ピノと明日奈

「さて、ここが輝竜クェイサーのいる神殿だ。」

「おっきい!」

「竜神様のいらっしゃる神殿は、どちらも同じ様な造りをされているのですね。」

 ピノを加え4人になった一行は、輝竜クェイサーの神殿の前に立っていた。

 蓮は初めてこんな形式の建物を見て感動していて、外園は他の竜神の神殿へ赴いた事がある為か違いが無い事に少し驚いていた。

ピノは神殿に何度か顔を出した事がある様で、慣れた顔をしている。

「そちらの方々、竜神様に御用ですか?おや?ピノちゃんじゃないですか!」

「門番さん、おっひさー!今日はね、ディンが用事あって来たのよ。」

「ディン……?という事は、竜神王様……!?」

 門番の黄金色をした亜人は、ディンを見て驚く。

それもそうだ、伝説には聞いた事があるが、実際は誰も見た事が無いという、竜神王が目の前にいるのだから。

 10代目の竜神王ディンは隻腕だと聞いていた、だからではないが、誰がディンなのかすぐにわかってしまう。

「俺、ふぁ、ファンなんです!握手お願いしてもいいっすか!?」

「おう、それくらいなら喜んで。」

 差し出された亜人の大きな手に握手をするディン、亜人の青年はわあぁと嬉しそうに笑う。

「感動っす……!あ、クェイサー様にご用事ですよね?今門開けます!」

「あぁ、頼んだ。」

 体を震わせ感動に身を任せていた青年だったが、ハッと思い返した様に声を出し、門を開ける様に指示を出す。

 ゆっくりと門が開かれ、他の竜神の神殿と同じ造りの内部が見える、が。

大広間には何処か焼け焦げた様な、戦闘後の様な後があちこちに見受けられる。

「おや?戦闘でもあったのですかね?」

「違うわよ、明日奈ー!」

「はーい!あらピノちゃんじゃないの?」

 外園が疑問を口にすると、ピノがそれを否定し誰かを呼ぶ。

声が返ってきて、パタパタと音がしたと思ったら、奥から誰かがやって来た。

「よう明日奈、元気してたか?」

「あら、ディンさんも一緒だったの?奇遇ねぇ。」

「あたし達の力が借りたいんだってさ、明日奈の符術強くなった?」

「そんなことないよ?まだまだ修行が足りないわねー。」

 明日奈と呼ばれたその女性は、セスティアで言う巫女服、つまり白衣に緋袴に草履という恰好をしていた。

 見た目は20代前半くらいで、黄色人種の肌に腰まで伸ばしたポニーテールの茶髪、怒ると怖くなりそうな切れ長の茶目をしていた。

 ピノとは知り合い、そしてディンも誰かがわかっている様で、外園はこの方が巫女かと考えた。

「君が蓮君だね?私は明日奈、宜しく!」

「うん!明日奈さんよろしくね!」

「私は外園と申します、以後お見知りおきをお願いしますね、明日奈さん。」

「あなたが外園さんね?ディンさんから話は聞いてるわ、宜しくね!」

 蓮と外園がそれぞれ明日奈に挨拶をすると、明日奈は快活な声でそれに返事をする。

明日奈は少し汗をかいており、運動か何かをしていた様子が伺える。

 あまり暑くない気候のクェイサーの中で、汗ばんでいるという事は、何かをしていたという事になるからだ。

「明日奈ー、修行はもういいのー?」

「クェイサー、ディンさんが迎え来たみたいー!」

「あら、王様来たの?あらあらあら、じゃあおもてなししないとだわ!」

 広間の奥の方から、何やらテンションの高い10代後半の様な声が響いてくる。

その声の主は、黄金色の翼を背中から生やした、金髪のショートカットの女性で、金色のローブを着ていた。

「王様、私の街は楽しんでくれたかしら?」

「あのなぁクェイサー、やりすぎるなって言っておいたよな?」

「まあまあお堅い事は言いっこなしよ!さ、そちらのお客さんも一緒にいらっしゃいな!」

 テンションの高いクェイサーは、こっちこっちと手招きをしている。

ディンはため息をつき、その誘いに乗り奥へと歩き出す。

 ピノと外園、蓮もそれに続き、神殿の左側にある客室へと一行は入っていった。


「二刀流……、私に出来るのでしょうか?」

「わからないわ。でも、やれると思ったからあの竜神はそういったんじゃないかしら?ディン君が何か知っている様な事も言っていたし。」

 フラディアの元から、閃竜ボルテジニの元へ向かっている清華とリリエル。

清華は、自分に二刀流が使いこなせるのかと、とても不安そうだ。

