第25話 仲良しの友達


「とう子ちゃん、ここに来る前、水色がきれいだって言っていたよね」


「うん、でも・・・あなたの色とは違うよね」


「実はね、あの水色は僕の友達なんだ。ずっとずっと藍の染料せんりょうが入ったつぼの中からの長い友達なんだ」

「でも・・・水色なのは・・・」


「そうなんだ・・・僕の友達は、何故かその・・・染色せんしょく上手うまくいかなかったのか、水色なんだよ。「僕たちは空気にふれると、藍色になれるから、きっといつか君もなれる」ってはげましていたんだけど、それが・・・逆に良くなかったのかもしれないんだ。友達をきずつけてしまっていた。とう子ちゃんの様に「きれいな水色」って言ってあげた方がかったんだよね・・・」


「そうだったんだ・・・それは・・・」


むずかしい問題だった。


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