闇の前触れ

再びソーラレスへ

「そうだ。父ちゃん、大地さんが船酔い酷いんだけど、何か無い?」

「船酔いか。悪い状態の予防に効く魔法は、この世界の魔法にあるんじゃないか?どうだ、外園さん。」

「船酔いですか、それならとある薬がありますね。船酔いの激しい方向けに、ここドラグニートの港町で販売されていたはずです。」

 港町へ向かう機関車の中で、竜太が思い出した事を口にする。

大地の船酔いは酷く、ろくに食事も食べられない状態になってしまう為、何か策は無いか聞こうと思っていたのだ。

 ディンが外園に話を振ると、外園は何か知っている様子だった。

「とても苦い薬という話ですが、船酔いや乗り物酔いに良く効くんだとか。私は船酔いはしないので、飲んだ事はありませんがね。」

「試してみる価値はありそうだな、大地君はそれでいいか?」

「うむ……。船酔いせずに済むのなら、それが良い……。」

 車両のVIPルームは2つあり、ディンと蓮に外園、竜太と大地がセットになっていて、リリエル達はもう一部屋の方にいた。

ディンがそうした区分けをした理由は、竜太に話があったからというのと、竜太と大地を別々にすると、少し大地のコミュニケーションが大変そうだなと感じたからだ。

「そう言えば父ちゃん、話って何?」

「あぁ、そうだ。ソーラレスには俺達入らないから、竜太が先導して皆を国の最高神の所に連れてってくれ。」

「なんで?」

「ソーラレスの最高神、仏陀は竜神の存在を快く思ってないんだよ。そこに俺、つまり竜神王なんてのが現れたら、加護がなんだの騒ぎじゃなくなるからな。」

 ソーラレスを統治しているのは、セスティアに実在した仏陀という存在だ。

仏陀は死後にディセントへと魂が渡り、そこで受肉を経てソーラレスという国を建国した。

 何故受肉したのかは誰も知らないが、オリュンポスの神々が実在する世界だ、そんな事があっても不思議ではないだろう。

「でも、父ちゃんがいた方が色々と早いんじゃないの?」

「向こうも戦士に協力する姿勢自体は見せてる様だから、竜太1人でも問題ないよ。」

「お兄ちゃんとまた離れ離れなの……?」

「ちょっとの間だけだよ、俺達は港町で待機するだけさ。」

 竜太との会話を聞いて、蓮が不安げな顔をする。

またディンと離れて活動をしなければならないというのが、嫌な様子だ。

 ディン的には、今回は何処にいるのかもわからない状態ではないのだから、安心しそうなものだがと考えていたが、蓮はディンと離れる事自体が嫌な様だ。

「一緒が良いなぁ……。」

「ごめんな蓮、事情が事情なんだ。」

「僕が傍にいるよ蓮君、だから大丈夫だよ。」

 竜太は勿論同行する、それを聞いて少し蓮は安心したようだ。

以前ソーラレスに来た時は、天野に預けられ竜太とも離れていたことがあった。

 あの時は毒のせいで余裕が無かったが、竜太と離れ離れになって寂しかったのは事実だ。

だから、せめて竜太が一緒にいてくれるというのは、蓮にとって心強い事だ。

「うーん……。」

「ソーラレスの神、仏陀。その出生は謎と言われていましたが、ディンさんは何かご存じで?」

「仏陀っていう存在は、セスティアに実在してたんだよ。ただ、仏じゃなくて人間だったけどな。それが、ディセントに来て国を建国して神格化された。結果、仏陀は本物の神になったとかじゃないか?」

