修行開始!

「さて、出発だな。ウォルフさん、そっちは任せた。」

「oh!任せろ。」

「皆、気を付けるんだぞ。ウォルフさんの話をよく聞いて、行動するんだ。」

「はーい!」

 翌日、二隻の船が港に停まっていた。

一隻は大型の連絡船、もう一隻は小型の連絡船。

 ウォルフや四神の使い達が乗る方は、修行が出来るだけのスペースのある船だったが、ディン達が乗るのは、せいぜい15人が乗れる程度のものだ。

漁船に近い、寝室があるだけの小さい船にディン達は乗り込み、先にプリズへと出発して逝った。

「さて、俺達も行くとするか。お前さん達、乗ると良い。」

「あんな小さい船、見た事ないけど、ちゃんと動くのね。蒸気機関じゃなくて、魔力で動いてるのかしら?」

「さぁ、どうだろうな。さて、俺達も向かうとしよう。船内は、俺達だけしか乗らないという話だ、存分に修行が出来るだろう。」

 ウォルフが言っているのは、銃を使っても問題ない、という意味だ。

その理由をまだ知らない七人は、まあ修行に関する何かが心配だったのだろう、程度の認識だった。

「行きましょう、時間はあんまりないって父ちゃんが言ってましたし。」

「そだな、乗ろーぜ。」

 竜太の言葉で締めて、一行は大型の連絡船に乗り込んだ。


「さて、今日から一週間弱、お前さん達には修行に励んでもらおう。竜太、竜神王サンから荷物は受け取ったな?」

「はい、これですよね?中身、食事ですか?」

「レーションだな。これからウィザリアに着くまで、こいつで栄養を取ってもらう。それに、寝るのも順番に仮眠を取る方式だな。土壇場でいきなりやれってのは、土台無理な話だ。」

 船の乗ってすぐ、ウォルフは修行場に全員を集める。

修行場は、以前の船とは違い色々と物が置いてあって、普通の修業をするのには苦労をしそうな雰囲気だ。

「修行って、何するんですか?なんだか、ごっちゃごちゃしてますけど。」

「俺が教えられるのは、銃撃戦のイロハだ。お前さん達には、銃撃戦を前提とした修行をしてもらう。」

「銃撃戦……、とは……?」

「要は銃を相手にする修行って事だな。お前さん達がした事のない類の修業だろうが、役には立つだろう。」

 そういうと、ウォルフは修行場から消えてしまう。

残された六人は、何が何やらと言った感じで困惑していた。


「……。銃撃戦を想定した修行、って事は……。」

 数分後、竜太が何かに気づく。

そして、探知波動を展開するが、船の中にウォルフの気配が感じられない。

「ウォルフさん、気配がしない……。」

「どうかしたんか?気配がしねぇって、天野さんみてぇに?」

「あの人はちょっと違いますけど、似た様な状態と言いますか……。でも、銃撃戦を想定した、それに相手はウォルフさんって事は、何処かから撃ってくるのを何とかしろ、って事じゃないですかね?」

