ディンの考え

「僕達が一番に戻って来たんですかね?」

「どうやら、その様だな……。」

 エレメントの宿に戻ってきた竜太と大地は、他の面々がまだ戻ってきていない事を確認する。

時間はもう夕方を過ぎていて、日が傾き始めていた。

「とりあえず、夜ご飯を食べに行きましょうか?」

「それが良い……。」

 機関車に乗りっぱなしで昼食を食べていなかった2人は、腹を空かせていた。

だから、夕食を食べに行くという選択肢は、至極全うな答えだ。

 部屋に一度戻り、鉄心六尺棒とアルディナを置いて、食堂へと向かう2人。

「今日のメニューはなんでしょうかね。」

「わからん……。だが、美味い物ではあろうな……。」

 ここに来てから、不味い食事という事は一度もなかった。

大地にとっては、精進料理以外で、初めて食べる美味しいものだらけ、という認識だ。

精進料理も不味い訳では無かったが、仏門を嫌っていた大地はあまり好んではいなかった。


「こんばんはー、2人分お願いします。」

 そんなこんな話している間に食堂につき、2人分の食事を頼む竜太。

水を貰い席について、食事が出来上がるのを腹を鳴らしながら待つ。

「2人分、お待ち!」

 料理自体は作り置きがされていたのか、すぐに出てくる。

今日の夕食は、カレーの様だ。

「そういえば、カレーなんて久しぶりだなぁ……。」

「儂は、食べた事がないな……。」

「僕の知ってるカレーと同じなら、美味しいですよ?」

 大地はスプーンでカレーを一口掬い、口に含んでみる。

大地は知らない、食べた事のないスパイスの香りが鼻から抜け、後から辛みがやってくる。

これは美味い、と大地は米と共にかき込む。

「辛いなぁ……、でも美味しいですね。」

「辛い……、というのは初めてだ……。」

 精進料理でも、甘辛い味付けの食事自体はあった。

が、それは醤油などの塩気からくる甘辛さであり、スパイスではなかった。

 初めての味に、大地は驚きながら楽しんでいた。

「お、今日はカレーか。」

「と、父ちゃん!?」

「竜太達の方が先に帰ってたか、他の皆はまだだな。」

「竜太君おかえりぃ!」

 食事をしていた所に、ディン達が食堂へ入ってきた。

竜太は共鳴探知を発動しておらず、いきなり声を掛けられた事に驚く。

「君が竜太君?確かに、私と同じ様な霊力を持ってるね!」

「似てないわねぇ、ホントに親子なの?」

「えーっと。父ちゃん、その人達は?」

「あぁ。こっちがピノ、こっちが明日奈だ。俺が探してた、というか協力を頼んでた戦士だ。」

 驚いて固まっている竜太と、何が起きているのかがわかっていない大地。

そんな2人に、ディンはピノと明日奈を紹介する。

2人ともディンと竜太が親子である事は聞いていたが、見た目が全く違う事に少し驚いていた。

「あ、僕坂崎竜太って言います。」

「儂は、新月大地と申す……。」

「そっちの君は大地君ね、宜しく!」

「でっかいわねぇ、まるで巨木が喋ってる見たいね。」

 そういえば、と挨拶をする竜太と大地。

 ピノと明日奈は大地を見るのは初めてだが、197cmあるその大きさに物怖じする事無く挨拶を返す。

四神の使い達でさえ、最初は大地に物怖じしていたというのに、度胸があるなとディンは感じた。

「さて、俺達も飯を食うか。」

「カレー美味しそう!」