「悩んでいるよりも、修行に集中すればいいんじゃないかしら?それなら、いつか使いこなせる様になるかもしれないわよ?」

「そうですね……、せっかく鍛造して頂いている訳ですし……。」

「真面目ね、ほんとに貴女は。」

 悩んでいる清華を見て、リリエルは不思議に思う。

 リリエル自身、自分も昔は何の力も持たない人間だと思っていたが、暗殺者の師匠に拾われてからは、がむしゃらに修行をしてきた。

 あまり悩む暇もなかったというのが正解だろうが、修行や武器を使いこなせるかどうかという悩みを、あまり持ちえなかった。

だから、清華の様に悩む事が不思議でたまらないのだ。

 それよりも、ディンが二刀流を使うという事に疑問を抱いていた。

「ディン君、隻腕なのにどうやって二刀流をするのかしらね、もしかして口で咥えるとか?」

「そう言えばそうですね、ディンさんが二刀流というのは、聞いた事がないです。」

 そもそも竜神剣という剣を二本以上持っているのか?という疑問が浮かぶ。

ディンの説明では、竜神剣とはその竜神の心の根底にある信念を具現化した物だ。

 竜の想いはデイン、つまりこの世界の守護神が持っていたという話だったが、それを蓮に渡した今、他の剣を持ちえる可能性というのが考えられない。

「竜神剣以外に何かを使ってる、のかしらね?」

「わかりませんね。ですが、フラディアさんが仰られたという事は、何かしらの武器を持っているのでしょうか?」

 車窓から景色を眺めながら、疑問符を浮かべる清華。

ディンが剣を使っている所は、一度しか見た事がない。

それは外園邸から出発する前日、蓮が封印開放をして組み手をした時だ。

 光から剣を生み出している、という認識しかないが、リリエル達指南組のリーダーをしているディンの事だ、相当強いのだろうとは考えられる。


「そういえば、リリエルさんの使われる武器はどのような物なのですか?」

「私?私の武器は、そうね……。星の力という力を使って、そのエネルギーを形に変えるのよ。」

「星の力……?ディンさんの使われている、あの光から創り出している武器とは違うのですか?」

「構造的には似たような物かしらね。でも、本質が違うのよ。」

 機関車が走り続ける中、ふと気になったのか清華が問う。

 リリエルの持つ星の力とは、リリエルも知らない何者かから与えられた特別な力だ。

ディンの竜神王の血統とは、また違うベクトルの力でもある。

リリエル自身、何故自分がこの力を持っているのかはわかっていない。

 ただ、この力を持っていたから、クロノスによる干渉を受けたのだと、ディンは言っていた。

「私自身、この力をどうして持っているかはわかってないのよ。」

「そう、なんですか?」

「気が付いたらこの力を持っていて、それを良く思わなかった神に運命を狂わされた。そんな所かしらね。」

 それは、悲しいと清華は感じた。

意味も分からない力を与えられて、意味の分からないまま運命を狂わされた。

そんな理不尽と、リリエルは戦ってきたのか、と感じた。

「だから、神に復讐すると仰られていたのですね。」

「そうよ、私は神に奪われた。だから、命を持って償わせるのよ。」

 過酷な運命だったのだろう、それはリリエルを見てきたらわかる。

自分の様な修行方法をしていた人間とは違い、生死のやり取りの中で成長してきたのだろうと、清華はリリエルを見て感じていた。

 それは間違いではない。

リリエルは暗殺者、19歳と清華とは2つしか違わないが、実戦経験が段違いなのだから。


「俺、どうしたらいいんですかね……。」

「何か悩みか?」

「昨日の女の子の事で……。」

 清華達と同じくボルテジニへと向かっていた修平とウォルフ。

修平は、昨日の車いすの少女の言葉が、気になって仕方がない様子だ。

「妹さんが求めた助けだったか、そこじゃないか?」

「綾子が、求めた助け……?」

「君のエゴじゃなく、妹さんが何をしてほしかったか。修平君、君は自分自身の欲と願望で妹さんに接してたって事さ。」

 ウォルフの言葉の意味が、一瞬わからなかった。

自分は綾子の事を第一に考え、大事にしてきた。

それが、自身の願望と欲な訳があるか、と否定したくなる。

しかし現実として、親切で手を差し伸べた少女に、拒絶されてしまった。

「俺は……。」

「わからんのなら考えろ、それが人間ってもんだ。」

 わからない、だが苦しい。

否定された事が苦しいのではなく、拒絶された事が苦しい。