 竜太がそう告げると同時に、発砲音が響く。

「なんだ……?」

「痛って!」

「これ、ゴムだ……。ゴム弾で修行って事ですかね、ウォルフさんの探知出来ない気配を探知しながら、それを何とかするっていう事なのかな……。」

 竜太は、この旅の中で少しずつ賢くなっている様だ。

以前の状態なら気づかなかったであろう、ウォルフの意図に気づく。

「ピノさんの探知能力を起点にして、って言ってましたよね、ウォルフさん。なら、ピノさんなら探知出来る様になってる、とか?」

「えー?でもあたし、探知能力なんて持ってないわよ?」

「……。ピノさんは、自然を操られるのですよね?なら、その自然に関する何かを探知、するのではないでしょうか?」

「った!それはいいんだけどよ、このゴム弾、結構痛ぇぞ!?」

 考えているうちに、次々とゴム弾が放たれる。

ウォルフの気配は相変わらずしない、探知出来ない、ゴム弾の発射方向を見ても、そこには誰もいない。

 煙に巻かれている様な、ウォルフはそこには存在していないのではないか?と思わされるこの修行、修平ですらウォルフの能力を知らなかった。

「ピノさん、僕が使ってる探知波動の感じって、わかりますか?」

「うーん、何とか?」

「それを、応用する事は出来ませんか?多分、ウォルフさんの気配の消し方は、ピノさんならわかる様にしてると思うんです。」

「竜太君、どういうことぉ?いったい!」

 七人を煽る様に、放たれるゴム弾の数々。

ピノは、植物やそこからくるマナの流れの気配を感じる事は出来るが、人間の気配を探知する事は出来ない。

 うーんと唸りながら、どうにかこうにか人間であるウォルフの気配を探そうとするが、それもなかなか出来ない。


「竜太よ、当たらずとも遠からず、だな。」

 一つの遮蔽物に隠れていたウォルフは、竜太の推測を50%正解だな、と考える。

 これは殺気を感じる為の修業、それはピノだけではなく、他の6人にも言える事だ。

殺気を完全に遮断しているわけではない現状、それを察知する能力を持てばウォルフの攻撃は読める。

 それを出来る様になる、というのがウォルフのこの修業の目的なのだが、最初からすべてを言ってしまっては意味がない、とウォルフは考えていた。

「さて、どうするかな?」

 ピノが必死になって、探知をしようとしている。

それだけが正解ではない、という事を伝えつつ、次の修業もしなければならない。

 ウォルフは、そう結論付けて思案を始めた。


「夜、ですね。」

「皆さん、お休みになられた方が良いのではないでしょうか?」

「じゃあ、一旦客室に……。」

 BANG!

「え……?」

 一行が休憩と就寝の為に修行場を離れようとすると、明らかに実弾の音が鳴り、先頭にいた竜太の目の前を、銃弾がかすめる。

 ウォルフの修業の意味、それをまだ理解しきれていない七人にとって、それは驚愕に値する事だった。

「実弾……?ここを出るな、って事ですかね……?」

「ウォルフさん、当たってたらどうするつもりだったんだろう……?」

 修行の内容、それをおさらいしようと立ち止まる七人。

「修行は、睡眠と食事、それに今のゴム弾での銃撃戦、との事でしたが……。もしかしたら、ここで一週間過ごして、その間は竜太君の持っている食事で、睡眠も交代交代に、という事でしょうか?」

「ってこた、一週間休みなしでやるって事か?あの人、そんな体力持つのか?俺達は交代でねりゃ良いけどよ。」

「それと、ピノさんの探知能力の強化もあるでしょうか?もしかしたら、私達全員の探知能力の強化、かもしれませんが。」

 頭の回転が速い清華が、ウォルフの意図に一番最初に気づく。

それは正解だ、5人は精霊の加護を受けた事によって、魔力の探知が出来る様になっているはずだ、そしてピノと竜太はそもそもそれぞれの探知能力を持っている。

 ウォルフの狙いは、それを強化して、殺気に対応させる事だ。

ウィザリアが戦場だと言うのなら、殺気の探知は出来るに越したことはない。

「魔力探知、それを全員でやってみましょう。皆さんの方が、ウォルフさんの気配を感じとれるかもしれません。」

「どうすればいいのぉ?」

「えっとね。思いっきり集中して、誰がどこにいるか、っていう気配を感じるんだ。僕の説明だとへたくそだから、わかりづらいかもしれないけど……。でも、皆さんなら出来るはずです。」

