第5話 暴走開始

潺「うああああああああああ」


僕は潺、最近あるストーカーに追われている。

そのストーカーは学力優秀、スポーツ万能、美少女、金持ちというの非の打ちどころのない、「天は二物を与えず」が否定されている少女だった。

ただ1つ、精神だけでは・・・


潺「は、早く逃げないと。じゃないと、あの青と同じく殺される」


実生「そんなことしないよ♪」


潺「ひっ」


いつの間にか、正面に回られていた。

文字通り、チーター並みだ。


潺「実生・・・・、なんで青を殺したんだ!」


実生「私の潺君を取るからだよ」


潺「僕は誰のものでも無い!」


こういう変なところが治ってくれたら、可愛いんだけど


潺「なあ、その包丁を下げてくれ・・」


実生「大丈夫だよ、潺君は殺さないよ。潺君を取ろうとする人を殺すんだよ」


壊れている。

第一、なんで僕を好きになるんだ?

接点なんて何もないんだけど・・

接点・・・あ、あったかも

思い出せないが、あった気がする


潺「なあ、なんで僕なんか好きになったんだ?」


実生「そ、それだけは言えないよ」


キーンコーンカーンコーン

終了のチャイムが鳴った


実生「そ、それじゃあ、終了のチャイムが鳴ったから帰るねーー。明日も会おうね」


実生にしては珍しく引いてくれた。

自分を好きになった理由を問いただしたら急に態度が一変した。

それほど知られたくないようなのか。


潺「そうだな帰ろう」


【明日】


先生「えーと、青さんは転校するそうです」


クラス「え、先生そんなの聞いてませんよ」


先生「昨日の深夜、急に通達されたんだ。なんでだろうな」


クラス「えーーー」


というのは建前で、本当は殺されたから。

実生の父親が金でもみ消したんだろう。


先生「それと来週の月曜日にテストだからな、準備しろよ」


クラス「えーー」


北条「忘れてたーー」


学音「ま、僕なら余裕だがな」


潺「やべえ、、、」


周りと同じく自分も忘れてた。

僕の学力は周りより少し頭がいいほうだが、油断していると下がるな。

あと、実生が黙ってくれたらいいんだけど。


実生「潺君、来週テストだね、私が教えてあげようか?」


潺「いいよ、それより昨日あんなことがあったのに、よく顔を見せられるな」


実生「?、私は昨日のことは悪いと思っていないよ」


そういうことじゃない。

自分のしたことを反省しない。サイコパスの特徴だ。


北条「よー、潺。テストやべえな!今日教えてくれよ」


北条「あと実生さん、一緒に勉強をどうですか」


実生「それいいわね、放課後一生に勉強しましょうか」


北条「え、、いいの。やったー」


実生「私の家でしましょう」


実生のやつ、何を考えているんだ?

前みたく僕を監禁するのか?

北条がいるからそれはないけど。

何事もなく終わればいいのだが・・・


【陽光家】


北条「おおーーー、すごい広い」


さすが陽光家といったところか(本当は三日月という名前だが)

日本三大家と言われているほど、頭がおかしいほど豪華だ。


実生「あの、両親は・・?」


実生「両親は今居ませんの」


北条「え、、もしかして今日、ここでヤれるんじゃないの(小声)」


潺「それはないだろ」


本当に何を考えているんだ。

僕だけじゃなく友達までも家に呼び出すなんて。

何が目的なんだ?

いつもストーカーされているせいか、実生が起こす行動には疑心暗鬼を持っている。

単に遊びたいだけか。


実生「あ、私お茶を入れてくるね」


北条「ありがとうございます」


実生「その間に勉強しててーー」


北条「はーーーい」


北条「・・・・・」


北条「なあ、もう確定でいいよな」


潺「何が・・?」


北条「家に呼び出して、両親もいないって、もうヤれるだろ」


この北条は他の人から分かるほど、かなりの変態だ。

この前なんか道端に落ちていたブラジャーを拾おうとしていたし。

友人の自分でも彼の行動には引く。

本当にどこに行ってもぶれないな


北条「ちょっとこの家の香りを袋に詰めるわ」


潺「やめろってw」


久しぶりに楽しい。

最近恐怖しかないので、こういう当たり前の行動がとても神聖に感じる。


実生「お茶もってきたよーー」


北条「ありがとうございます!ごくごく」


北条「うっ」


潺「どうした・・・」


この感じは、嫌な予感がする。

もしかして、また・・


潺「!、、死んでる・・」


やはり、殺す気だったんだ。


潺「おい、実生。北条は友達なんだ、関係ないだろ」


実生「ねえ、潺君。もう我慢できないんだ」


潺「?」


実生「だって、私の潺君が私の見てる前で汚されるんだよ」


実生「だから、あなたの近くにいる人間は殺すから、あなたは安心して」


潺「っ」


かつて自分はこんなにも恐怖を感じたことはない。

監禁された時よりもずっと怖い。

まさか実生がこんな思いを持ってるなんて。

改めて実生の気持ちを聞くと一周回って凄さがある。


実生「ていうか潺君、もうずっとここに居よう?」


潺「え?」


実生「今逃げてもいいけど、これからずっと私が付きまとうよ」


潺「嫌だ」


実生「・・・」


潺「もう僕帰るね」


実生「はははははは」


遂に壊れたか。

これから僕をどうしよう・・

これからずっと実生の監視が強くなるのか。

何か対策はないか・・


テレビ「えー、今立ったニュースが入りました」


潺「ん、なんだ?」


テレビ「たった今、ネット上にある日本銀行から100億円が盗まれました」


潺「物騒だな」


テレビ「犯人は潺氏と、実生氏のようです。警察は今から逮捕するようです」


そこまでするか、実生!


実生「いつまでも一緒だよ」


【5話終了】


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