 そして、妹を苦しめていたと思ってしまうと、何もかもを投げ出したくなる程苦しくなってしまう。

ウォルフはそれがわかっていたが、帰った後の事を考え、自分で答えを出す様にと助言をしなかった。


「さてクェイサー、聞きたい事ある。」

「なになにー?」

「サウスディアンの紛争に、ドラグニートが関わってるのは知ってるか?」

「え!?そうだったの!?」

 茶室に通された蓮達と、神殿中央に向かったディンとクェイサー、ディンがまず話を切り出す。

ディンも竜神として、人間同士の揉め事には手を出さないというのはわかっていたが、事実確認はしておかなければと考えたからだ。

「お前達が加担してるとは思ってないけど、恐らく南東の港町の輩が、サウスディアンのレジスタンスに銃を流してた。」

「銃、って言うとマスケットよね?マスケット銃の製造はヴォルガロの所で一任してるから、あそこには造れないはずだよー?」

「多分だけど、製造方法がどっかで漏れたな。サウスディアンが紛争状態にある事は知ってるな?」

「あー、なんか何年か前から交流が無くなったと思ったら、紛争状態だったのね?私はサウスディアンとは関わりがないから知らなかったわ。」

 クェイサーは嘘をついていない、とディンは判断する。

そうなると、誰が知っていて誰が関わっているのか、ますます謎になってくる。

 とりあえず竜神達は関わっていないだろうが、そうなるとヴォルガロの元からマスケット銃の技術を盗み、それを密造している集団か団体がありそうだ、と考えられる。

「サウスディアンと交流があったの、誰だ?」

「テンペシアじゃなかったかしら?外国との交流は基本的に、テンペシアがやってるから。」

「じゃあテンペシアは紛争の事自体は知ってそうだな……。さて、どうしたもんか。」

「何か困ってるのかしらー?」

 ディンが困っているという事が、若干面白そうなクェイサー。

ディンは基本的にそういった姿を見せないから、珍しいのだろう。

 テンペシアは掟に準ずる事を基本的な姿勢にしていて、あまり掟を破りたがらない。

しかし、リリエルにああいった手前、何かしら手を出さなければならないのも事実。

「テンペシアは頑固だからなぁ……、約束を守れなくなっちまうかもな。」

「約束?」

「外界の戦士との約束、というかそういう話の流れだな。この戦争が終われば、お前達が紛争に手を入れる事が出来るって言ったんだよ。」

「あら、それは大変。テンペシアは本当に掟に厳しいからねぇ、この街の事も知られたら怒られそうだわ?」

 基本的に、竜神達が交流を持つのは中心都市にある、とある秘密の場所だ。

互いに都市を行き来する事も無ければ、他の都市のやり方に文句をつける事も無い。

 関心がない、と言えばそこまでなのだが、本来は1つの世界をひと柱の竜神が守護している所を、セスティアの裏側という理由で、8柱で管理している。

 窮屈なわけでもないが、本来の竜神のスタンスが、あまり他の世界にかまけないという感じで、それに従っているという訳だ。

「ちゃんと交流は持てよな……、そしてお前は怒られろ。」

「えー?なんでかしらー?」

「とぼけるなよ、わかってるだろ?」

「はーい、ほどほどにしまーす。」

 笑いながら誤魔化すクェイサーと、ため息をつくディン。

 クェイサーは、この都市に限った話だろうが、これからも発展させていくのだろうと予想がつく。

仕方のない事か、とディンは若干あきらめ気味に咎めるのであった。


「私?私は巫女なの、生まれたのは違う世界だって話だけどね。」

「違う世界?それはセスティアの事でしょうか?」

「うーん、ディンさんが言うには、私は生まれてすぐにセスティアに行ったんだって。それで、6歳の時にこの世界に飛ばされたんだ。」

「という事は、生まれたのはまた別の世界という事でしょうか?」

茶室に通された外園と蓮とピノは、高そうなソファに座り紅茶を出されていた。

「これ、美味しいよ!」

「良かったね、蓮君。」

 同時に、蓮にはテレビでしか見た事のないパフェが出されていて、外園もこれは見た事がないなと興味深げにそれを見ていた。

 パフェはホイップクリームとコーンフレーク、バニラアイスにチョコプリンとクッキーが乗っていて、セスティアではスタンダートなデザートだが、冷凍技術というものがまだないディセントではほとんど見られない。

