第3話 初心者向けダンジョン・コテン洞窟
相棒のイノーができた私だが、今絶賛死にかけである。
スライムの大群に追われて……
「うわああああああ!!!」
__
_____
時はさかのぼり、イノーを仲間にした後。
冒険者になれると思ったからか、作戦が上手くいったからか、調子に乗った私はイノーと洞窟へと向かった。
コテン洞窟…低級の魔物が住んでいる洞窟。初心者向けのお試しダンジョンとかよく言われているが、一般人からしたら脅威以外の何物でもない。
昔から成人するまでは近寄るなと言われ続けた。
そんな洞窟に装備もせず、イノーと共に突っ込んでいった私は見事に返り討ち。
全速力で洞窟の外へ逃げ出そうとしています。
「どうしようどうしよう!イノー捕まえるときにほとんどの力使っちゃったから何もできない!」
だんだんと近づく水の音。このままでは確実に死ぬ。
ふと正面を見ると1人の男が立っていた。
そこそこの背丈に金髪の好青年、レオンだ。
「スライディングしてくれ!!」
こちらに向かって走り出しながら、レオンは大声で言った。
慌てながらもイノーを抱えてスライディング。
ズザザザーという音とともに洞窟内に響く声。
「【プラント】!!!!!!!」
その瞬間、後ろから大きな音がする。洞窟全体が揺れ、木の根が突如周辺に出現する。
「大丈夫か?ヒカリが思いついたから、俺も試してみることにしたわ!」
「ホントに木を生やすだけなんだね……」
コテン洞窟を見ると内部に木が生えている。ぐんぐんと成長し、このままでは洞窟の天井を突き破りそうなほどだ。
「どうしてこの場所が?」
「だってヒカリ、昔っから禁止されてるのに行きたい行きたいって駄々こねていた場所だから。家にいないならここしかないと思ってな」
イノーを地面に下ろして首元を撫でる。
撫でられて嬉しいのか、イノーは辺りを走り出した。
その後レオンに向き直り、口を開く。
「少し夢がかなったよ。なんか出来たわけじゃないけど……昔から行きたかった洞窟に行けた」
「んじゃ次は冒険者になることだな!」
そういうとレオンは自分たちの住む村ではなく、隣にある町へと歩き出す。
今この場にいるのは、生産職の2人。
それなのに魔物を捕まえ、洞窟封鎖までしてしまった。
私たちはこんなふざけたコントのような状態に吹き出してしまった。
楽しんでいることを嗅ぎつけたのか、イノーが寄ってくる。
ふと、イノーに手をかざす。
/////
〔イノー〕
種類︰イノシシ
特技︰突進
心︰45%
/////
一緒に戦って心を通わすことができたということなのだろうか。
心のパーセンテージが上がっている。
イノーはこれからどんな成長を遂げるんだろうか。
私たち2人と1匹は町に向かう。
諦めかけた夢を目指して。
#####
カモさんです!
よかったらハートとフォローお願いします!
気軽にコメントもどうぞ!
Twitterのほうも良ければフォローお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます