第7話 未華と同棲?!

1月が終わろうとしてる頃、未華は目を覚ました

ほぼ1ヶ月何も食べていなかった為、元々細かった未華の手足はさらに細くなってしまった

目を覚ました未華にも、医師から余命の話と、今後病院で過ごすか、自宅で過ごすかの話がされた

俺は未華にどうしたいかを聞き、2人で話し合い、未華の両親にも了承を得て、自宅で過ごす事を決めた

未華の体力の回復と身体の経過を見て、退院することになった



今まで忙しくてできていなかった未華の退院までの頭の整理をし終え、少し肌寒くなってきた

そろそろ帰るか

未だ俺の肩で眠っている未華のほっぺたを優しくつつき起こそうとしたが、「もうちょっとだけ」と言い起きようとしなかった

「ダメだよ、こんなところで寝たら風邪ひいちゃうから」

うう、と呻き眠い目を擦りながら辺りを見渡して自分がどこで寝ていたかに気づき、驚いた顔で「私寝てたの?」と俺に聞いてきた

気づかずに寝ていたのか、そこまで疲れてるなら尚更風邪を引くかもしれない。早く帰ろう

俺はベンチから立ち上がり伸びをし、未華と手を繋いで今まで来た道を戻って行った

家に着く頃には夕陽が沈みかかっており、家に着くと

疲れがどっと押し寄せてきた。

今日はよく寝れそうだ

そんなことを考えながら台所に向かってる途中、冷蔵庫には何も無いことを思い出した

正直疲れていて、買い物に行く気にならかったが渋々買い物に行くことにした

スーパーで買い物をし、家に帰ると俺の家の前で未華が立っていた

未華はまた俺におすそ分けしに来てくれたらしかった

とりあえず家に入れ、簡単なものを作り、未華と一緒にご飯を食べた

夜に持ってきたのは未華が家で作ってきてくれた物で、未華の料理の腕は日に日に上達していた

夕飯を食べ終え未華がまた皿を洗おうとしてくれたが、「今日は大変だっただろうから、休んでて」と言って椅子で待っててもらうことにした

皿を洗ってると、未華がとんでもないことを言ってきた

「ねぇ、今日一緒に寝ていい?」

「……はぁ!?」

一緒に、ネル?

何を言ってるんだ?家を追い出されたのか?そんなこと無いだろ、俺の聞き間違いか?

「もう一度、言ってくれるか?」

「だから、光希の家の、光希の部屋で一緒に寝ていいってきいてるの」

俺の家の俺の部屋で一緒に寝るってどういうことだ?頭の処理が間に合わずぐるぐると色々なことを考えていると

「お母さんが急な仕事を入っちゃって、夜遅くに仕事になっちゃったの、1人じゃ暇だから光希の家に泊まりに行こって思って」

ああ、そういう事か、確か未華の両親は共働きだったな、それに未華1人で家にいさせるのは俺も心配だ

そういう事ならっと俺はとりあえず了承をした

話が終わると、未華はお風呂借りるねーと言ってお風呂に入った

理由を聞いて即座に了承したが俺は自分自身が心配だった

だって同級生で幼なじみ兼彼女が、家に泊まりに来たんだぞ、俺の理性が保っていられるのか?

これからの事にドキドキしていると、肩にタオルを掛けながら未華がリビングに入ってきた

とりあえず俺も風呂に入りこれからの事は後回しにすることにした

風呂から上がりリビングで一緒にテレビを見ているとお互い眠くなってきたので寝ることにし俺の部屋に向かった

「未華はそのベットで寝ていいよ、俺は床で寝るから」

とりあえず、お決まりの床で寝るというのを言ったが、未華は一緒に寝るって言ったんだから光希もベットで寝るんだよ?と、とんでもないことを言ってきた

確かに一緒寝るとは言ったけど、同じベットで?!

「いいよ、それはまずいから俺は床で寝るよ」

「なんで?」

「一応男女なんだから」

「別にいいじゃん、私達付き合ってるんだもん」

「そうだけど、その、男の部屋に女の子を泊めるのはで少なからず親とかが心配するだろうし」

「お母さんに付き合ってるって言ったんだから問題ないでしょ?光希は私と一緒に寝るのは、いや?」

「嫌じゃないけど、なんて言うかその…」

俺がなんて言えばいいのか分からず口ごもっていると強引に俺の手を引っ張られ俺はベットの上に倒れた

「一緒に寝よ?」

未華に至近距離からそう言われドキッとして、俺自身が断りたくなくなり、2人ベットで寝ることになった

俺は部屋の電気を消し未華に背を向けて横になった

「ねえ、こっち向いてよ」

未華はすごい積極的にアプローチしてきてるな

そう思いながら未華の方を向くが、暗くて顔が見えなかった

「ギューってして」

俺は言われるがまま横になった状態で未華を抱きしめた

「もっと」

そう言われ抱きしめている腕をさらに強める

「私がどこにも行かないように、もっと強く抱き締めて」

俺はめいいっぱい強く抱き締めた

未華をどこえもいかせないと心で強く思いながら抱きしめた

「私、怖いよ、光希とみんなと一緒にいられなくなるのが、死ぬなんて、嫌だよ」

俺は初めて未華から聞いた本音

「俺がずっと一緒にいてやる、いつまでも、そばで未華を笑顔にし続ける」

未華は俺の無責任な「一緒にいる」という言葉をどうとらえたかは分からない

それでも未華は「うん」と言って安心したように俺に抱きついたまま寝息を立てて眠った

目を覚ますとベットには俺一人で未華の姿は無く、下から物音がした

下に降りてみると未華が居た

どうやら朝飯を作ってるようだった

俺に気づくと笑顔で

「おはよう!もうちょっとまっててね、もう出来上がるから」

そう言い、お皿を取りだして、できた目玉焼きをお皿に移し始めた

俺は着替えてくると言って部屋で制服に着替えてから戻ると未華は座って待っていた

「今日は早起きなんだね」

そういわれ時計を見るとまだ7時前だった

俺が席に着き、2人で手を合わせい「「ただきます」」を言った

食べながら未華に今日学校はどうするのか聞いてみると、体調はいいけど俺が言った通り休むと言った

少し残念に感じたが、未華が無理をして倒れるよりはマシだと思い「そっか」とだけ言った

食べ終えた食器を片付けたがまだ時間があるので未華と今後何をして過ごすか話してみることにした

「映画以外で未華は何がしたい?なにかお願いがあるならできる範囲で叶えるよ」

「私はね、光希にはずっと私のそばにいて欲しい」

ニコっと笑顔で俺を見てきた

「学校があるから、それは厳しいかな、未華がどうしてもって言うなら、休むけど…」

「冗談だよ、光希はまだこれから先、長い人生があるんだから、私の分まで生きてね」

そう言って未華は左手で小指だけを立て俺の前に出してきた

「約束」

「わかった、でも未華には残りの余命、めいいっぱい生きてもらう、1年が永遠に思えるくらいの日々にしてやる、約束」


「「ゆーびきりげんまん嘘ついたら針千本のーますっ指切った」」


まだ時間はある、この1年は未華のための1年だ

「それじゃあ、行ってくる」

「行ってらっしゃーい」

お互い手を振って、俺は学校へ向かった

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