第3話 転校生

潺「あと、もう少しで家だ!」


僕の名前は潺。

今ある人から逃げているところだ。


潺「よし、家についた」


それにしても、あれだけ狂っていたのに最後はあっけなかったな。

嘘か本当かはわからないけど、彼女は三日月と言ってたな。

証拠は無いけれど、あんな怖い思いをしないためにも警察に連絡しなければ。


潺「ああーー家にいい香り。やっぱり我が家が一番だ」


たった、5時間くらいしか離れていなかったのに妙に懐かしい。

人間は恐怖から放たれるとそうなるのかな。


母「潺ー、電話よ」


潺「はーい」


恐らく学校の先生たちだろう。

来るはずの人が来なかったから、その理由を聞きに来たんだろう。

その時に、あの三日月という少女の名前を挙げるつもりだ。

彼女には申し訳ないけれど、あんな恐怖は二度と経験したくないから。


潺「はい、潺です」


先生「潺君、なぜ今日学校に来なかったのかね」


潺「すいません」


先生「ああー謝罪はいいから、来なかった理由を聞かせてくれ」


潺「三日月という少女を知りませんか」


先生「ああ、知っているよ。その子がどうしたのかね」


潺「実は学校に行く途中、その子に監禁されました」


先生「いや、そういうのは本当にいいから。で、本当に来なかった理由は?」


潺「先生、私は噓をついていません」


先生「はいはい、次からは学校に来るんだぞ」


プツ


人の話を信用しない、くず教師だった。

なぜあんな人を採用しているんだろう。

三日月から受けた恐怖を話せなかったことより、自分の話を信用せず悪者扱いをしたことに大層怒りを感じた。


ならば、警察の人に提出するしかない。

証拠は無いけれど、三日月の家を操作すればあの監禁部屋も見つかるはず。

そうすればあのくず教師と違って、僕の話を信じてくれる。


【警察署内】


潺「すみませーん」


警察「はい、どうしたの」


潺「実はですね・・・(説明)」


警察「・・・・で、その三日月っていう子を逮捕してほしいと」


潺「その子の家を操作すれば証拠は見つかります。お願いします」


警察「ダメだ」


潺「え?」


警察「ダメだダメだ、あ、もう暗いから帰りな」


ピシャ


警察もあのくず教師と同じだった。

何故だろう。


(次の日)


北条「おはよう」


潺「ああ、北条。おはよう」


この子の名前は北条 林。

自分の親友だ。


北条「潺ー、なんで昨日学校に来なかったんだ」


潺「ああ」


潺「なあ、北条。三日月っていう少女を知っているか」


北条「なっ」


潺「知っている範囲でいい、頼む」


北条「おいおい、お前死にたいのか」


潺「は?!、どういうことだ」


北条「お前は知らいようだから教えてやるよ」


北条「・・・(説明中)」


潺「ええ、それ本当か」


北条が言うには、その三日月という子は三日月家という大富豪の娘らしい。

金を持っているだけじゃなく、政界、軍界にも顔を聞かせているらしい。

なので、今までその三日月について知ろうとすると、何故か死ぬらしい。

つまり、三日月という言葉は出してはいけない言葉なのだ。


北条「まあ、普段その子は陽光っていう名前で過ごしているんだけど」


潺「って、なんで知ったら殺されるのに、そんなことを知っているんだよ」


北条「え!!いやなんでだろう」


北条「とりあえずその子の名前は出すなよ」


潺「おk」


北条「あ、学校についたぞ。先生にはなんていう理由をつけるんだ」


潺「ええ、風が強かったからにしようかな」


今の話を聞くと、三日月という少女は相当やばいらしい。

なんで、僕を監禁したのかわからないけど。

そういう趣味があるのかな。

北条は知っているのか。


潺「なあ、北条。昨日、その子にストーカーされたんだけど・・・」


北条「ス、ス、ストーカー?」


北条「あんなかわいい子がストーカーするはずないだろ」


北条「あまりにもかわいすぎて、陽光クラブというファンも出来てるくらいだぞ」


北条「むしろ、ストーカーされるのは陽光の方だぞ」


北条「そんな子がストーカーってww、遂に中二病になったか」


潺「う、、嘘だよ」


北条「だよな、早く教室に入ろうぜ。あと10分しかないぞ」


潺「そう、だな」


【教室】


男子「俺昨日、陽光が車に乗ってる姿と見かけた」


男子「え、マジ!いいなー、一回でもいいからその子の顔を見たいな」


北条が言う通り、ファンがちらほらいるようだ。

中には、その子を自○に使う変態もいるようだけど。


女子「本当に男子って、可愛い子好きだよねー、顔でしか見れないのかな」


中にはその人気ぶりを苦々しく思っている女子もいる。

しかし、可愛いと言っていることは褒めているのか。


先生「おい、ホームルームするから席に着けよ」


一同「はーい」


先生「あ、今日転校生来るからな」


クラスメイト「誰だろうねーー」


このクラスはあまり他人には興味を持たないのか、転校生が来ると言ってもどうでもよさそうにしている。

いや、それどころか昔からいる人にもそっけない。

そのせいか、何だがクラス全体が暗い

そう、転校生が来るまではそうだった。

来るまでは・・・


先生「おーい、入ってこい」


???「はーい」


何だが聞き覚えがあるような声が聞こえた。

この雰囲気、嫌な予感がする。


その転校生が教室に入った途端、教室中は色めき始めた。


陽光「えーと、私の名前は陽光 実生です」


男子「ええーーー」


男子「俺生きててよかった」


男子「神が降臨した」


先生「こらこらうるさいぞ」


先生「ということで、これが転校生だ。みんな仲良くしろよ」


・・・・

やっぱりそうなるんじゃないかと思っていた。


潺は知らなかった。

この子のせいでこれから多くの血が流れることに・・・


    【3話終了】



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