第6話 正解と言った声


「ウーン、どういうことかなあ・・・」


私はコーヒー牛乳を飲んでしまって、カップをゆっくりと見つめた。

「あれ? ユニコーン目の中に白いてんがある、気が付かなかった」


このカップはお客さん用になっていたので、私はじっくり見たことがなかった。


「やっぱりかわいい・・・な」

目の下にはピンクの淡い丸がある。ほほの赤みだろうけれど、それと同じ色が馬の鼻の先にもある。そして小さな小鳥は、オレンジ色の小さなハートをくわえて、ユニコーンの前にいる。

このカップを見たお客さんは、自然しぜんと笑顔になるそうだ。


 私は楽譜がくふのヘ音記号きごうのようなカップの取っ手に指をふかくいれて、色々な方向ほうこうからながめた。すると、スポッっと指のつけね、ちょうど指輪をはめるところにカップがきてしまった。


「わ! びっくりした! 」

その驚きと同時どうじに私はひらめいた! 


「もしこのカップだけを、ぎゅーっとぎゅーっと小さくして、取っ手をもっと私の指にあうようにしたら・・・

これはカップがたの指輪になる! コーヒーカップの指輪ができあがる!! 」


とお店で一人大きな声を出したけれど、それが正解せいかいかどうかわかるはずもない。


「だろうと思うけど・・・ちがうかな? でも・・・」

そんなことを言っていると、


大正解だいせいかいだよ!! きっとそれは!!! 」


とてもあかるくて楽しそうな声がした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る