 魔力探知、それを覚えたのはついこの間だ。

それを使い、竜太でさえ探知出来ないウォルフを探知する、それは並大抵の努力では出来ないだろう。

 しかし、ウォルフからしたら、それくらいは出来て貰わないと困る、という事なのだろう。

「痛ったい!」

「ゴム弾は、多分ウォルフさん自身が撃ってるはずです。だから、ウォルフさんの気配を探知出来る様になりながら、交代で休憩を取りましょう。」

「わかった……。しかし竜太よ、お主ですら探知出来ぬ、ウォルフ殿を、儂らに探知出来るのだろうか……?」

「出来る様になる、と思ってるからウォルフさんはこういった修行を選んだんだと思います。僕も頑張らないと……。」

 竜太は、自分自身の修業も兼ねている、リリエルが気配を消した時の様に、わからないままではいられない、と気を引き締める。

7人は、不規則に撃たれるゴム弾を受けながら、ウォルフがいる方向を必死になって探そうとし始めた。


「お腹空いた……。俺、集中力きれそうだよ……。」

「これ、食べてください。」

「レーション、って言ったっけ?カロリーメイトみたいな感じなんだね。」

「皆さんも食べてください。まだ六日あります、体力は温存しないと。」

 竜太が鞄からレーションを取り出す。

それはディンが用意したもので、リリエルがサウスディアンでボストンバッグに入れられていたものと同じ、スティックタイプのレーションだった。

 6人は、それぞれ好きな味を取り出して、一つずつ食べる。

「あんまりお腹膨れないね。」

「そりゃそだろ?こんなちっけぇの、腹の足しになるかなんねぇかだろうしな。」

「けれど、味は美味しくない、というわけではないのですね。軍隊の方が召し上がるものは、あまり美味しくないとどこかで聞いた事がありますが。」

「お水ほしい!」

 このレーションは、ドライタイプという事もあり、喉が渇く。

蓮が水を欲し、竜太が鞄から出すが、飲みすぎると持たないな、という量だった。

「蓮君、あんまり飲みすぎないでね。多分、一週間持たないから。」

「はーい!」

 元々空腹やのどの渇きに慣れていた蓮は、それを実行するのにあまり抵抗がない。

むしろ、四神の使い達や竜太の方が、喉が渇いてしまったら集中出来ない、

「俺も飲みたいけど、一週間分だもんね、これ……。」

 鞄の中身は、とてもではないが普通に過ごす一週間分にも足りない。

それを確認すると、飲む事を躊躇ってしまう。

「とりあえずよ、女子から休憩しろよ。俺達、探知頑張ってみっから。」

「いいの?あたし疲れちゃったけど、あんた達も疲れたんじゃない?」

「レディーファースト、って事で、俺も賛成。清華ちゃんとピノちゃん、先に休んでよ。」

「ありがとうございます、では、休ませていただき……。痛い!」

 清華とピノが休憩というか、仮眠を取ろうとしたところで、ゴム弾が清華に飛来する。

休憩すらさせないつもりか、と感じる7人だったが、それではウォルフの言葉と矛盾が生じてしまう。

「ゴム弾の気配……。」

「どうした……?」

「ゴム弾の気配を探知出来れば、誰かにあたる前に防げるんじゃないでしょうか?ウォルフさん、それを狙ってるとか。」

 そう言いながら、竜太は転がっているゴム弾に意識を集中する。

 このゴム弾、何か普通の物とは違う様で、微かながら生物的な気配を感じる。

もしかしたら、それを狙ってウォルフはこの修行をしているのかもしれない、と竜太は感じ取る。

「清華さん、ピノさん、遠慮せず休んでください。僕達が、ゴム弾は弾きますから。」

「って言ってもよ、俺達銃弾より早くなんて動けねぇぜ?特に大地なんか、パワーファイターなんだからよ、動けるか?」

「多分ですけど、少しこのゴム弾は遅く発射される様になってるんだと思います。僕達がギリギリの所で掴める様に、だから痛いだけで済んでるんじゃないかって。」