大きいテーブルに2人で座っていた竜太と大地、大地の横に明日奈が座り、カレーを待っている。

「……。」

 大地は、リリエルより大きく、白衣でしっかりと形の分かる明日奈の胸元を見てしまい、赤面する。

清華は胸当てをしていたし、下着をしっかりと身に着けていたから、胸を意識したことはなかった。

 しかし、明日奈は胸が大きいからか胸元に少し浮きがあり、ちらっと見ると谷間が見えてしまう。

間近で初めて見る女性の胸に、大地は恥じらいを覚えた。

「大地さん、顔赤くなってるよぉ?」

「いや……、な、なんでも、ない……。」

「大地君も男だねぇ。」

「……?どういう事?」

 ディンはその事に気づいた様で、大地もちゃんと男なんだなと何処か安心する。

そういった知識を持たずに生活してきたから、そういった欲が削がれてしまっているのではないかと、少し心配していたのだ。

「何でもないよ。さ、飯食おう。」

「カレー僕大好き!」

「ノースディアンのカレーとはちょっと違うわねぇ…、スパイスが違うのかしら?」

 出されたカレーを食べながら、談笑をする一行。

大地はまだ顔を赤くしていたが、あまりそちらを見るのも下品だ、と意識をそらそうとしていた。

「おいしい!でも、なんだか港で食べたのと違うなぁ?」

「ここは色んな地域の味が混ざっているから、違うんじゃないかしら?」

「そうなの?ピノちゃん、詳しいね!」

「ピノちゃんって……。全く、怖いもの知らずのおこちゃまね。」

 蓮は、見た目的に年の近い、というより自分より下にも見えるピノを、ちゃん付けした。

ピノはそれがあまりお気に召さない様だが、まあ好きに呼ばせるか、といった感じだ。

 竜太と大地は、それを見てピノの年齢が蓮と同じ位なのか?と考える。

「ピノちゃんはどんな力を使うの?」

「あんたもかい!あたし、これでも17よ?あんたよか年上!」

「えぇ!?ごめんなさい!見た目が蓮君と同じ位に見えるから……。」

 竜太と大地は、ピノの年齢を聞き驚く。

竜太は自分より年上な事に、大地は自分と同い年だという事に。

 ディンと明日奈はそれが面白いらしく、カレーを食べながら笑っている。

「それで、あたしの力の事だっけ?あたしはね、木を生やしたり操ったり出来るのよ。なんでかは知らないんだけどね。」

「ピノさんのお力は、私も聞いた事がありません。特殊な力をお持ちの様ですが、まさかご本人が理由を知らないとは。ディンさんは、どうしてピノさんが力を持っているのかをご存じで?」

「ん?んー、突然変異じゃないか?そういう力の持ち主だとは知ってたけど、俺も理由までは知らないよ。」

 確実に、ディンは知っていると外園は考えた。

しかし、それを言えない理由があるのだろう、とそう予想を立てた。

それが竜神の掟による物なのか、それとも別の理由なのか、までは予想が出来なかったが。

「ピノちゃんからお花もらったんだ!ピンク色で可愛いよ!」

「そっか、良かったね蓮君。」

 竜太は、ピノの力の根源は知らない様子だ。

ディンが教えていない、というのが妥当な所だろうか、と外園は感じた。

 竜太や大地は、ピノの力に何か疑問を覚える事も無く、そういった類の力もあるのか、といった感じだ。

「とりあえず飯を食っちゃおう、話は後からでも出来るんだから。」

「はーい!」

 何を隠しているのだろうか。

何か、この世界にとって重大な事なのだろうか?

