第64話「地獄のチャレンジング?」
レグルスの鎧をまとってもシド(難易度スーパーマン)には勝てなかった。そしてその次の日から苦難の連続だった。
「やああああ!」
一人がチャレンジを行っている間、ほか三人は訓練を行う。ローテーション式でチャレンジは行われた。清志が今行っているのは難易度人間エピックウェポンを起動したうえで、しっかりと相手に刃を向けて本気で仕掛けている。以前のような気後れはもはやない。殺す気で行かないと倒せないことはよくわかったのだ。
「重心ぶれてるぞ、しっかり相手を見ろ。そうしないといつまでも当たんねえよ?」
シドは余裕そうにすべての攻撃をよける。目がおかしくなりそうなほどだ。二十分ほどそんな状態が続き次の人に交代となる。皆夫も剣術チャレンジであり、大体同じような状態だった。
「まだまだだな。しばらく走って来い。そのあとは基礎稽古だ。」
チャレンジクリアできるまで清志たちに休みはない。三十分の持久走の後剣道の基礎稽古、足さばきなど基本的な練習メニューをこなしていく。その間エピックウェポンは起動したままだ。皆夫の次は瞳だった。
「ホーリーウォール!」
「よしいくぞせーのっ!」
瞳が張った障壁にシドがキックを入れた。ただの蹴りだというのに、すさまじい音とともに衝撃で瞳も一瞬ふらつく。それでも障壁は破壊できなかった。
「やるねえ!これで難易度スーパーマンクリアだ!」
「「なんか納得いかない!」」
「どうした二人とも、足止めるなよ?」
「どう考えても難易度おかしいだろ!洋子も攻撃一回防いだらOKだったし、なんで俺らの時だけ難易度おかしい!」
「そうですよ!未だ人間レベルもクリアできてないし、男女格差です!」
二人は持久走を続けながら文句をたれた。それにシドはにやりと笑う。
「お前たちはいつからこのチャレンジが男女平等だと錯覚していた?」
「「なん…だと!?」」
「古来より人間社会は男尊女卑など存在しない。たとえば前にリズがよく飲んでるから気になって千歳の血をもらおうとしたとき、魔導王に殺されそうになった。なんでリズは良くて俺はだめなのか。それが人間社会の原則だからだ。」
「いやそれは俺でも止めるわ。」
ヴァンパイアが血を飲む怪物とはいえ、いい年した男が年端もいかない少女の血を飲もうなどとすれば止められるのは当たり前だ。倫理的にどうなのというやつだ。確かに男より女の方が地位が高いことは言うまでもない。
「ま、スペック的に言えば俺はちゃんと男女平等だから気にすんな。クリアできないのは単純に、お前たちの剣の腕が俺より下過ぎるだけだぜ。」
「「いらっ…。」」
「なーはっはっはっはっは!悔しかったらまずは難易度人間位クリアしてみろひよっこども!」
その後、洋子も難易度スーパーマンまではクリアした。難易度鬼は合宿中にしようということで、二人はしばらく特訓のみということになる。清志たちは毎日毎日シドに弄ばれ、疲れ果てるまでチャレンジと訓練を続けることとなったのだった。
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