EX?「とある吸血鬼たちの談話」
赤い絨毯に黒い壁、外からは美しい夕日の光が差し込む洋館でサリム・ブラッドリーは扉を開いた。そこにはミーカ・フュンフ・ブラッドリーとその部下であるシドとフィンリーがいた。
「お疲れ様サリムちゃん。これ最近手に入ったダージリンよ。ミルクはいかが?」
フィンリーはその筋骨隆々な肉体に似合わないピンク色のエプロンを身につけ、サリムに紅茶を出す。その紅茶を飲み、一息ついたサリムは言った。
「お前たちもご苦労だった。これで少しは黙示録へ挑む目途がついたというもの。」
「にょほほ。眷属がわたちにご苦労とは不遜な奴よ。」
「ふん。それでどうだミーカ。未来は見えたか?」
「わたちの予知はそう使い勝手は良くなかろ。」
「それもそうか。」
ミーカはサリムの膝に座ると彼から紅茶を奪い取り飲み干した。それに対してため息をつくと、シドに向かっていった。
「未来の英雄候補はお前から見てどう見えた?」
「まだまだだな。少なくとも俺に手こずるようじゃなあ。」
「…違いないな。あれらの育成はお前に任せる。」
「しばらくはやってやるさ。それ以降はあいつら次第だ。」
「いまだ心配か?心配することもなかろ。すべての運命は魔導王の証であり神器「
ミーカはサリムの頬に手を当て妖艶に微笑んだ。
「のう、我が眷属サリム・ブラッドリー。お前の過ごした時間に比べれば十数年程度瞬きするようなものよ。」
「ふっ…いまは楽しみに待つとしよう。すべてが変わる新たな時代の幕開けを。」
何人も知らないその場所で怪物たちは静かに笑うのだった。
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