「外園さんも食べる?」

「いえ……。そうですね、一口頂けますでしょうか?」

 蓮には、外園も食べたそうに見えた様で、スプーンとパフェを差し出す。

外園は食べた事のないバニラアイスを掬い、一口食べた。

「これは……。なんともひんやりとした甘いスイーツですね、独特な香りもある、これはなんという食べ物なのですか?」

「アイスっていうんだよ!」

「アイス、という事は氷なのでしょうか?いえ、氷よりも柔らかくとろける舌触り、氷に近い冷たスイーツという事ですかね。これも、セスティアの食べ物でしょうか。」

「あら、外園さんはアイスクリームを食べた事がなかった?ここじゃ結構、有名というか名物よ?」

 明日奈が不思議そうに問うが、外園の顔を見ると納得する。

 エルフの耳、つまりフェルンの出身という事は、この都市に来た事が無くても納得だ、と。

フェルンは工業にはほとんど触れていない国だから、アイスの様なものが無くても違和感はないだろう、と考える。


「と、そういえば。明日奈さんは、竜太と同じ一族の生まれだとお聞きしていますが、陰陽術という術を使うのですか?」

「ううん、私は符術を使うの。遠い昔同じ一族だったらしいけど、違う形で育ったと思うのよね。竜太君には会った事も無いし、私は分家みたいな感じよ?」

「符術……?これはまた、聞いた事の無い術の類ですね……。」

「明日奈はね、符を投げたりして魔法を使うのよ。あたしは見た事あるけど、凄いんだから!」

 ピノが明日奈を褒めると、明日奈は照れくさそうに笑う。

褒められるのは存外悪くはないが、慣れていないという風に外園の目には映った。

 蓮はパフェに夢中で、周りを見ている余裕はなさそうだったが、ふと明日奈の方を見て首を傾げる。

「明日奈さん、顔真っ赤だよぉ?」

「え!?何でもないよ!?何でもないの!」

「可愛らしいですね、明日奈さんは。」

「外園さん、やめてよ……。」

 気づけば顔を真っ赤にしていた明日奈、蓮に指摘され更に顔が赤くなる。

そこを外園に茶化され、顔を真っ赤にしたまま俯いてしまう。

 ピノはそれが面白いようで、クスクス笑っていた。

「所で明日奈、さっきまで修行してたの?」

「え、えぇそうよ、クェイサーに相手してもらってたの。」

「それで所々焦げていた訳ですね、あれは明日奈さんの符術という術の名残でしょうか?」

「今日は炎の符をいっぱい使ったからね、また書かなきゃ。」

 明日奈の符術は、一枚一枚明日奈が手書きした符を使う。

それ故にあまり量を携帯出来ないし、連発してしまうと消耗する。

魔力を使う魔法よりも、つまる所使い勝手が悪い。

「書く?とはどういう事なのでしょうか?」

「私の符はね、一枚ずつ手書きで霊力を籠めてるのよ。後、式紙も使うわよ?あんまり、得意じゃないんだけどね……。」

「聞いた事がない能力ですね、これは興味深い。その符という物を、拝見しても宜しいですか?」

「えぇ、良いわよ?」

 明日奈はそういうと、白衣の懐に手をいれ、何かを取り出す。

習字で使う半紙の様な薄さのその紙には、外園には読めなかったが「炎」と書いてあった。