 先代竜神王が世界を分けた時、まだソーラレスは存在していなかった。

ドラグニートとマグナはその時点で国として成立していたが、ソーラレスは未開の地とでも言えば良いのだろうか、マグナの神々が手を着けていないという土地だった。

 それが、仏陀の転生により菩薩などの存在が確立され、国として形を成した、とドラグニートの秘蔵図書館には記してあった。

「菩薩や仏陀の考えはよくわからないからな、警戒しなきゃならない事もあるかもな。」

「……。まさか、仏陀が存在するとは……。」

 黙って話を聞いていた大地だが、やはり仏門にいた人間としては驚きが絶えない。

ソーラレスで仏が治めていると聞いた時も驚いたが、まさか仏教の祖である仏陀までが実在するとは、と。

 衝撃が強すぎるのとともに、ある種感動を覚えてしまう。

それは、自分がかつて信仰していた存在が、実在するという事実からだ。

「とりあえず、俺達は港町で待機してるから、そこからは竜太が先導して動いてくれ。詳細な地図は、その時に渡すよ。」

「わかった、その仏陀っていう最高神さんの所に行って、加護を受けてもらえば良いんだよね?」

「あぁ、そうだな。そう言う流れで行って、港町まで戻ってきてくれればいいよ。」

「お金はどうすればいいの?」

 ディンはパーカーのポケットに手を入れ、袋を取り出す。

それを竜太に渡し、竜太が中を確認すると、ゴールドが30枚程入っていた。

「これくらいあれば移動も宿も足りるだろ、足りなかったら転移で渡すよ。」

「うん、わかった。」

 竜太は袋を受け取ると、自分の転移でそれを別の場所に移した。

これくらいの転移なら、誰かがいる所でしても問題ないだろうという考えからだ。

 実際、小規模な転移自体は世界に存在するので、ディンが人を転移させる様な事が無ければ、あまり問題もない。

「さ、そろそろ港だ。」

「またお船乗れる!」

 蓮は気を取り直し、船に乗れる事を喜ぶ。

大地は船酔いの事を気にしているのか表情が固く、窓辺から外の景色を眺めながら考え事をしている様だった。


「外園さん、例の船酔いに効くって薬は?」

「あちらのお店で売っていたかと、私が買ってきましょう。」

「船酔い?誰か船酔いをするのかしら?」

「大地君がね、船酔い酷いらしいんだ。」

 夜になり港町に着いて合流した一行、まずは外園が大地の酔い止めの薬を買いに行った。

大地の船酔いの事を知らないリリエルが疑問を口にして、あーそういえばジパングからの船でも酔っていたな、と思いだす。

「船酔いねぇ、あたしはした事ないけど、しんどそうよね。」

「私、船乗ったことないからわからないや。」

「明日奈、ドラグニートから出た事ないもんね。」

 明日奈は6歳の時から、ずっとドラグニートで過ごしてきた。

それはクェイサーの方針というのもあり、明日奈の力は何処で誰に悪用されるかわからない、という考えからだ。

 明日奈自身はそれを窮屈には思った事が無いが、知識として知っている蒸気船や、フェルンで使われているという帆船には興味があった。

「ピノさんは旅をされていた事があるのですか?」

「あたし、ノースディアンに住んでるのよ。だから、船使ってこっちまで来てるのよ?」

「ノースディアンって、どんな国なの?」

「人間が治めてる平和な国、あたしは原住民だから北の方に住んでるんだけど、南の方には色んな種族が住んでるわよ?」

 ノースディアンの事を知らない修平が、興味ありげにピノに問う。

ピノはノースディアンの中でも、原住民が統治している北側に住んでいる様で、南にはあまり寄り付かない。

 移民や他種族との交流をあまり持とうとしない、北側の人間としての潜在意識とでも言えば良いのだろうか。

「薬はこちらですね、どうぞ大地さん。」

「有難い……。」