外園は、カレーに手を付けながら、ディンに対し疑問を持った。


「あ、清華ちゃんにリリエルさん。」

「修平さんにウォルフさんではありませんか。そう言えば修平さんも、雷の魔力をお持ちだとディンさんが仰られていましたね。」

 一日を移動に使い、宿に一泊し朝になって。

 閃竜ボルテジニの元に向かっていた修平とウォルフは、街中でばったり清華とリリエルに出会う。

こんな偶然もあるものなんだな、とウォルフとリリエルは内心少し驚く。

「リリエルちゃん、清華ちゃんとは仲良くなれたか?」

「どうかしら?仲間って難しいわ。」

「……?リリエルさん、なんかあったんですか?」

「そうね、ちょっとした事があったわ。貴方達と合流する前の話だけれどね。」

 ウォルフはウォルフなりに心配している様で、軽口にも聞こえる様な言葉を発する。

リリエルは、ウォルフの性格がなんとなく掴めてきているのか、それを素直に心配と受け取った。

修平は何がなんだかという感じだが、思い返すとリリエルの怖い感じが、少し薄くなった気がする。

「ちょっとした事か。そうだな、確かにあれはちょっとした事だな。リリエルちゃんにとっては、そうじゃなかったってだけで。」

「……?そういえば、リリエルさん達は私達と離れていた時、何をされていたのですか?」

 清華が、そういえば聞いていなかったな、と問いかける。

ウォルフは別段隠す事でもないが、話す義理もないといった考えで、リリエルがどうするかに委ねている様子だ。

「そうね……。紛争に巻き込まれて、護衛対象を死なせてしまったのよ。それに、復讐をしたのだけど満たされなかったのよ。」

「護衛対象……?」

「貴女より年下の子よ、蓮君より1つ上かしらね。」

 子供だ、12歳という事は、小学6年生か中学1年生位だ。

何故護衛をしていたのかはわからないが、清華はリリエルの変化に少し納得する。

 蓮に対しては優しかったリリエルは、本来は子供が嫌いではないのだろう。

だから失ってしまって、悲しかったのだろう、とそう予想出来る。

「リリエルさんって怖いと思ってたけど……。確かに、蓮君と竜太君には優しかったもんね。」

「oh!そうだな。リリエルちゃんは仲間には優しいぞ?ただ、今までは俺達を仲間と認識していなかっただけだ。」

「そうね。ただ道中が重なっただけだと思ってたわ。」

 ボルテジニの神殿へと歩きながら、リリエルは空を見上げ思い返す。

仲間などいない、必要がないと思っていたはずなのに。

 ディンと外園の話で、その考えが変わってしまった。

暗殺者としては致命的だ、何しろ仲間など居たら真っ先に狙われるのだから。

「仲間なんて、友達なんて、弱点でしかないと思ってたわ。」

「それが、今は違うお考えという事ですね?」

「そうよ、私も少し変わったのかしらね。」

 変化のきっかけはディンと外園だったのだろうが、しかしその前から変わる兆しはあったのだろう。

蓮に優しかったり、竜太にシードルを重ねていたり、考えを変えるきっかけになりえる物があった、と今のリリエルは感じている。

 一見喜ばしい変化に思えるが、これは元居た世界に戻ったら孤独が待っているというのと同義だ。

ディンの言った通りに、色々な世界を見て回るのも悪くはないかもしれないが、まだそこまでは考えられない。

「今は貴女達を育てる事に専念する、それだけよ。」

「竜神王サンがそれを許すかはわからんがな、まあ俺達は君達に戦い方ってのを教えるのが仕事だ。俺のやり方とは合わんが、まあ怒らせてもおっかないからな。」

「ディンさんが怒るって、あんまり想像できないけどなぁ。でも、確かにああいう人って怒らせたら怖いって言いますよね。」

 そろそろ神殿に到着するだろう。

人の通りが少なくなってきて、大きな建物が見えてきた。

 清華は武器と魔力を、修平は魔力の加護を受けに、気を引き締めるのだった。


「君が俊平君だね、話は王様から聞いているよ。」

「あんたが、風の魔力を持ってんのか?」

「そうだね。僕の名はテンペシア、莫竜とも呼ばれてるね。」

 莫竜テンペシアの元に訪れていた俊平とセレンは、テンペシアから風の魔力の加護を受けていた。

紅い勾玉が一瞬風色に光り、そして収まっていく。

