ある人は捨て台詞を吐いた
腹立たしいことがあった。
私の担当している利用者がいつのまにか普通の車椅子からリクライニング車椅子になっていことだ。
そのことにより、いままでどうにか自分で食事していたのに、それが不可能になってしまったのだ。
なにせ、そのリクライニング車椅子がどうみても食事もまったく自分で食べれない介助が必要なものだったからだ。
それもいままで使っていた車椅子はどこかに片付けられてしまっている。
その人は熱があって、前屈気味だったからということでそれに変えた。それはわかる。でも、それは一時的なもので少ししたら元に戻る。それなのにリクライニング車椅子に完全に移行されてしまい、いままで残っていた機能を奪われてしまったのだ。
その人はまだ自分で食べているこというと、
普段食事介助やみまもりもしないような人が「自分で食べることができんやろうもん」とかいいだす。
食べてます!
たしかにある程度は介助必要だけど、どうにか自分で食べようと努力してましたよ。最低半分は食べてましたよ!
それをすべてうばいやがった!!
一度介助してしまったら、もう自分で食べなくなるてはないか。
とにかく甘えがでるんだよ!!
腹立たしい。
もうやめたい
こんな仕事やめてやるううう!
やってられん!!
☆☆☆
とまあ、そんなことを愚痴るAさんはある日突然本当にやめてしまいました。
何の前触れもなく「今月中にやめさせていただきます」といいだしてから、10日後の夜勤明けのことでした。
しかも、だれもその日までとは知らずになにも「お世話になりました」という挨拶もなしでした。
それは社会的にどうかと思いましたが、それほどにわたしたちのいる職場に対する不満がたまっていたのでしょう。
話によるとやめるときに施設長へその不満をぶちまけまくっていたそうです。
内容は知りません。
けれど、施設長にいわせるとその内容がまったくまとをえてなくて身勝手なものだったそうです。
最後には「こんなところで働けるか! 最悪な職場です!」と捨て台詞をはいてやめていったそうです。
施設長は「訴えられなければいいのだが……」と不安になられておられました。
まあ、それはなかったようです。
それから、その人はどうなったのでしょうか?
話によると、介護施設を転々としているそうです。
理想通りにできる仕事なんてありません。
けれど、その人は自分の理想どおりに働ける職場を探してさまよっているようです。
ちなみにその人がわたしの職場て働いていたのは半年ほどでした。
──────────
これはフィクションです。
実際にはこんなことがあったわけではありません。
思い付きで書きました。
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