 話している所に外園が戻ってきて、水と灰色をした球体の薬を大地に差し出す。

大地はそれを受け取ると、苦いという言葉を思い出しながら、それを飲み込み水で流し込む。

「苦い……。」

「おや、意外な反応ですね。非情に苦く、吐き出す方も少なくないと聞いていましたが。」

 大地は外園の考えていた反応とは、少し違う反応を見せる。

苦みに慣れているのか、拒絶反応が出る程苦みを感じなかった様だ。

「効果はどれくらい続くんだ?」

「1年程度と聞いています、その間に船などの乗り物に慣れ、酔う事が無くなるのだとか。」

 効果についてディンが聞き、それに外園が答え、ディンはなんとなくそれに納得する。

恐らく、船酔い自体を何とかする薬であると同時に、それ自体に耐性をつける時間稼ぎの様な作用があるのだろう、と。

「じゃ、明日朝一で乗りますか。」

「今日出発じゃないのぉ?」

「もう夜だからな、船が出てないんだよ。」

「そっかぁ。」

 とりあえず宿に移動しようと動き始める一行。

ぞろぞろと動き出し、宿へと入っていった。


「さて、明日から1週間船の上か。」

「お船の中でも修行出来るんだよ!そういう場所があった!」

「そういや武芸者向けに、そんなスペースが設置されてるんだっけか。」

 船に乗っている間も修行をしたいのであろう蓮に、ディンは乗り気な様子だ。

1週間も船の上なのだ、時間を無駄にせずに済むのなら、それに越した事はないだろう。

「ソーラレスはね、みんな大地さんみたいな洋服着てるんだって!お兄ちゃん知ってた?」

「そうなのか?それは知らなかったな。でも仏教の国っていうんだ、それもおかしくはないかもしれないな。」

「天野さんって言うね、お医者さんもいるんだよ!」

 蓮はディンが知らないと思って話をしているが、ディンは大体の事は把握している。

が、蓮の楽しそうな様子に水を差すのも違うか、と知らないふりをする。

 蓮は、ディンも知らない知識を披露出来ている、という考えで気分が高揚している様子だ。

「それでねそれでね!」

「ゆっくり話して大丈夫だぞ?何処にも行きやしないから。」

 楽しそうな蓮と、それをうんうんと聞いているディン。

普段はディンが蓮に物を教える立場なのだから、逆というのは楽しいだろう。

 夜が更ける中、蓮は眠くなるまでディンにソーラレスで身に着けた知識を語った。


「竜太よ……、眠らなくても、良いのか……?」

「もう少ししたら寝ます、先に休んでくださいね?」

「……。」

 竜太は、何かが起こる予感を感じて、窓辺から月明りを眺めていた。

ディンの様に何が起こるのかを想定出来る訳では無いが、何かが起こる気がする、と。

 予感、直感、虫の知らせ、そう言った類の何かが、脳の裏をかすめる。

そんな竜太を見て、大地は何かを思ったのか竜太と反対側の椅子に腰掛け、竜太の方を見る。

「竜太よ……。お主は、嘘をつくのが苦手なのだな……。」

「そうですね、正直者って言えば聞こえは良いですけど、馬鹿ですからね。」

「そうではない……。お主の纏っている、その空気の事なのだ……。」

 大地は元々人の感情の機微に敏感だ、それに加えもう何か月も寝食を共にしてきた。

そんな竜太が纏う空気、気配、そう言った要素を感じ取れる様になったのは、つい最近の事だ。

 今は、隠し事ではないが、竜太が何かを憂いている、と感じ取っていた。

それはあながち間違いではない、竜太は何か嫌な事が起きる様な気がしていて、それを憂いていた。

「大地さん、凄いですよ。僕なんて、人の気持ちとか読めないですもん。」

「儂も、最近になって、お主の空気がわかる様になった……。共に過ごしてきた時間が、長いからだろう……。」

「それでも凄いですよ。僕、父ちゃんと1年以上一緒に暮らしてるのに、何考えてるかとか全くわかんないですから。」

