#013: 決め手は骨格?
最近、ふと変なことを思い出した。
友人が自宅に遊びに来たときのこと。
アルバムを猛烈に見たがる友人って必ず一人はいますよね。あまり仲の良くない知り合い程度だったら絶対断るけど私の本性を曝け出してそれでもなお友人関係を継続してくれている奇特な人だったので「見たければ見てもいいよ」と見せた。
その中に歴代の元カレの写真もいろいろとありましたよ、はい。
好奇心旺盛な友人は、自分の知らない私の元カレを発見するべく古い集合写真でさえも「この中に付き合ってた人写ってる?」と聞いてきたりもしました。はいはい、正直に教えてあげましたよ、元カレを。
年齢も職業も身長も体重も目鼻立ちもまったく異なる元カレたちの写真を眺めながら、「私の好みって一貫性がないよね」、「そうだねー、みんな似てないね。外見より中身で選んでたんじゃないの」なんて会話をしていたら友人が突然大きな声で
「あっ! 同じとこ見つけた!」
と叫んだ。
私が「はぁ? 何? どこ?」と返すと、
「あご! あごの形がみんな同じ!」
私は内心「そんなことないでしょ。あごの形なんて意識したことないよ」と思いながら元カレたちの写真を見比べてみて驚いた。確かに形がすごく似ている。いや、同じと言っても差し支えないほどだ。
「ホントだ。同じだ。あごの形を気にしてたなんて自覚ないよ」と驚きながら友人に伝えると「自覚なしか。人はそれを『本能』と呼ぶ」とドヤ顔で返された。
「うまいこと言ったみたいな顔するんじゃないよ! 私は今、自分の性癖に気づかなかったことに驚き、自分自身のことをこれほどまでに理解していなかった事実に結構動揺してるんだけど」と心の中は大騒ぎだった。
その友人の指摘以降、いいなと思う芸能人や有名人のあごの形を検証してみたらやっぱりみんな同じだった。
「やさしいから」とか「立派な仕事に就いているから」とか「顔が好みだから」ではなく「あごの形」を最優先の判断基準にする私って野性的すぎないかと少々落ち込んだりもしたが、あごの形はあくまで基準の一つ。それ以外の基準もちゃんとあると自分に言い聞かせて心の平穏を保っている。
自分では分からなかった性癖を指摘してくれた好奇心旺盛で素晴らしい観察眼を持っている友人には一応感謝しとく。ありがとう。
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