第17話 あわてた顔


「あ・・・・えーっとね・・・・その・・・このソーサーさ・・ソーサーがきっと一人で可哀想でしょ? みんなおそろいなのに」


「ああ、それはそうだな。だからこれを作ったらしいから。同じ物をいくつか作って、孫にもあげているそうだよ」

「本当! 良かった! 」


「まあとにかく驚いた。おまえがこのなぞなぞを解けたことと、この指輪のこと。偶然ってあるものだな」


「本当に、不思議な事ってたくさんあるんだね。ねえ、おばあちゃんは棚のカップアンドソーサーを集めるのに苦労したんでしょ? 」


「まあ、それは苦労というか「こだわり」かな。だがな、本当かどうかわからないけれど、おばあちゃんは

「相手がどこかにいるもの」がわかるらしいんだ。おじいちゃんがなんどか「このカップはもういらないだろう」って言うのを何度も止められたよ。

「あなたがそう言うと、相手は必ず見つかる」って言われたんだ。事実なんどもそう言うことがあってな」


「わあ! 面白そうなお話だね、聞かせておじいちゃん」


「よしよし、先にお客さんのコーヒーを準備しておかないとな」


「うん」



 その日は結局お話は聞けなかったけれど、私は眠る前にお布団の中で考えた。


「もしかしらたら・・・あの世界に招待されていたのはおばあちゃんだったのかな・・・」


でもそのあと私はぐっすりと眠ってしまった。



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