 それはディンが隠し事をするのが上手すぎるからなのだが、竜太にとってはそう言う事ではない様だ。

ディンは竜太にもまだ語っていない事がある、そしてそれは竜神王であるディンにしかわからない事なのだろう。 

 この世界に来るまで、隠している事にすら気づかなかった、色々な事。

その全ての疑問が晴れた訳でもなく、ディンが晴らしてくれる訳でも無い。

「ディン殿と、一度話をしてみてはどうだ……?」

「話してくれませんよ、きっと。父ちゃん、僕達を守る為なら隠し事でも何でも貫き通す人ですから。」

「そう、最初から決めてしまっては……。」

「それだけ父ちゃんを信じてるんですよ、僕達兄弟は。父ちゃんは意味もない嘘をつく人じゃない、誰かの為にしか何かをしないって。」

 疑念が無いわけではない、話してほしいと思わない訳では無い。

自分はディンの継承者で、息子なのだから。

 しかし、ディンの信念の強さや頑固さは、良く知っているつもりだ。

余計な事を言って気を煩わせたくない、という気遣いも竜太の中にある感情だ。

「我欲を滅する……。それは、人の世界を超えておるのでは、無いだろうか……?」

「父ちゃんはそう言う人です、まあ神なので厳密には人じゃ無いですけどね。父ちゃんは、自分の意思で誰かの為に生きる事を選んだ、僕はそう思ってます。」

「誰かの、為……。」

「だから、僕もいつか父ちゃんと肩を並べて戦える様になりたいんです。誰かの為に、兄弟達の為に、世界の為に。勿論、大地さん達の為にも。」

 竜太にとってディンとは、父であり、憧れであり、目標だ。

超えられぬ壁と認識してはいるが、それでも尚目指したいと願う。

 それは叔父であるデインに対しても同じ考えであり、兄である悠輔にも同じ感情を抱いている。

皆、誰かの為、大切な人達の為に戦っている。

命を掛けて、誰かを守ろうとした、世界を守ろうとしたその姿が、竜太にとっては眩い程の憧れなのだ。


「儂は……。お主も、立派だと思うが……。」

「僕なんてまだまだですよ。戦うのは怖い、誰かを傷つけるのも怖いんです。そんなんじゃ、いつまで経っても、本当に誰かを守る事なんて出来ない。父ちゃんは、守る為には戦う必要があるってわかってる。悠にぃもデイン叔父さんも、大切な人を守る為には恐怖と戦わなきゃいけないって、わかってるんです。」

「……。」

 暫しの無言の中、竜太も十分に理解しているのではないだろうか、と大地はそう感じた。

魔物を相手にした時も、餓鬼を相手にした時も、竜太は果敢に戦っていた。

 勇気ある、自分達を先導し勇気付けてくれていたのは、間違いなく竜太だ。

「父ちゃんは昔、家族を守る為に生みの親のレイラさんも……。レイラさんは僕にとっても半分はお母さんなんですけど、それにおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんも斬ったんです。家族を守る、その為に世界も守る、それだけの為に。」

「家族を、手にかけたと……?」

「はい。それだけの覚悟があって、父ちゃんは戦ってるんです。全ての罪を自分が背負う覚悟をして、命を掛けて。」

 憎しみとは無縁の、何かを守る立場であるディン。

そんなディンが、多くの命を手にかけてきたと知り、大地は驚く。

 予想できるはずもないだろう、あんなに飄々としていて、いかにも世界を守るのが当たり前、という人物が。

まさか、誰かを守る為にとはいえ、悪ではない、魔物でもない家族を殺している、とは。

「ディン殿は……。」

「父ちゃんは全部、自分のせいだって言ってました。自分の我が儘で、家族の命を奪う事になったって。でも僕は、それでも兄弟を守りたかった父ちゃんの気持ち、ちょっとわかります。」

