#003: コミュニケーションと脳細胞のこと

 人の名前をすぐに思い出せない事が多くなった。

 これも老化と諦めるしかないのだろうか。しかし、このまま何もせず脳細胞の死滅を傍観するのも悔しい。少しでも抗う方法を探そう。

 そこで簡単お手軽「ネットで調査」を実行。脳を健康に保つには「会話」、「食事」、「運動」、「睡眠」が大切という記事を見つけた。食事、運動、睡眠は脳に限らず健康維持に大きく影響するのは言わずもがなだが、脳の健康には肉体的健康維持には影響が小さいと思われる「人との会話」が役立つそうだ。

 会話には「話を聞く」、「内容を理解する」、「相手の反応を考えてしゃべる」などの一連の行為で構成されており、これらの行為の繰り返しで成り立つ。また会話に参加している人数が増えるとさらに脳を働かさなければならない。

 会話をしている相手が当人にとってどのような人物であるかによっても脳細胞への刺激のレベルが変わるらしい。憧れの人や尊敬している人との会話は脳をさらに活性化させる。ふむ、では家族などのごく親しい人物が会話の相手の場合はどうなのだろう。空気のような存在で、会話の内容にも目新しいものがなく退屈極まりないものでも刺激になるのだろうか。多少の刺激にはなると思いたい。

 会話が脳を刺激するのであれば認知症の予防や症状の進行を食い止めるのに役立つはず。しかし、脳への刺激を数値化して測定する術は私にはない。なので、効果があると信じて今日も年老いた父に口喧嘩を仕掛ける。

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