第2話 脱出開始
三日月「さあ、シャワーを浴びようね」
僕の名前は潺だ。
今大変な状況になっている。
潺「不純異性交遊で逮捕されちゃうよ」
三日月「そんなの隠れて見つからないようにすれば、いい話じゃない」
違うそうじゃない。
僕が法律を挙げてまで拒否しているのが、断っていると分からないのか。
「見つからないように」で済ませるのが、サイコパスらしい発想だ。
三日月「さあーLet‘s go to buth.」
潺「広いなあ」
三日月「私の家は金持ちだからね」
どうやら、さっきの監禁部屋は地下にあったらしい。
家は地上が本命のようだ。
それにしても何を考えているんだ、出口に近い1階に行くなんて。
僕が隙を見て逃げ出すかもしれないんだぞ。
三日月「さあ、入ろう」
潺「まさかと思うけど、一緒に入るの?」
三日月「そうだよ!なんて思ってたの」
うん。そうだよね、そんな感じだと予想していた。
三日月「さあ、バスルームに来たよ、着替えてね」
顔が赤らんだのが自分でもわかった。
自分の人生で初の家族以外の女子とお風呂に入るのか。
三日月「顔、赤いよ。どうしたの」
潺「ここが暑いからそうなったんだよ」
うう、今の状況が監禁されている不味い状況なのに、何故か一緒にお風呂に入りたいと思っている。
男性の本能だろうか。
三日月「さあ、早く着替えようね」
って、もう脱いでる。僕が考えているほんの少しの間に。
三日月「さあ、シャワー室に行こう」
・・・・
多分さっきいたバスルームより2倍くらい広い。
自分の家の1階と同じくらい広いぞ。
どれだけ金を持っているんだ?
三日月「まずは体を洗おうね」
潺「これは自分が洗うからいいよ」
三日月「私に任せてね」
三日月「はい、まずは背中を洗おうね」
潺「え、ちょ、」
三日月「え、どうしたの」
潺「いや、胸があったっている」
三日月「それがどうしたの」
自分の胸を他人の背中に当たらせて、恥ずかしくもなく「どうしたの」って。
さっきから思ったけど羞恥心というのがないのかな。
潺「いや、恥ずかしくないの」
三日月「別に潺君に見てもらえるなら本望だよ」
恥ずかしさが通じないのは僕だけなのかな。
三日月「じゃあ、次は前ね。向きを反対にしてね」
潺「いや、もういいよ」
三日月「なんで」
さっきは胸が当たっていたけど、今は三日月の裸体が見える。
流石に恥ずかしすぎる(自分が)。はやく、上がりたい。
三日月「逃げちゃだめ、体を洗うまでここから動かないで」
もう無理。
そこから、意識はなくなった。
・・・・・
三日月「だ、大丈夫、気温が暑すぎて倒れたの?」
誰かの声が聞こえる、声の高さからして女性だろうか。
潺「え、ここどこ」
三日月「あ、良かった。急に倒れたりするからびっくりしたよ」
潺「え、僕倒れてたの?」
三日月「そうだよ、無事でよかった」
どうやら、僕は倒れていたらしい。
しかし、相手は僕が倒れた理由が分からないらしい。
天然なのか。
潺「あ、ありがとう」
三日月「別にいいよ」
って、何なごんでいるんだ。
脱出するんじゃないのか、甘い言葉に乗せられちゃだめだ。
頭をフル回転して脱出策を練らなきゃ。
よし、考えた。これが成功するか分からないけど成功しなければ。
(この考察は無視していいです)
ここは立方体の窓もなく出口が正面の扉の1つ。
そこを出たら、少しだけ覚えているが2つ分かれ道がある。
その右側がエレベーターに続いているはず。
エレベーターを使って1階に行ったらその出た真正面に出入り口がある。
問題は監視をどうするかだ。
多分ずっと監視するはず、隙を見せられない。
幸い、縄は1分くらいで何とかとれる。
縄をほどいて扉を開けるのに5秒。
そこからエレベーターに行くのに20秒。
1階に上るのに15秒。
出入り口に行くのに30秒。
これが限界だ。
しかし、出入り口から出たらそこから先がどうなっているか分からない。
自宅から遠い場所かもしれない。
だが、たぶんそれはない。自分が学校に行く途中倒れたのが約7時30分。
そしてここの監禁部屋に起きてから4時間くらいで三日月が来た。
そこから食事をとり強引にエレベーターに乗せられて10分当たりで1階に上がった時、一瞬だけ見えた。
日光の光がちょうど真上に光っていたこと。
あれだけは見逃さなかった。日光の真下にある椅子に日光が同心円状に等しく広がっていとこと。
つまり12時。
今出された時間を分に直すと・・
720分ー(450分+240分+10分)=20分
車も見えた、つまり車で連れてって僕を監禁部屋に閉じ込めたのか。
しかし、あれは軽自動車。本当に最高でも分速3/5m。
そこから自分を気絶させる、信号でのストップも考えると・・
最低でも現場から1000メートルしか離れていないじゃないか。
(考察終了)
これなら脱出できる。
さあ、作戦開始だ。
三日月「どうしたの、潺君」
潺「な、何でもないよ」
潺「うん、なんかお腹すいたなあ。ご飯食べたいなー(棒)」
三日月「そうなの?じゃあ、作ってくるね」
あっさり信じた。
好きな人の言葉は信じるのか。
三日月「じゃあ、いい子にしてね」
バタン・・・
ピーンポーン
今のはエレベーターが使われた音だ。
調理室は2階にある。
今ならいける。
縄を取って、ドアを開けて、素早くエレベーターに乗る。
20秒しかかからなかった、5秒速く行けた。
1階に上がるのに15秒、出入り口に向かうのに25秒。
ビービービービー
やはり警告音が出たか。
しかし、そんなの関係ない。
不用心なのか何故か、鍵がかかっていなかった。
三日月にしては油断している。
とりあえず、脱出成功だ。
潺「はあ、空気がおいしいーー」
潺「速く家に行こう」
離れて、三日月では・・
三日月「え、脱出?しまった。・・・まあいいか、これからが楽しみだよ」
潺は知らなかった。
これから多くの血が流れることに・・・
【2話終了】
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