お兄ちゃんのためだったら慣れない事だって②

「・・・・・・切り終わった!」


時間は少しかかったけどお兄ちゃんのおかげで遂に玉ねぎに勝利できたよ!人参よりも断然柔らかくて切りやすかった!少し目が痛い気もするけどあの時ほどじゃないしやっぱり私の原動力はお兄ちゃんだ!


「ふっ今日は私の勝ちだね」


包丁で切られている無惨な姿の玉ねぎを見下すように指を指す。なんか女帝みたいでかっこいい!あの時のお返しは出来た!


「じゃあ少し寝るわ」


頭の上から手が離れていく。あ〜ずっとこのままが良かったけど眠いなら仕方ないよね、お兄ちゃんに嫌な事しなくないし


「お兄ちゃんおやすみ〜」


「じゃあ出来たら月夜が呼びに行くから」


「ん〜」


ゆっくりとした足取りでお兄ちゃんは自分の部屋に戻って行った。・・・・・・後で潜り込もうかな?前1回やろうとしたんだけどその時はお兄ちゃんが起きちゃって部屋に戻されちゃったんだよね〜


「え〜っと次は鶏肉かな」


「鶏肉は1口サイズでお願いね」


「まかせて!」


鶏肉を切ろうとするとさっきまでの食材とは感覚が違ってちょっと切りにくい、少しギコギコと包丁を動かして切っていき何とか1口サイズに切り終えることが出来た。


「お母さん、手についた油って洗って落ちる?」


「そこにある洗剤使うと直ぐに落ちるわよ」


「わかった」


あ母さんが言っていた洗剤を手に出して手を洗って水で流してみるとさっきまでヌメヌメしてたのがすぐに落ちた。お〜すごい!考えた人は偉大だな〜


「後はじゃがいもだけだね」


「じゃがいもは4等分にするだけでいいわよ」


「わかった」


まず半分に切ってっと、じゃがいものちょうど半分くらいのところに包丁をストンと落とす。そしてこれをもう半分っと、よし!無事に4等分できた!これを繰り返すだけだね!じゃがいもを1個2個と切っていくうちに切るスピードがちょっとずつ上がっているのが分かる。


「月夜、そんなに速くする必要ないのよ?」


「大丈夫!大丈夫!」


調子に乗ってじゃがいもを慣れないスピードで切っているとツルリと包丁がじゃがいもを滑って左手の人差し指に向かって……


「痛っ!」


「あら!大丈夫?」


「うん、平気平気ちょっと切っただけだから」


う〜油断してた……やっぱ自分に合わないスピードで料理はやっちゃダメだね、今回は傷が浅かったからいいけど……これ以上は料理が嫌いになっちゃいそうだから考えないでおこ


「ちょっと絆創膏貼ってくるね」


「じゃあ残り少しだし切っておくわね」


「ありがと」


キッチンから離れてリビングにあるおっきい棚の風邪薬とかガーゼとかが入ってる所から絆創膏を1枚取って切れてる人差し指の第1関節辺りにピタッと貼り付ける。


「これでよし」


貼り終わったのでキッチンに戻ると残りのじゃがいもが綺麗に切られていた。


「じゃあ次は今切った鶏肉を炒めるわよ」


「わかった」


鶏肉を鍋に入れてコンロの火をつけて菜箸さいばしで焦がさないようにしていると少しずつ火が通ってきて表面に焼き色がついてきた


「お母さん次は?」


「次はバターを少しとさっき切った野菜全部入れていい感じになるまで炒めてね」


「了解」


切った野菜を全て鍋に入れて鶏肉と同じように焦げないように注意しながら炒めていく。炒め始めて数分で玉ねぎがいい感じになってきた。あと少しで完成だ!


「お母さんいい感じになってきたよ」


「じゃあそこに薄力粉を少し入れて全体をかき混ぜたら牛乳と水を入れて煮込んだら終わりよ」


炒めたやつに適当に薄力粉をふりかけて鍋を少しかき混ぜて牛乳と水を食材が浸かるくらいまで入れた。


「これで完成!」


途中失敗もあったけどやっと完成した!私の愛情たっぷりお兄ちゃん大好きシチュー!初めて1から作った料理にしては上出来なんじゃない!


「後は焦げないように混ぜるだけだからお母さんがやっとくわ、月夜は休んでていいわよ」


「ありがとう」


ここはお言葉に甘えてソファーで少し休もうかな


「あ、お兄ちゃん喜んでくれるかな?」


「月夜が一生懸命作ったんだもの喜ぶに決まってるでしょ」


「・・・・・・そっか、そうだよね!」


ふふふっお兄ちゃんに褒められると思うとニヤニヤが止まんないよ!


――――――――――――――――――――

予定してた時刻よりもすぎてしまってすいません!次からはもう少し早く投稿できるようにしたいと思います

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