事いいから寝るぞ」


お兄ちゃんは私のことを全く気にもしないで電気をオレンジ色の弱い光にする。そしてベットに横になって布団をしっかりかけてほんとに寝ようとしている。


「え?スルー?」


「いや、眠くて」


いやいやいや、私まだ布団の上だよ?布団の中に入ってないんだよ?お兄ちゃんがそんな態度取るならもう容赦しないから!


布団の中に入り直してお兄ちゃんにピッタリくっつく。


心臓がすごい速さで動いてるけどきっとお兄ちゃんもドキドキしてるはず!


「そんなにくっつかなくても空いてるだろ」


「空いてないし〜」


お兄ちゃんが少し体を起こしてスペースを確認してくる。


「めちゃくちゃ空いてるだろ!」


いや、まぁ寝返りを打てるくらいには空いてるかな〜

くらいじゃん!そんなの無いに等しいよ!しかもせっかく一緒に寝れるんだからくっつかなかったらもったいないじゃん!


「そんなのいいから早く寝ようよ!」


寝かさないけど!


「何言っても聞かなそうだし諦めるよ」


さっきと同じように横になるお兄ちゃんにさっきよりも距離を詰める。


こんなお兄ちゃんとくっつけるなんて一緒に寝るの最高!これで明日が休みだったら夜更かしとか出来んたんだけどな〜


・・・・・・あれ?いつもそんな夜遅くまで起きてないせいでもうまぶたが重い、まだ寝たくないのに!ここで寝たらもったいない!そんなのわかってるんだけど……


もうダメだ!寝ちゃう!これはもうしょうがないとして諦めよう、また今度一緒に寝て貰えるような作戦を立てるとして今日はもうあれをお願いして寝よう


「お兄ちゃんなでなでして」


「なでなで?頭撫でろってこと?」


「そうそう」


「それやったら寝てくれるか?」


「寝る寝る〜」


はぁ、とため息をついてるけどちゃんと私の頭を優しく撫でてくれる。


そんな優しいところが昔からずっと好きだよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんに頭撫でてもらいながら寝るなんてこれ絶対明日、調子いいよ、ほんとに、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る