第3話 思い出

でも、ななは


仕事の話を、自分から話し始めた。





「なんか、落ち着くんです、その人の隣だと。

恋人とか、そういうのじゃないと思うけど。


でも、ほかの人と付き合いたくないし。


初めて、その人の笑顔に出会ってから。



でも。」




ななは、想い出をかみ締めるように





告げた。





「その人は、フリーだったから

仕事の合間にアルバイトで来てて。

次の仕事が決まるまで、って。

でも、その人は。


なんていうか、ふんわりとしてて。


ななは、想い出の中のその人を

懐かしそうに語った。






神様は、静かに聞いていた。





「だけど、あたし。

どうしてかわからないけど、その人と

ずっとそばにいたい、って感じて。」

神様は、思う。


この日本と言う国は、30年前までは

思いやりのある国で。



国自身が借金をして、人々の暮らしを守る

、例えば、会社に入れば

55歳まで、同じ会社に居られるように

国が、指導していたから



ななや、その人みたいに  



出会ったり、別れたりが

頻繁に起こったり。



そういう事は、思いやりのある

昔の日本には起こらなかった。



それで、出雲神が

日本人に思いやりを思い出してほしい、と  この国を神様の力で、変えて。




「もし、今出会ってたら

ななちゃんは、しあわせでいられたんじゃな」



神様は、ひとりごとみたいに。



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