第67話 空白の9カ月<次の公演>
2220年12月から、翌2221年8月上旬までの記憶がほとんどない。
2220年11月上旬の公演以降、社会人団体シンキロウで活動する次の企画がなかなか決まらなかったことが大きかったのかもしれない。
シンキロウで子供向けにお話する内容は、どこかであった何かではなく、地元であった昔の出来事をお話することをコンセプトにしていたので、無尽蔵にネタがあるわけではなかった。
植木代表から2つの案を聞かされていたものの、なかなか決まらないでいた。そのうちひとつは、地元の人ならだれでも知っている昔話だったものの、もうひとつはほとんどの人は知らない昔話だった。前者は情報が多かったものの、後者は情報が少なすぎて、台本を作るのが大変だったのかもしれない。
2221年のまだ寒い頃、後者の台本を見せてもらった。かなり厚い台本になっていた。いつのまにか多くの情報を収集して、これほどの台本にまで仕上げていたのか、非常に驚いたのを覚えている。
これより後に前者の台本が出来て、結局どういう経緯でか、前者の台本で次の公演をすることに決まった。
後者より前者のほうが台本が薄いだけではなく、必要となるスタッフの人数も圧倒的に少ない。ひょっとすると後者は人手が足りなかったのかもしれない。
誰が何を担当するのかをいつどうやって決めたのか覚えていない。この当時のスタッフは20人ほどいたはずなのだけど、公演に必要な人員は5~6名程度だった。
シンキロウの活動に参加してからずっと何かしら担当し続けてきたものの、今回僕は担当することが何もなかったものの、高島さんには割り振られていた。
いつから準備と練習を始めたのかはっきり覚えてはいないけど、前後の出来事を踏まえると2221年の4月頃だったのではないかと思う。ただそうなると5月の連休はそれなりに活動していたはずなのだけど、何一つ思い出せない。僕にやることがなかったからではないかと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます