#005: 勝手に『セブンルール』してみた

 フジテレビ系列で放送されている『セブンルール』というテレビ番組をご存知だろうか。

 活躍している女性に焦点を当てて彼女たちが人生においてこだわっている7つのルールを紹介するという番組だ。彼女たちがそのルールにこだわる理由やどのようにルールを守っているのかが紹介される。真似したくなるルールからクスッと笑ってしまうほのぼのルールまでいろいろある。

 この番組を観ていて「私のセブンルールは何だろう?」とふと思ってしまった。

 飽きっぽくて強い信念など持ち合わせていない私に7つものルールがあるだろうか? 仮にあったとして、それらをきちんと守っているだろうか。

 まずは7つ絞り出してみることにした。日頃気にかけて習慣化していたり、意識的に行っていることはないだろうか。何かに迷ったときに指針としている基準のようなものはないだろうか。あれこれ考えてやっと7つ見つけた。一言断っておくが、私は飽きっぽくて気分屋なので今日のセブンルールと一ヶ月後のセブンルールは違う可能性がある。その点はご容赦をば。


 ルール1: 最小限の努力で最大限の効果

 私は1つのことをコツコツと長期間続けるという誠実さは持ち合わせていないようである。何度も言うが私は飽きっぽい。コツコツと努力を続けている途中で興味を失い、ゴールを見失う。なので、飽きる前に結果を出したい。

 結果を早めに出すために、ゴールに到達するための最短ルートを探し、次にそのルートを最速で進む手段を見つける。要は、効率の良い方法を見つけるということ。そしてその効率の良い方法がまだ手元にない場合はその方法を作ることから始める。

 例えば、大量のデータの集計をしなければならないとしよう。電卓を使って手計算で処理をする場合、4時間かかる。でも集計を行うプログラムを2時間かけて組んで、そのプログラムでデータすべてを処理するのに30分かかるのであればプログラムを組む方を選ぶ。それにそのプログラムは別の機会に流用できるかもしれないし、プログラムを組んでいる時間は結構楽しいというおまけ付き。4時間ひたすら電卓を打ち続けるより断然いい。

 これはあくまで例えであって人生においてこのような実務的な選択ばかりではない。もっとふわっとした抽象的な選択肢の中から選ばなければならない場合がほとんど。効率の良い方法を手に入れるための努力や勉強はゴールへの早期到達のためには避けて通れないが、そのちょっとの努力で大きな成果が得られるのなら我慢する。努力したのならその見返りはきっちり欲しいし、楽をしたがる私の性格をよく表しているルール。


 ルール2: 靴は右足から履く

 ヨーロッパでは右足から靴を履くとその日一日ラッキーなことが起きるという言い伝えがあると聞いたことがある。それでなんとなく実践している習慣。諸説あるらしいが、古来人間の体の右側は聖、善、浄、幸運の象徴であるとされているかららしい。その右足から事を始めるとちょっと気分がいい。ただそれだけ。


 ルール3: 悪口を言うなら本人に面と向かって言う、それができないなら言うな

 どこまでが悪口に分類されるかという基準は人それぞれだと思うが、私の場合はちょっとした愚痴や周知の事実に関するコメントは悪口に分類されない。悪口とは悪意をもって対象者を貶めるために意図的に発せられた言葉という認識だ。で、その悪口を本人以外に言うと陰口になる。

 本人に面と向かって言うと喧嘩になるかもしれないし、嫌われるかもしれない。でもそれらを覚悟できないなら本人にも第三者にも言うべきでないと思っている。ネット上でも同じこと。匿名性の陰に隠れて人を攻撃している人たちを見ていると、ああはなりたくないと思ってしまう。


 ルール4: 他人と比較して落ち込まないようにする

 凡庸中の凡庸の私には特筆すべき才能はない。自分より優秀な人は山ほどいる。その人達と比べていちいち落ち込んでいたら切りがない。落ち込んでいる時間があるのなら、その時間を上にいる人達に少しでも近づけるよう努力する。その努力ができない、もしくは努力しても到底追いつけないのなら「人は人、自分は自分」ときっぱりと割り切る。嫉妬や妬みでは自分の能力は向上しない。


 ルール5: 退屈の原因は大体自分、自分で退屈を打破

 退屈とかつまらないと思うとき、原因は大体自分である。ワクワク、ドキドキすることを見つけようとしていな自分が原因なのである。どんな小さなことでもいいのでワクワク、ドキドキすることを探してみる。意外と身近なところに小さなワクワク、ドキドキが転がっているかもしれない。


 ルール6: できる限り嫌いな人を作らない、近づかない

「嫌い」という感情を内側で飼い慣らせる人は大丈夫かもしれないけど、私はダメ。「嫌い」が気持ちを蝕んでいく感じがする。それに「嫌い」と思い続けるにはそこそこエネルギーが必要で、結構疲れる。実にエネルギーの無駄遣い。しかし、世の中にはやっぱり相容れない人は存在するわけで、そんな時は必要最低限の接触で済むようにする。関わらなくても自分の仕事や日常生活に影響が出ないのならひたすら逃げる。


 ルール7: 決断に迷ったときは自分の気持ちが上がる選択肢を

 人生は決断の連続。今日のランチを何にするかを決めるのも決断、転職するかどうかを決めるのも決断。些細なものから重大なものまで、毎日がまるでゲームの分岐点。

 選択肢が複数あり、すべてのリスクと要件を精査した結果どの選択肢もほぼ同じ条件であれば自分の気持ちが上がるものを選ぶ。


 ここまでを読み返してみたら、『氷菓』の折木奉太郎を思い出した。

 彼は「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする省エネ主義者。

 ちょっと私と似てるかも。

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