ある人は「写真」を見ていた

去年より大騒動となっている感染症。それにより、介護施設では面会禁止がよぎなくされている。


ときおり、10分程度の面会可能という時期もあったが、完全に面会禁止になってから半年以上がすぎていた。


どうしたら、入居者と家族が顔を会わせる唯一の方法がガラス越し面会とオンライン面会だ。


そのほとんどがオンラインである。



タブレットをつかって、家族との面会を果たすというものだ。


そして、それはこの数ヶ月で何度も行われた。


入居者によっては、タブレットの向こう側がリアルタイムで動いている家族だと理解している人もいる。


そのときは、入居者さんもものすごい笑顔で心から喜んでいるのだとわかるし、家族もその笑顔をみて「元気でよかった」とうれしそうな顔をする。



けれど、まったく反応がないひともいる。


タブレットごしに家族が必死に声かけしているのにボーっとした感じで、タブレットに集中せずに別のことをし始めるひと。タブレットをみるが「写真ねえ」とまったくリアル感を感じないものもいる。


写真だと思っている入居者さんにとっては面会した気持ちになれないのだろう。なんとなく、余計に寂しそうな顔をしているように思えてならない。きっと「写真」を見ながら会いたいと思っているのだろう。


ガラス越しにしろ、オンラインにしろ、触れることもできず、直接言葉を聞くことができない。


完全面会禁止から数ヶ月。


介護施設のクラスターのニュースで、介護職員たちはみな、いつ自分達の施設に起きるかもしれない。もしも、そのとき、どうなってしまうのかという不安のなかで仕事している。



そして、

入居者さんもずっと家族に会えない日々にストレスを溜めているにちがいない。


なんとなくだが、以前よりもどこかそわそわしている。うつのような症状になっているものもいる。


なにも楽しみもなく、会いたいひとにも会えず


不安しかない日々。


職員も入居者も疲弊している。



コロナの恐怖よりも


疲弊し続けるしかない人間の精神状態に不安を覚えてならない。



いつまで続くのだろうか。



つうか、


医療関係者のワクチンが一番先だったのに、介護関係者は後回しってどういうことなんだよ!!


介護施設職員もそうとうリスク高いんだよ!



医療関係者と同時期にしてほしかった。


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