俊平はディンや自分より年下に見えるテンペシアに、何か疑問を持っている様だった。

「あんた、ディンより年下なのか?ちっけぇけど。」

「僕の方が年上だね。修平君も同じ事を聞いていたけれど、人間というのは年齢に何か拘りがあるようだね。」

「そりゃ、気になるし?」

 拘り、というより純粋な疑問だったのだが、何度も聞かれるとそう捉える事もあるのか、と俊平は考える。

 セレンは、大体のあらましを聞いていたからか、テンペシアの年齢に驚く事はなかった。

「さあ、僕の役目はここまでだよ、後は王様に聞くといいかな。」

「あのさ、テンペシア。」

「なんだい?」

「ディンの奴、世界はどうでもいいとか言ってたけど、ならなんで世界を守る必要があんだ?」

 俊平の話がひと段落着いた所で、セレンが疑問を口にする。

ディンは1つの世界が崩壊すれば全ての世界が崩壊する、と言っていた。

だから、守るべき家族の為に世界を守っている、そう考えるのが妥当な所だ。

 しかしセレンは、何か別の動機があるのではないか?と考えていた。

「そうだね……。王様は家族さえ無事であれば、世界は滅んでもいいと本気で思っているよ。でも、同時にまだ人間やこの世界群を捨てきれない、理由があるんじゃないかな。王様の力を使えば、新しい世界を作って新しい秩序を造る事も可能だからね。」

「理由ってなんだ?」

「それは僕も知らないかな。王様は本心をあまり語らない人だから、僕達竜神も何を考えてるのわからない事が多いんだ。」

 俊平は心底驚いた顔をしているが、話に入り込めないでいた。

 そんな俊平をひとまず放って置いて、竜神なら心が読めるんじゃないのか?と疑問を浮かべるセレン。

心を読む能力は、竜神という種族の固有能力だと認識していたから、わからないというのが疑問だ。

「おめぇも心読めるんじゃねぇのか?」

「僕達竜神に心を読む力はないよ、王様が特別というか、別格なだけ。」

「そうなんか、竜神は皆使えるんかと思ってたわ。」

 知らないのならそれ以上聞き様がない、とセレンは首を横に振る。

テンペシアは何か知っていると踏んでいたが、どうやら違った様だ、と。

 俊平はやっと言葉の理解が追いついてきた様で、ディンに底知れない恐ろしさを感じてしまう。

「ま、まさか……。俺達、見捨てられる、なんてねぇよな……?」

「さぁ?今の話を聞く限りじゃ、いつディンが世界を見限ってもおかしくはねぇって事だ。」

「……。王様はその選択肢は取らないから、安心すると良いよ。どういう理由かは僕達竜神も知らないけれど、王様は世界を見捨てるつもりはない様だから。」

「ホントか……?この戦争とか、まさかディンが仕組んでるとかねぇよな…?」

 一度疑心が芽生えてしまうと、中々それは離れてはくれない。

ディンは人間の味方だと思っていたのに、世界自体を捨てる可能性があるというのだ。

驚愕と恐怖心は、暫くは拭えないだろう。

「それはないと断言するよ、元々この世界では1000年前に大戦があって、それがまた起こるっていう予言はされてきたんだ。この世界の1000年前には、王様はまだ生まれていないから。」

「ど、どーゆーことだ……?」

「王様は時空超越と次元転移を使って世界を飛び回ってるんだ、だから、正確には生まれた歳と年齢が合わないんだよ。」

 ディンは基本、時空超越という魔法を使い異世界へ飛んでいる。

不完全な竜神王だった頃は次元転移という魔法を使っており、両者の違いは「元居た世界で時間が経過するか否か」である。

 次元転移はそれぞれの世界で経過した時間、といっても世界によって時の流れは違う為、セスティアでそれ相応の時間が経過して戻ってくる。

それに対し時空超越は、自身の時間を世界を転移した瞬間に固定し、そしてその瞬間に帰ってくるというものだ。

 違う使い方として、時間の逆行や未来へ飛ぶ事も出来るが、それは完全なる竜神王の力を以てしても負担が強い。

そして何より、戻ったとしても並行世界になってしまい、飛んだ元の時間軸は竜神王という守護者を失い「消滅」してしまう。

「王様は一度時を逆行した、それによって愛する家族の記憶から消え去ったんだ。それと同じ様な、自身が存在しなかった未来を、家族には経験させたくない。僕は、王様はそう考えてるんじゃないかと思う。」

