#010: 田舎の不便さ舐めんなよ
都会で暮らしている人が経験したことのない不便さと私は日々戦っている。
今現在、私は実家のある田舎で生活している。どの程度を『田舎』と分類するのか知らないが、ここは『都市』という称号が付かないのは確かだ。
人口は毎年減り続け、今後人口が増える要因も見当たらないある地方にひっそりと存在している。それでもここにいる人たちは日々たくましく生活していて、都会の便利さを羨みつつも、知恵を絞り、工夫をこらして暮らしている。
今日は田舎生活あるあるを紹介していこうと思う。
その1: 田舎を訪ねた都会人が発する「のどかでいい所ですね」は決して褒め言葉ではないことを私は知っている。その言葉の裏に隠された「自然以外何もないね」を私はしっかりと理解している。
その2: コロナ禍でUber Eatsがもてはやされているようだが、そんなものとは当然無縁の生活圏である。
その3: Uber Eatsがだめでもネットスーパーで買い物をして楽をすればと思っている都会人に向かって私は声を大にして言いたい、「配達圏外です!」
その4: IkeaもCostcoも県内にありません。
その5: 移動はすべて車。電車なんて何年も乗ってない。ここでは車は重要なライフラインの1つ。都会では公共交通機関が発達しているので電車やバスを乗り継げばどこにだって行けるだろうが、ここでは車がないと何も始まらない。近所のコンビニにだって車で行くのだ。自家用車の所有と運転免許の保持はまさに命綱。
その6: 夏になると虫たちとの壮絶な戦いが始まる。都会では蚊やゴキブリとの戦いくらいだろうけど田舎では蚊やゴキブリに加えてムカデやヤモリなどとも戦わなければならない。家の中でムカデに遭遇した時は心臓が止まるかと思うくらい驚いて数秒間固まってしまう。戦いにおいて重要なのは有効な武器を揃えること。なので、家中のいたる所に殺虫スプレーを配備している。敵と遭遇した際には素早く武器を手に取り勇気を振り絞って立ち向かうのである。しかしながら、勝利の証である敵の死骸の処理が一番苦手である。毎回泣きそうになりながら「うぅー」と叫びながらなんとかこなしている。
その7: 街灯の数が少ないので夜になると結構暗い。懐中電灯が必要なほどではないが、そこそこ怖い。一番怖いのは夜行性の動物との遭遇の可能性があるいうこと。今まで遭遇したことはないのだが(野良猫は除く)、茂みの奥から「カサッ」なんて音が聞こえるとビクッとして身構えてしまう。
田舎での生活は不便なことも多いのだが、昔と比べれば格段に便利になっているのも事実。Amazonに代表されるオンラインショッピングの普及により田舎にいても都会と同じものが購入できるようになってきていたり、リモートワークが広く受け入れられるようになってきたお陰で地理的距離が問題ではなくなってきていたりする。
それでも田舎での生活の不便さは都会人が想像できない所に潜んでいて、私は日々その不便さを克服するべく戦っている。
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