「これは、見た事の無い文字ですね。魔力が籠めてある訳でもない様ですし、これをどうやって使われるのですか?」

「炎、って書いてるのよ、火属性の符だからね。後それに籠めてるのは霊力だから、魔力は感じられなくて当たり前だと思うよ?」

「成る程成る程。それで、式紙とはどういった魔術なのでしょうか?」

「ぐいぐい聞いてくるね……。式紙は、そうね……。使い魔、って言ったら早いかな?」

 明日奈は、何かを使役するという事が根本的に苦手で、式紙術を苦手としていた。

だから、基本的には符術を鍛えていて、式紙術に関してはまだまだ発展途上だ。

「それも霊力という力をお使いになられるので?」

「そうだよ、式紙も符も両方霊力だね。外園さんにも霊力はあるんだし、使おうと思えば使えるんじゃないかな?」

「私にも霊力が?フェルンに居た頃はその様な事は言われた事がありませんが……。」

「この世界自体、霊力を使った術がないからね。本来生物の魂には霊力が備わってて、私はそれを行使してるだけ。だから、特訓すればみんな使える様になるかな?」

 実際、ディンは明日奈に指南をする為に符術を使って見せた事がある。

まだ明日奈が未熟で、符術を連発出来なかった時に、ディンはそれを連続して使って見せたのだ。

 だから明日奈は、誰でも使おうと思えば使える術だ、と認識している。

実際には、ディンが特殊なだけなのだが。


「お、仲良くなれたか?」

「あ、お兄ちゃん!これ美味しいよ!」

「パフェか、良かったな蓮。」

 談笑している所に、ディンが入ってくる。

 クェイサーとの話は終わった様子で、もうここを出る気でいたが、蓮がパフェを食べているのを見て、まあ食べ終わるまでは待つか、といった感じだ。

急かす事も無く、蓮の横に座って蓮の頭を撫でる。

「ねぇディンさん、みんなも符術って使える様になるよね?」

「いや?霊力は皆持ってる物だけど、それを転換する力を持ってないから無理だぞ?」

「そうなの!?じゃあ、なんでディンさんは使えたの?」

「俺は生まれは明日奈と同じ一族の肉体、つまり血族的に適性があったって事だよ。」

 実際の所は少し違うが、まだそれを明かす時ではないとディンは考える。

そう思わせておいた方が、好都合といった所だろう。

「じゃあ、竜太君は符術を使える?会った事、ないけど……。」

「そうだな、竜太はもしかしたら特訓したら使えるかもな。でも、竜太は魔法の類は超がつく程苦手だからわかんないな。」

 そんな話をしている間に、蓮がパフェを食べ終わっていた。

満足そうな、しかしまだ食べ足りない様な顔をしている。

「よし、蓮が食べ終わったから移動するか。」

「はーい!どこに行くのぉ?」

「いったんエレメントに戻るかな、皆と合流してピノと明日奈の紹介したいし、新しい武器での鍛錬もしなきゃならないから。」

 ディンが立ち上がり、それにつられて4人も立ち上がる。

 クェイサーは見送りに来るつもりはないらしく、一行は何事もなく神殿を出て、エレメント行きの機関車に乗るべく移動を始めた。

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