わかってたよね?妹よ
「懐かしい人?」
「そうそう」
「その人とあったから遅くなったってことね、あとお兄ちゃん、ちゃんと手を動かしてね!」
「わかったよ」
月夜に言われるがまま頭に乗せられていた手をゆっくりと動かして撫でる。ここで機嫌を、悪くさせれでもしたら困る
「それで俺が小3の時に入学してきた1年で学校ではよく遊んでたんだよ、月夜が入学した年に遠くに引っ越したから一回も会ったことないな」
まさか道でばったり会うとは……凄い確率だよな、ほんと。こんなこと言うと失礼かもしれないけど昔と全然変わってなかったな、今日は向こうの用事があってゆっくり喋れなかったけど連絡先貰ったし暇があったら話したいな
「・・・・・・お兄ちゃん?一応聞くけどそれって男の人だよね?」
「いや、おんn……」
喉元まで出た声を何とかして押し殺す。
「もし違うって言ったら?」
ここで素直に答えたらろくなことにならない気がする。いや、素直に答えたら確実に何かされる。
・・・・・・なんで素直に答えるとそうなる予想しか出来ないんだろう。普通の
「今日は一緒に寝てもらう!」
上を向いてそう言う。すごい満面の笑みだなぁ妹よ、久しぶに見たよそんな笑顔。もうそれ俺がこと後言うことはわかって言ってるよね?全部予測できてその要求してるよね?ただ一緒に寝たいだけだよね?
ここで嘘をついたところでいつかはバレる。その時要求される事の方が辛いかもしれない。
「はい、女の人です。」
「はい!一緒に寝るの確定!ひゃっほー!」
嬉しそうに声をあげて両腕をあげる。そんなに嬉しそうにするとは……改めて自分の妹のヤバさが確認できるな、お兄ちゃんは月夜が心配だよ……
「ところで昔その人の事好きだったとかそういう展開はないよね!?」
「そんな訳あるか」
でも確かに昔とあんま変わってなかったけど可愛くなってたな。まぁあいつの事を恋愛対象に見ることはないけど、ずっと学校では休み時間になると俺のとこに来て一緒に遊んでたしどっちかって言うと
「やっぱりね、お兄ちゃんの部屋で寝る準備してくるね!枕とか色々!」
そう言って俺の上からぴょんと降りてスタスタと自分の部屋に戻っていく。
「寝る準備ってなんだよ」
寝るのに準備なんてあんのか?歯を磨くくらいじゃない?歯を磨きに行くためにと椅子から立ち上がろうとすると
「お母さんお風呂はいっちゃうわね」
そう言っ手着替えを持ったお母さんが、部屋から出てきた。
「少し聞こえたんだけどあの子こっちに帰ってきたの?」
「お母さんはあったことあったっけ、俺も今日知ったんだよ」
そうか、お母さんは学校に来ることがあったからその時あったのか?・・・・・・いや、俺が自分から紹介したような気もしないでもない。そんな事今は関係ないけど
「確か海外行ったのよね?」
「そうだったっけ?」
もう何年も話の前だからどこに行ったかまでは覚えてなかったな、お母さんよく覚えてるな
俺的には一緒に遊んだのと名前を覚えてただけでも凄いと思うのに……親同士の関わりはそんななかったような気がするけどそれも覚えてないだけか?
「何はともあれ良かったじゃない!じゃあお風呂入ってくるわね」
お母さんも少し嬉しそうにしながら脱衣所に入っていった。
これは親からしても嬉しいものなのか?親の気持ちはまだまだわかんないな。
「・・・・・・あ、歯磨きたかったのにお母さん入っちゃったよ」
うちの家は脱衣所に洗面台があるから誰かが居ると歯が磨けないんだよな〜お母さんが風呂入るまでテレビでも見てよ
ピッとリモコンで電源をつけるとちょうど何かのドラマが始まった。番組表で番組名を確認すると……
「・・・・・・はぁ、なんだよこれ」
〈お兄様と私〜とある貴族の恋物語〜〉そう書いてある。絶対人気ないだろこんなの、兄妹で恋愛するなんてドラマ見る奴いんの?全然いいもんじゃないぞ?ほんと。慕ってもらえるのは嬉しいけどただただ将来が心配になるだけだから!
「・・・・・・でもまぁ暇つぶしに少し見てみるか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます