第4話 最初の犠牲者
先生「それでは仲良くしろよな」
陽光「よろしくお願いします」
男子「はーい♪」
ここは白川中学校。
そして今は4月9日だ。
クラス替えで好きな人や仲がいい人と一緒になろうと願っているのか、1人の桜が現れた。
最もその子は少し前で自分を監禁しようとしていたのだが。
潺「噓、、だろ」
北条「お前、、嬉しいんだろ(小声)」
潺「ち、違う」
北条「照れるなって、俺も嬉しいし」
僕は人生で2番くらいにやばい状況になっている。
自分を監禁した少女が今度は自分のクラスに入ってきたのだ。
陽光「えーと、私の名前は・・」
男子「知っているよ、陽光 実生でしょ」
先生「こらこら、ふざけるんじゃない」
自分を好きといった人が今、学年のマドンナ。
ついさっきまで自分を監禁した人が良く恥ずかしくもなく学校に来れるな。
ここまでくると一周回って凄いと思う。
先生「えーと、実生の席は・・・」
またしても嫌な予感がする。
男子たちは自分の席の隣になろうと、拝んでいる人までいる。
でも、18/1で、かなりの低確率だからこっちには来ないはず・・
先生「じゃあ、空いている潺の席で」
男子「あああああああああああああああ」
男子「ふざけんな、潺ーーー」
実生「よろしくね!潺君」
こう見ると可愛いんだけど。
あんな事があるとそうは思わなくなってくる。
先生「それじゃあ、朝の会を始めるぞ。日直は・・」
潺「はあ」
帰りたい。
先生「ってことで、これで朝の会は終わり。5分後に授業を始めるから準備をしろよ」
高松「潺ーーーー」
高松「なんでお前があの実生と、、実生と隣なんだーー」
こいつは高松。
いつもイキって女子の目を引こうとしているが、女子からは嫌われている。
高松「俺が隣になったら一発で実生ちゃんと恋人になれるのにーー」
あまりの悲しさに高松は涙を出している。
いや彼だけじゃない、気づけばほかの男子も涙を流している。
そして、涙を流した後、決まって彼は自分に怒りの目を向けている。
それほど、実生は人気なんだろうか。
学音「大丈夫だよ、高松君。この中で僕が一番すごいんだから。実生ちゃんは僕を好きになるはずだよ。だから安心して」
こいつは学音。
勉強、体育、美術、音楽、全てにおいてこの学校のトップである。
いやそればかりか顔も並み以上にかっこいい。
しかも(女子の前では)性格がいい。
なので女子には人気だが、男子には不人気だ。
高松「安心しろって、何を安心すればいいだよ!」
学音「今日の授業だけで彼女を振り向かしてみせるよ」
高松「そういうことじゃねえ」
キーンコーンカーンコーン
先生「席に着け、授業を開始するぞ」
先生「えーと今日は入試問題の解説するぞ」
先生「今プリントを配るから、出来た奴から持ってきてくれ」
・・・
20分くらいたったけど全く分かんない。
自分の学力は平均以上だけど、この問題は難しい。
自分だけじゃなくて他の人も苦戦している、中には諦めて練り消しを造っている人もいる。
実生は・・・
実生「先生終わりました」
先生「なになに・・・・・、す、すごい。全部当たっている」
実生「先生、終わりましたので寝ててもいいですか?」
先生「ああ、いいぞ」
クラス「す、すげえ」
学音「僕でさえ難しかったけど、それを短時間で解いた君はすごいよ」
隙あらば、女子を堕とそうとしている。
そういう行動がほかの男子には苦々しく見えてくるんだろう。
・・・・
キーンコーンカーンコーン
先生「お、授業が終わったな。次は体育だ、着替えろよ」
学音「勉強では負けてしまったけど、体育では負けない。次の授業で振り向かせてみせるよ」
相変わらず、女子にもてようと必死だ。
たくさんの女子にもてているのでもう十分だろと思うが、それは彼の流儀に反するらしい。
先生「50m走だ。この学校での最高記録は6.5秒だ」
先生「それでははじめ」
学音「はあはあ、、っと」
先生「す、すごい学音。記録は6.7秒だ」
クラス「おおーー」
学音「ふっ、どうだみたか実生」
先生「おおおーー、もっとすごいぞ。記録は5.9秒だ」
学音「」
チートでも使ってるのかと思うくらい頭おかしい。
ファンクラブが出来るのも仕方ないかもしれない。
自分の記録は9秒だった・・・
青「ねえ、潺君。さっきの1時間目の時この問題分からないっていたでしょ。放課後教えてあげてもいいよ」
潺「え、いいの。ありがとう」
この子の名前は青。
何故か自分を気にかけてくれる優しい女性。
実生「・・・」
【放課後】
青「えーとこの問題はY=4X-5だから、、このグラフに代入して、、はい」
潺「あ、ありがとう。君がいなかったらこの問題は全然わからないままだったよ」
青「あ、、ありがとう、、」
潺「そういえば君の顔が赤くなっているよ、それくらい夕焼けが赤いのかな」
青「そ、そうだよ。本当に夕焼けが赤いねーー」
彼女といると不思議と気分がいい。
何故だろう。
潺「あ、もうちょっと教えてもらってもいいかな?」
緑色「いいよ、何でも聞いてね」
潺「この問題なんだけどーーー」
青「・・・・」
潺「この後どうするか分からないんだよね」
青「・・・・」
潺「青?」
たくさん聞いてしまったので怒ってしまったのか、急に無言になった。
そんなに、たくさん聞いた覚えはないけど、何故か無言になった。
潺「青?大丈夫・・・」
そう僕は顔をあげると、自分の予想に反する光景が広がっていた。
怒ってたほうがいいかもしれない。そのほうが生きていたから。
潺「!」
今日の夕焼けはいつもと違って赤く見える。
いや、さっきまではそこまで赤くなっていなかった。
じゃあ、この赤色はなんだ・・・
この赤色ってもしかして・・・
いやな予感がする。
実生「潺君、勉強?偉いね」
潺「!」
実生「今日の夕焼けは赤いね・・・」
実生「でも私は夕焼けが赤い理由を知っているよ」
実生「太陽は夕方になるにつれ、段々横に移動するんだよね」
実生「そのせいで日光がよりたくさんの大気を通過するんだけど、たくさんの大気を通過すると青色が届かなくなり赤が目立つんだよね」
実生「今、夕焼けが赤いのは青がいないからなんだよね」
実生「青がいないからなんだよね・・・」
潺「お前、よくも青を・・・」
実生「大丈夫だよ!私が教えてあげるから」
その言葉が決め手となって、自分は駆け出していた。
潺は予感がしていた。
これからもっと多くの血が流れることに・・・
【4話終了】
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