 竜太は、そう言いながら気配を研ぎ澄ます。

ソーラレスで都市全体を探知する程の集中力を使ってしまうと、それはそれで反応が出来ないからと、船内の中でもこの修行場に限定して、探知波動を展開する。

 ウォルフの気配は相変わらず探知出来ないが、これならゴム弾の探知と反応が間に合うと感じていた。


「oh!思ったより早く正解にたどり着いたな。」

 話を聞いていたウォルフは、竜太の頭の回転が速くなっている事に感心する。

今までの竜太は、愛される馬鹿とでも表現すればいいのだろうか、良くも悪くもディンに頼る事が多かった。

 それが、ソーラレスやフェルンでの出来事をきっかけに、自分で考え行動する様になった、とウォルフは読んでいたが、それはどうやら当たっていた様子だ。

まだ部隊を任せられる程の判断力と回転の速さではないが、中々成長しているじゃないか、と笑う。

「さて、それではもう少し。」

 気配を完全に遮断しながら、ウォルフは次弾を装填する。

 実際の所、ウォルフは遮蔽物に隠れているだけで、いなくなったわけではない。

ただ、十か所程にゴム弾を発射する銃を配置していて、それをランダムに発砲しているだけだ。

 竜太や四神の使い達の探知能力が、ウォルフの気配遮断能力を超えるのが先か、それとも船がウィザリアに到着するのが先か。

楽しみになってきた、とウォルフは1人笑うのであった。


「そっち!」

「竜太君凄い!」

 一時間が経ち、清華とピノは仮眠を取っていた。

まだ竜太だけだったが、ゴム弾の発射に反応し、それを掴んで止めて、休息する時間を確保していたのだ。

「俺達も、負けてらんないね。」

「そだな、がんばっか。」

「……。」

 起きている4人も、気配を研ぎ澄まし、ゴム弾の位置と飛んでくる方向を探知しようとする。

探知に慣れていない4人がそれをするのは至難の業、しかし出来なければウィザリアで死ぬだろう。

 それを理解し、ウォルフの修業が意味のあるものだと理解していたから、4人は集中する。

「お?ちょっちわかってきたかもしんね。」

「儂もだ……、気配が、する……。」

 俊平と大地は、竜太がゴム弾を防いでいる間、一時間ずっとゴム弾に集中する事で、その気配を感じ取り始めていた。

「コツってある?」

「僕も教えて!」

「うーんとな。むっちゃ集中する。本気でこいつの事考えて、そんで見ないで見る。」

「俊平君、アバウト過ぎてよくわかんないよ……。でも、そう言う事なら、俺と蓮君はもうちょっと集中しなきゃって事かもね。」

 俊平も大地も、まだ微かに感じられる程度でしかない。

まだまだ竜太には及ばない、竜太は撃ちだされる瞬間にそれを感じ取り、方向を確認してそれを受け止めている。

 しかし、探知出来るのと出来ないのでは、大きく変わってくるだろう。

仕組みはわからないが、確かに探知出来る様になっている、そのゴム弾。

「うーん……。」

「……。」

 4人は集中しすぎる程に集中して、ゴム弾の気配を探知しようとする。

そんな中で竜太は、ゴム弾という無機物を探知出来る理由を探していた。

「……。生物、じゃない……。じゃあ……。」

 生物であれば探知出来る、魔物であっても探知出来る。

しかし、ただのゴム弾にその要素があるとは思えない。

 ならば、自分は何を探知しているのか。

四神の使い達や蓮、ピノにも探知出来るもの、と言ったら。

「魔力……?」

「竜太君、どうかした?」

「もしかしたら、ウォルフさんの籠めた魔力に、僕達の探知が反応してるかもしれないです。ウィザリアでは、魔法使いとか研究者が多いって、父ちゃんが言ってましたし、魔法を使う敵が多いと思うんです。なら、このゴム弾には魔力が籠められてるんじゃないか、って。」

