(参加作品その4)学園で爵位が一番低い僕が、ゴーレム魔法で最高位のヒロインと仲良くなる?(霧様)

   

『学園で爵位が一番低い僕が、ゴーレム魔法で最高位のヒロインと仲良くなる?』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893854676


【コンテスト名】第12回GA文庫大賞(前期)

【一次選考通過数/応募総数】188作品/595作品


【コンテスト名】第15回MF文庫Jライトノベル新人賞(第一期)

【一次選考通過数/応募総数】113作品/455作品



(私からの一言)

 第1話の冒頭から「作品タイトル的に、これがメインヒロインだろう」というキャラが出てきます。ただし冒頭だけであり、その後3話ラストまで別の女性キャラがメインとなるので、そちらがメインヒロインなのか、と考え直してしまうくらいでした。


 序盤の印象としては、一つ前で紹介した作品(同一作者の作品)と似ています。あちらは現実世界の物語、こちらは異世界ファンタジーですが、どちらも序盤のイベントの舞台が山なので、そう感じたのでしょう。また、周囲から見下されている男性主人公という点も共通しています。

 他の作品を読んでいないので間違っているかもしれませんが、これがこの作者様の作風なのかな、と考えてしまいました。


 序盤の山でのイベントは、キャラクターの個性や世界観を自然に説明する形であり、上手い舞台装置になっていると思いました。

 ちょっとした戦闘場面もあったのですが、テンポ重視というより、バトルにおいても心理描写多めのように感じられて、私好みのバトル描写でした。


 山イベントの後は学園イベント。体育祭っぽい話があって、さらに学校行事としてキャンプへ行く話に続きます。

 キャンプという自然要素に加えて、学校行事なので学園のキャラも色々と描かれることになり、この作品のメインなのでしょう。個人的には、この辺りから面白く感じました。「少しずつ読み進めよう」と思っていたのに、一気に最後まで読んでしまったほどです。

 特にキャンプの後半では適度に登場キャラが絞られて、とても読みやすい物語になっていると感じました。その辺りはバトル多めだったのも、私が面白く感じた理由の一つなのでしょう。序盤のバトルもそうでしたが、この作者様のバトル描写は上手いというか、私好みなのでしょうね。



 冒頭でも書いたように、同一作者の作品を二つ続けて読んで、たまたま偶然かもしれませんが、どちらも見下されている系の主人公でした。ファンタジーというオブラートに包んでいるせいか、こちらの方が全体的にやわらかい印象で読みやすかったのですが、それでも基本的に、このような主人公は読んでいて少し辛かったです。

 エピローグ的なラスト数話になって、ようやく主人公に好感を持てた部分もあり「これを先に書いておいて欲しかったなあ」と思ったほどでした。

 あくまでも私個人の受け取り方ですから、主人公の設定のせいで物語を「面白い」と思えないのは、作品を正しく評価できないことになり、申し訳なく思いました。

 漫画や小説では当たり前のように見かけるスクールカースト。でも自分の高校時代を振り返ると、そのようなものが存在していたとは思えず、あれは時代の違いなのか、それとも私の学校が特殊だったのか。普通にスクールカーストにリアリティを感じられる読者ならば、いじめられる系の主人公も楽しく読めるのかもしれない、と考えさせられました。

 スクールカースト云々は別にしても、読みながら「後で上げるために今は敢えて下げているのだろう」と後々の展開を予想して、理解はしているつもりでした。創作上の技法なのだから途中までは我慢して読もう、と思えたのですが、その『下げ』の溜めが、私には長すぎる感じでした。


 とはいえ、よく考えてみると私も「主人公が(おもてでは)評価されていない」という作品を書いているわけで……。この作品を読んでこのような感想を抱くのは、自分のことを棚に上げているようにも思います。ならば自分が書く場合にはどうしたら良いか、色々と考えさせられて勉強になりました。

   

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