「じゃ、じゃあ、俺達が見捨てられるって事もねーって事か?」

「そう考えていいと思うよ。さあ、そろそろ行くといい。僕と話をしている時間があったら、修行をした方がいいだろう?」

 そろそろ帰りなさい、とテンペシアは俊平達を唆す。

 俊平とセレンは、テンペシアに礼を言うと神殿を出て、エレメント行きの機関車へと向かった。


「皆は夜に戻ってくるな、修行はそこからにしようか。」

「……、その傷は……。」

「ん?この傷跡?まあ色々あったんだよ。」

 宿の大浴場にて、風呂に入っていた男4人。

大地は初めて見るディンの肉体に、その筋肉量と傷跡に驚く。

 竜太は共に暮らしていたから驚かないし、蓮も最初は驚いたがもう慣れたものだ。

だから、そういった眼で見られるというのも、少し懐かしい気がするな、とディンは考える。

「竜太君より、お兄ちゃんの方がムキムキだよね!大地さんも凄いけど!」

「僕達はずっと戦ってきたから、これくらいは鍛えてないとね。大地さんは、棍術をやってたらそんなにいガタイがよくなったですか?」

「そうだな……、棍術を鍛える以外、する事も無かった……。」

 寺に居た頃は、お経を読んでいるか父と喧嘩しているか、嫌々ながら檀家の家に連れていかれていたか、棍術の練習をしていたかだ。

後は必要最低限の私生活、という生活だった大地。

 動物と戯れる事もあったが、それは一時の事だった。

こんなに人と接する機会もなければ、笑う事も無かった。

「大地君は寺に半ば縛り付けられてたから、色々と新鮮だろ?」

「そう、だな……。」

「僕も島から出た事無かったから、色んなもの見るの初めてな事多いよ!」

 何故ディンがその事を知っているのだろうか?と疑問を持つ大地。

大地自身がその事をディンに話した覚えはないし、竜太が喋ったのかと考えたが大地とずっと一緒に行動して、そういった事をした様子は無かった。

 測り知れない存在である事はわかっていたが、まさかそこまで見透かされているとは、と驚かされる。

「何、驚く事じゃない。この一年間は指南役が皆の様子を見てたからね、それを元に推測しただけだよ。」

「そうか……。」

「大地さん、父ちゃんに報告する事があんまり見当たらない程、いつも同じ感じでしたからね。それがずっと続いてきたんだろうって、いつだったか父ちゃんが言ってました。」

「ディン殿は……、聡明なのだな……。」

 一年間の行動から、しかもとぎれとぎれの確認からそこまで理解するのは、難しいはずだと大地は考える。

それだけ頭のキレが良いのだろう、と今までの行動を見て感じる。

 単純に実力が高いだけでは、くせ者揃いの指南役達を纏める事は出来ないだろう、と。

「さ、今日はゆっくり休んで明日から修行だ。」

「どんな修行をするの?」

「チーム戦を想定した修行だな、俺を相手に全員で一気に戦う感じだな。」

 連携を求められる、という事だ。

連携が苦手な大地にとっては、良い訓練になるだろう。

 竜太は、1人でいた時間の長さから連携を取るのが苦手なのだろうと考えていて、それが解消出来るのなら、大地は四神の使いの中で今のところ、一番強いのではないかと感じていた。

 実際、清華と大地は手合わせをしたらいい勝負をするだろうし、サボりがちだった俊平やリーチの短い修平では大地には勝てないだろう。

蓮が封印開放をすれば勝てるが、それをしなければ現状一番強いのは大地だと、ディンも考えている。

「のぼせてきちゃったなぁ。」

「そろそろ上がろうか。」

「うん!」

 湯船の暑さに音を上げた蓮と、ディンが先に風呂を出ていく。

残った竜太と大地は、これから先の事を少し話してから、湯船を出るのであった。

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