#006: Amazonマジックの餌食に

 皆さん、Amazonはお好きですか?


 私は大好きです。日用品の買い置きから高価なデジタルガジェットまで、いろいろな商品をAmazonで購入している。近所のお店に置いていない商品も購入可能だし、かさばって重いまとめ買いも得意。そして、忘れた頃にやってくるタイムセール祭りの甘い罠。一年中私をワクワクさせてくれる。


 でも、心配になるのが「買い物依存症」になるのではないかということ。

「買い物依存症」とは経済観念のない買い物を続けてしまうことらしく、「衝動買い」とは似て非なるものらしい。ただし、衝動買いがエスカレートすると買い物依存症になるので要注意。

 私の場合は、時々衝動買いをする程度で支払い能力以上の金額の品物を買う勇気がない小心者なので買い物依存症にはなりにくいと思う。ただ、Amazonの巧みなマーケティング戦略には面白いくらい引っかかる理想的な顧客だと思う。


 Amazonには一回の注文合計が2,000円以上になると送料が無料になるシステムがある。これが結構曲者。必要なものだけを注文すると2,000円に満たない場合、送料を無料にするためという免罪符をかざして当初の目的以外の商品も買ってしまう。ときには当初の目的の商品金額よりも送料を無料にするために追加購入した商品金額の方が高い場合がある。不思議なことに、購入快感度は圧倒的に追加購入した商品の方が高い。必要な物を手に入れるのと欲しい物を手に入れるのでは明らかに気持ちの上がり具合が違う。脳内のドーパミン分泌量が段違いなのである。


 もう一つ私がよく引っかかる罠がタイムセール。普段のタイムセールはもちろんのこと、タイムセール祭りになるといろいろなレビュー系You Tuberの動画を見てお勧めの商品を探したりする。必要でもないし、今まで欲しいと思ったこともない商品にまで手を広げてしまい、値引きされていると得したと錯覚する。タイムセール祭りじゃなければ存在すら知らなかった商品なのに。これぞAmazonマジック! 分かっていても罠に落ちてしまう。


 Amazonは罠ばかりではない。ものぐさな私にとって便利な機能も満載である。繰り返し購入する日用品に「再び購入」リストはすこぶる便利だし、以前購入した商品の名前が思い出せないときには「注文履歴」からチャチャっと検索可能。購入日や金額も履歴を見ればすぐに分かるので、支払金額の集計も簡単。何よりも助かっているのが、漫画や小説の同じ巻の重複購入を防げること。以前に買った商品を購入しようとすると「最後にこの商品を購入したのはYYYY/MM/DDです。」と教えてくれる。以前はこの重複購入のミスをよくしていて、本棚に同じ巻が2冊並んでいたこともよくあった。


 便利なのは十分承知しているが、何と言ってもAmazonの一番の魅力はワクワクを提供してくれること。暇つぶしにウィンドウショッピング感覚でAmazonサイト内をウロウロするとストレス発散できるし、欲しかった商品が値下がりしていると大興奮でポチれる。私にとってAmazonは、存分に楽しめるエンターテイメントの一つであることは間違いない。


 そして私は今日も喜び勇んでAmazonの甘い罠に自ら飛び込んで行く。

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