罰は必要だよね
いつもだったらドライヤーを使ってちゃんと乾かしている所を今日は、タオルで髪と体を少し荒く拭くだけにして、着替えを急いで済ませるて脱衣場を出る。
シチューが出来上がったのかお母さんがお父さんと一緒に椅子に座ってテレビを見ていた。
「あら月夜ちゃんと髪拭かないと風邪ひくわよ」
確かにまだ髪からポタポタと水滴が垂れてるし、体もちゃんと拭けてないから服が少し濡れてるけどそんなこの際関係ない!
「今はそれより大事なことがあるの!」
「シチュー用意しておくわね」
「わかった!」
お兄ちゃんの部屋に駆け足で行く。通ったところにポタポタ水が垂れてるけど後で拭けばいいよね
お兄ちゃんの部屋の前に立って
コンコンッ
「お兄ちゃん入るよ?」
聞こえてないとは思うけど一応ノックして声をかけてからお兄ちゃんの部屋に入る。部屋の電気はついてなくて部屋の中がよく見えない。
「電気つけるよ?」
部屋の壁に着いているスイッチを押して電気をつけて寝ているお兄ちゃんの前に立つ
「お兄ちゃん起き……お兄ちゃんの寝顔・・・・・・写真撮っちゃお♪」
寝てるし写真フォルダとか開かれない限りバレないし撮ってもいいよね!?お兄ちゃんのために頑張ってシチューだって作ったしこれくらいいいよね?
ポッケに入ってあるスマホを取ろうとすると
「・・・・・・ん゛〜」
寝返りをうったおかげでお兄ちゃんの隣に1人入れるくらいのスペースが出来た。
これって入っていいよって事ですか!?いや、絶対違うって分かってはいるんだけどこんなチャンス滅多にないし、まずこんな無防備なお兄ちゃんなかなか見れない!超超レア!これは入らないと申し訳ない!
「失礼します!」
掛け布団をそっと持ち上げてお兄ちゃんの横に寝っ転がる。
もうちょっとくっつかないとベットから落ちちゃうからくっついてもいいよね?だって落ちちゃうもんね!
しょうがないしょうがない
ぬくぬくと布団の中で動いてお兄ちゃんの背中にピッタリとくっつくとお兄ちゃんの体温が直接伝わってくる。
「はぁ〜暖かい」
小さい頃はいつも一緒に寝てたのに今じゃ一緒に寝れないし、私的には全然毎日一緒に寝たい!と言うか寝させてください!って感じなんだけどな〜昔の私ズルい!
ちょっとくらい抱きついてもバレないよね?背中を向けてるお兄ちゃんを後ろから腕を回して抱きつく。さっきよりも暖かい、そのまま頭を擦り付ける。
「・・・・・・ん〜つめた」
目が覚めてお兄ちゃんが私の方に振り返る
「お兄ちゃんおはよ〜」
「・・・・・・月夜!?」
私に気づいてビックリして急に体を起こす。そのせいで布団がめくれてちょっと寒い。
不覚……私がちゃんと髪を乾かしてなかったからお兄ちゃんの服が濡れちゃって目が覚めちゃったよ、やっぱり幸せな時間は長くは続かないってホントなんだね
・・・・・・ってそうだった!理由聞かないと
「お兄ちゃん今日なんで疲れてたの?」
「いや、色々あってさ」
「色々って?」
「色々は色々だよ」
む〜なんでそんなに教えようとしないんだろう?やっぱり女の人関係なのかな?
「教えてくれないならこうするから!」
上半身だけ起こしてるお兄ちゃんを正面から抱きしめて私が上に覆い被さる様にしてベットに倒れる。首に手を回して離されないようにしっかりと抱きつく。
「は〜な〜せ〜!」
お兄ちゃんが私の腕を掴んで必死に離そうとしてるけど何があったか言ってくれるまで絶対に離さないから!
「で!何があったの?」
「なんで言わなきゃいけないんだよ!」
「言ってくれないならもっと凄いことしちゃうよ?」
「なんだよそれ」
そう聞き返してくるってことはやられてもいいって事だよね?ほんとにやっちゃうから!
お兄ちゃんの方に顔を向けてチューをするように顔を少しづつ近ずけていく
「さぁお兄ちゃん!兄妹だからカウントされないから!」
「わかった!話す話す!」
あと少しだったのに〜!いやまぁ出来るとは思ってなかったけども、少し悔しい!でもすぐ話してくれなかった罰として
チュッ
「!?」
「ほっぺで勘弁してあげるけど次はないからね!とりあえずご飯食べよ!食べ終わったら聞かせてもらうから!」
ひゃ〜///しちゃった!しちゃった!でもほっぺだしここで変に動揺すると恥ずかしいから何とかお兄ちゃんにバレないようにしないと、絶対顔赤くなってるよね?でも久しぶりで嬉しかったな、今度は唇に!
ベットから降りてお兄ちゃんの手を引っ張って降ろそうと頑張るけどなかなかに厳しい、私に力があればっ!
「わかったから、自分で降りるよ」
「早く早く!ご飯食べよ!」
「はいはい」
お兄ちゃんの手を引っ張って部屋を出てシチューが置かれているテーブルの近くにある椅子に座らせる
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