「気持ち……?」

「何に変えても守りたい、何を失っても守りたい。それが誰かを傷つける結果になったとしても、それを受け入れて責任を取る。それが、父ちゃんのやり方なんですよ。」

 竜太は、自分は兄弟の為にディンを斬れるか、と聞かれればNOと答えるだろう。

それは、竜太にとってはディンもかけがえのない存在で、大切な人だから。

 しかし、ディンがもしデインの様になってしまったら。

闇に呑まれ、兄弟達に何かをしそうになってしまったら。

その時は覚悟するだろう、ディンを斬って救う事を。

「僕はまだまだ弱いです。でも、覚悟だけはしとかないといけないって、いつも思ってます。」

「覚悟、とは……?」

「父ちゃんを……。父ちゃんを、斬る覚悟です。守護者は、いつ闇に吞み込まれてもおかしくは無い。だから、その時は俺を斬れ。そう言われてますから。」

「悲しい、な……。」

 きっとそれは、竜太にしか出来ない事なのだろう。

竜太は継承者として、いつか来るかもしれないその時に、怯えながら生きて行かなければならない。

 違う。

その時が来てしまったら、ディンを救う覚悟をしておかなければならない。

 それが出来なければ、世界は滅びるだけなのだから。

そしてそれは、ディンや竜太が守りたい家族の死を意味する事なのだから。

「まあ、僕は信じてますけどね。父ちゃんは、絶対闇になんか負けないって。」

「そうか……。ならば、信じ続けてやるのが、良いのでは無いか……?」

「そうですね。大丈夫だって、父ちゃんなら誰にも負けないって、信じてます。」

 蓮がディンの様になったら、きっとディンは1人で戦う事を選ぶだろう。

あの時見た大蛇、もしもその姿に蓮がなってしまったら。

 考えたくはないが、自分も守護者の端くれなのだから、と竜太は考えを止めようとはしない。

その日が来てしまったら、ディンが蓮と戦い、その間自分が皆を守らなければ、と。


「そうだ……。デインという神は、どのような人物なのだ……?」

「叔父さんですか?叔父さんは……、そうですね。一言でいうなら子供っぽい人でしたね。正直で、涙もろくて、優しくて。本当に、大好きなおじさんです。」

 懐かしげに語る竜太。

デインと離れてから1年ちょっとしか経っていないが、共に過ごした時間はデインにとっては遠い昔だ。

 忘れられてしまっているかもしれない、覚えていてくれているかもしれない。

「竜太……、涙が……。」

「あれ?泣いてるつもりなんて、無かったんだけどな。」

 竜太が涙を流している事に、先に大地が気が付く。

竜太は、自分が何故泣いているのか、わからないという戸惑いの表情をしていた。

 寂しい、会いたいという感情が、涙となって流れてしまっている様に、大地は感じた。

「お主にとって、とても大切な人なのだな……。」

「はい……、会いたいなぁ……。」

「会おうと思えば、会えるのではないか……?数日前、蓮が会ったと言っていたが……?」

 確かドラグニートにきてすぐ、自分達が武器を取りに行っている間に、蓮はデインに会えたと興奮気味に話していた。

それなら、竜太も会えない事は無いのではないだろうか?と大地は疑問を口にする。

「叔父さんは……。ううん、今はまだ良いんです。」

「何故だ……?」

「僕はまだ一人前じゃない、叔父さんに会うのは一人前になれたら、です。」

 竜太は、この世界にデインがいると聞いて、会いたいと願った事があった。

しかし、半人前のままで、ディンと世界を救ったデインに会ってはいけない、と感じていた。

 だから、自分が一人前の守護者になれたその暁に、デインに会いたいと思ったのだ。

「ならば……。修行に励み、一人前と思える様に、ならぬといかんな……。」

「そうですね、早く会える様に頑張らないとです。大地さん、そろそろ寝ましょう。」

「そうだな……。」

 気が付けば、満月が天高く上っていて、街をぼんやりと照らしていた。

これ以上の夜更かしは、体に毒だ。

「大地さん、お話聞いてくれてありがとうございます。」

「良いのだ……。儂とお主は、友なのだから……。」

「はい、大切な仲間で、大切な友達です。」

 涙を拭き、空を見上げる竜太。

暫くそうしていたが、気持ちが落ち着くとベッドに入り、眠りに落ちていった。

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