ホットサンドのお店で偶然出会った男女。何度も会う間に距離は縮まるが、埃臭いこの町では、どちらも秘密を抱えていて……。一万文字以内で、映画のようなスケール感を感じられる、良質な作品です。軽やかな会話と主人公の初心な心の内、そして印象が百八十度変わるラストシーン、どれも取っても素晴らしいです。作中の情報が少なめなのも、想像力を掻き立てられました。
危険な街のささやかな出会い。 男と女。それぞれに抱えた秘密。 深入りできない。してはいけない。だけど、それでも一歩を踏み出そうとした主人公が知ってしまったのは―― ショートムービーを観ているような、雰囲気たっぷりな物語。 かっこよくて切なくて、いろんな『その後』が想像できるラストも素敵です。
キッチンカーで知り合った魅力的な女の子。深いかかわりを持たないようにしていた主人公ですが、「やらない後悔」より「やって後悔」を選びます。関係を1歩進めるディナーへの招待。その前日に知ってしまった彼女の秘密とは?冒頭のキッチンカーを巡るすっとぼけた会話に騙されてはいけません。砂漠の風のような埃っぽい風を感じるハードボイルドな物語です。