(参加作品その2)漆黒の昔方(むかしべ) ~俺のすべては、此処に在る~(加瀬優妃様)
『漆黒の昔方(むかしべ) ~俺のすべては、此処に在る~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889720626
【コンテスト】第6回ネット小説大賞
【一次選考通過数/応募総数】596作品/10156作品
(私からの一言)
主人公が異世界に召喚されて始まる物語ですが、最初のイベントは初恋相手であるヒロインとの再会です。
ヒロインの名前が出てくるのは3話目(プロローグ含めた3話目)のラスト、過去の経緯を語られるのが4話目、実際に再会するのが6話目であり、実質的には、その辺りから物語のスタートだと感じました。
その後、旅立ちや新しい仲間など、安心して読める王道ストーリーが続いていきます。
わかりやすい目的が明示されるのが、読みやすさの理由の一つですね。最終目的だけでなく「次はこれ」とお使いイベントが続く印象です。
古典的な一本道RPGをプレイしている感覚で読んでしまいましたが、一般的に「お使いイベント」というものは、RPGならば似たようなイベントが続いても楽しめるけれど小説は違う、と私は思っています。小説ではゲーム以上に、単調にならないことが重要だろう、という考えです。その点、この作品はよく出来ていると感じました。色々な種類のイベントが続く形であり、読者を飽きさせません。
RPGに重ねてしまえば「ゲームに夢中になるような子供でも安心してワクワクドキドキできる作品」という見方になるのですが、そう思っていると、中盤では大きく驚かされる展開もありました。それまでの見方がガラリと崩れるほどでした。
他の読者の方々はどう感じたのか気になって、わざわざ他サイト連載版の感想も見に行ってしまったほどです(連載当時はエピソードごとの感想がない仕様だったので、残念ながらそちらでも該当エピソードに感想はありませんでしたが)。
ただし、その驚きの展開は、後々「なるほど、こうきたか」という感じで、新たな展開にも繋がっていきました。
上の方で「読みやすい」という言葉を使いましたが、物語展開だけでなく、文章も読みやすいと感じました。変に書き込み過ぎないからだと思うのですが、書き込みが足りなくなると情景や状況がわかりにくい部分も出てくるので、その辺りはバランスが大事なのでしょう。ふと「自分の作品はどうなのだろう?」と考えさせられました。
なお、この作品はシリーズものの一作品です。単独でも楽しめる作品だと感じましたが、本当は同じシリーズの作品を全て読んだ方が、より深く理解できるのでしょうね。特に、少なくとも直接の続編だけでも。
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