 1つわかってくると、連鎖的に理解が出来る様になってくる。

 ウォルフは魔力を遮断している、銃自体も魔力を発しているわけではない。

しかし、発射された瞬間にゴム弾は魔力を帯び、それが探知出来る様になったのではないか、と。

「魔力の探知、なら皆さんが出来るのもわかりますし、恐らく……。」

「魔力の探知って、お兄ちゃん達の事を見た時みたいにすればいいのかなぁ?」

「そうだと思うよ。微弱だけど、魔力を発してるんじゃないかなって。」

 竜太は、それを答えだと思った様で、ならば生物や魔物の気配を探知していた自分に修行が必要な理由もわかる、と納得していた。

 竜太の考えは、概ね合っている。

ウォルフが今撃っているゴム弾は、ディンに頼んで作った魔力を発する弾だ。

ウォルフ自身、銃弾へエンチャントは出来るが、それは年輪の外の世界の理によって作られた魔力の弾であって、竜太達に探知出来るのか?と問われると、否だろう。

 だから、ウォルフはディンに依頼し、微弱ながら魔力を籠めた弾丸を無尽蔵に発射する銃を生成した。

ディンの持っているMP5から着想を得て、ウォルフなりに修行に使えそうだと考えた結果が、それだ。

「よぉし!僕頑張る!」

「俺も頑張る!」

 俊平と大地は、話している間に集中し、弾丸を避けるだけなら出来るであろう所まで来ていた。

修平と蓮は、厳しい顔をしながら、しかしそれならば出来るはずだ、と集中力を高める。


「hahaha,竜太も賢くなったもんだな。」

 ウォルフは、改めて竜太の知力の向上に驚いていた。

頭の弱い子供だと思っていたが、一人前の戦士とディンが認めているだけあるのだ、甘ちゃんだが、それ相応の実力は持っているのだな、と。

 愉快でたまらない、と言った風に笑みを浮かべ、興味が尽きないと竜太を観察する。

「しかし、一週間でどこまで高められるか?」

 実践になったら、それだけに集中されてしまっては困る。

戦場は色々な環境があり、色々な要因があり、一点集中はほとんど出来ない。

 強敵が現れた場合、ウォルフが対処する事になるであろうと考えていた為、むしろスナイパーとして、集中しなければならない場面も出てくるだろう。

そうなると、周囲の警戒や打ち払いなどを子供達にしてもらわなければならない、戦場におけるチームとは、連携を取りカバーしあい、互いの弱点を補いあう存在だ。

 ウォルフは、自身はスナイパーとしての歴が長く、それに集中してしまうと周囲をカバーしきれないと自覚していた。

だから、そうなった場合のフォローを、子供達に任せなければならない。

「俺は竜神王サンと違って、万能じゃないからな。」

 ウォルフは、リリエルを近接戦闘、一対一のプロであり、自身は狙撃に身を置く者だとすると、ディンは万能型だと考えていた。

 遠近問わず戦え、一定以上の戦力となる、むしろほとんどの場合で過剰戦力となる、ディンの様な存在は、今まで出会った事が無かった。

 実際に戦ったわけではない、実際に戦闘を何度も見たわけではない。

しかし、子供達との修行を見ている限り、ディンはどんな状況にも対応でき、どんな状況でも感情を揺れ動かさない、プロの中でも秀逸な存在だと認識した。

 そんなディンの息子である竜太は、ある程度なんでもこなせるだろうと踏んでいたが、それもあながち間違いではないのだろう、と少し安心する。

魔法の才能はない、と本人もディンも言っていたが、魔力の扱い方がなってないわけでもなく、戦況を読む力もないわけではないのだ、と。

「さて、何処まで意識が続くかな?」

 残る問題は、持久力。

 ウィザリアにどれだけ滞在する事になるかはわからないが、マナの源流というものにピノが気づき、それに子供達が触れるまでは居なければならない。

その間、体力が持つかが正念場になるだろう、とウォルフは考えていた。

「ひとまず、第一段階はクリアしたとみていいだろうな。」

 一週間での修業内容を改めて思い返しながら、ウォルフは身を潜め次の修業の準備に入った。

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