第17話 あわてた顔
「あ・・・・えーっとね・・・・その・・・このソーサーさ・・ソーサーがきっと一人で可哀想でしょ? みんなおそろいなのに」
「ああ、それはそうだな。だからこれを作ったらしいから。同じ物をいくつか作って、孫にもあげているそうだよ」
「本当! 良かった! 」
「まあとにかく驚いた。おまえがこのなぞなぞを解けたことと、この指輪のこと。偶然ってあるものだな」
「本当に、不思議な事ってたくさんあるんだね。ねえ、おばあちゃんは棚のカップアンドソーサーを集めるのに苦労したんでしょ? 」
「まあ、それは苦労というか「こだわり」かな。だがな、本当かどうかわからないけれど、おばあちゃんは
「相手がどこかにいるもの」がわかるらしいんだ。おじいちゃんがなんどか「このカップはもういらないだろう」って言うのを何度も止められたよ。
「あなたがそう言うと、相手は必ず見つかる」って言われたんだ。事実なんどもそう言うことがあってな」
「わあ! 面白そうなお話だね、聞かせておじいちゃん」
「よしよし、先にお客さんのコーヒーを準備しておかないとな」
「うん」
その日は結局お話は聞けなかったけれど、私は眠る前にお布団の中で考えた。
「もしかしらたら・・・あの世界に招待されていたのはおばあちゃんだったのかな・・・」
でもそのあと私はぐっすりと眠ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます