第7話 神

「ありがとうございます、親切にしてくださって」と、彼は神様に礼を述べる。



ななの身内でもないのに、神様に礼を述べる

そういう姿勢は、日本人ふうで


神様は好ましい、と思った。





「あー、いや。日本には、ちょっとした会議でな」と、神様。




「出雲大社で神様が集まったの」と、なな。





「外国からも来たの。」と、彼は

微笑みながら。




「そう、それで。日本の現状を憂いてな。」


神様は、人々が思いやりを思い出すように

オキシとしん回路に働きかけたから



これから、日本も、アメリカも

変な競争は減っていく、と述べた。





「競争は別にいいと思うのですけど、不当な

事がなければ」と、彼。



正当な競争なら、負けても別にいい。



そう考えている彼は、健康な思考だと

神様は思う。






負けたくないから、不当な事をするのが

不健康な精神の持ち主。

だから、集団で悪い事をしたりする。



日本人は、集団のために正しい事をし、

渡来人は、集団のためと偽って自分のために

悪い事をする。



たとえば、中国で危険ドラッグを作って

日本に売るように。





「大塚くんにしても、モテないからって

嫉妬する、なんて恥ずかしい事をしなければ

別にいいけど」と、ななは手厳しい(笑)。





「そういうのも、まあ

大塚くんが愛されて育って来なかったせいじゃな。それが恥ずかしい、と思わないのは

日本人の感覚じゃなかろう」と、神様。




日本は島国で、狭い村で仲良く生きていくために

お互いが、迷惑をかけないように、と

気遣かった。




八百萬の神様、と言うように


誰も見てはいなくても、神様が見ていると

自らを律した。




なので、大塚のように

正しくない事をするのは、恥ずかしくて

できないはずが日本人。




できるのは渡来人である。

「ななちゃんも誤解してると思うけど、僕は

優しくはないです。大塚みたいな奴は

殺した方がいい、と思うし」と、加賀は言った。



「ななも、大塚は死んでほしいと思う」と言う。



「それは、淘汰じゃな。生き物はそうして

良くない個体を殺して行ったんじゃ。わずかに近代、それでは不当な死が増えるので

国が禁じただけ、じゃな」と、神様は歴史を語る。




「じゃから、それは罪でもなんでもない。

殺さないから変な人間が増えた、とも言えるが.....いずれ、地獄に堕ちるじゃろうから

わしらが手を下す事もない。無視しておけば良い」と、神様は笑顔で。



関わらなければいいんじゃよ、と。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る