大好き!!死ぬほどに・・

白黒

第1話 最悪なスタート

潺「うう、ここどこだ」


僕の名前は潺(せせらぎ)だ。

今日は待ちにまった、入学式。

・・・のはずだった。


潺「うう、頭が痛い・・。僕はさっきまで学校に向かって歩いていたはず」


今の時間は本当なら学校で入学式を迎えて、中学生になっているころだ。

それが、この暗く狭い立方体の部屋に閉じ込められている。

いや、それだけじゃない、縄で椅子に縛り付けられている。

完全な監禁だ。


潺「とりあえず、誰がこんなことをしたんだ」


北朝鮮の拉致か、それにしては日本語が多く書かれている紙が壁に貼られている。

では、人質を目的として入れられたのか。

それは違う、自分の家は結構貧乏だ。ほかの家のを狙うはず。


潺「何の目的があって、僕をこの部屋に閉じ込めたんだ?」


そこからあーだこーだと考えてみたけど、状況が全く分からない。

そんなことを4時間もした時だった、誰かがこの部屋に入ってきたのだ。

4時間も待機していたので、意識はもうろうとし気分がぼやけたこに、ある可愛い少女が部屋に入った。


三日月「おはよう、潺くん。4時間以上も待たせてごめんね」


誰だこの少女は。

年齢は自分と同じくらいだ、中学生かな。

しかし、自分の中学校にこんな少女はいなかったはず。違う中学校か。


潺「質問をさせてくれ。なんで、僕はここにいるんだ?」


三日月「あなたが騒いで、他人が来るかもしれないからね。防音の部屋に入れるしかなかったんだ」


潺「そういうことじゃないくて、なんで僕を監禁しようと思ったんだ?」


三日月「私はあなたのことが死ぬほど大好きなの。だけど、2人になれる時間がなかったからこうするしかなかったの」


・・・・・

その言葉だけで分かった、ここから脱出しなければならない

好きだからって、普通監禁するか?自分を好きなことは嬉しいけど、それ以上に危ない。

こういうおかしい人とは関わらないほうがいい


三日月「今日からずっと私と一緒だよ」


寒気が走った、早くも脱出しなければならない。自分の命が危ない。

しかし、反抗すると返って怒ってしまって殺されるかもしれない。

慎重に相手の機嫌を見て脱出しなければ。


潺「そ、そうなんだ。でも、僕は学校があるからここには長くいられないな」


三日月「別に、学校なんてどうでもいいじゃない。ずっと私と一緒にいましょう」


潺「・・・・」


三日月「私の名前は三日月っていうの。覚えてね」


それにしても、よくこんなにためらいもなく喋るな。

これがサイコパスというものだろうか。


ーーーーー♪


そのちょうどお昼の鐘が鳴った。

それを待っていたかのように彼女はしゃべった。


三日月「あ、お昼だ。昼食を取ろうね」


潺「昼食?なら、縄を外してくれよ。手が使えなくて食べれない」


三日月「それなら安心して。私が食べさせてあげる」


潺「え、食べさせる?」


三日月「そう。もう食事を作っておいたから口を開けて」


潺「え、食べさせるってそういうことなの」


三日月「そうだよ?これ以外なんて考えてたの」


三日月「さあ、あーんして」


潺(拒否したら怒るかもしれないから、素直に聞いておくか)


潺「う、うん。あーん」


三日月「はい、どうぞ」


三日月「あなたの好きなシチューだよ、たくさん食べてね」


いつから僕の好物を知ったのか、当たり前のように好きなシチューと言ってきた。

昔から監視してたのかな?


三日月「美味しい?」


潺(ドキ)


こんな扱いを受けたのは生まれて初めてだ。少しここに居たいという気持ちが出た。

自分が脱出する前に気分が変わってしまいそうだ。

何だが、自分を否定する人間がいないせいか心地よい。


潺「ど、どうかな」


三日月「あ、美味しいってことね。ありがとう」


本当に心地よい、洗脳されそうだ。

こんな狭く味気がない部屋が段々と色が出てきた。


潺「ん?」


潺「あの・・骸骨・・何?」


三日月「言えない」


潺「・・・・」


頬に何故か汗が流れた。

なんか嫌な予感がする。言えないってそれほど不味いものなのか。


潺「え、でも、これ本当に何?」


三日月「・・・それだけは答えられない」


何か理由があるのか、それより脱出する策を練らなければ。

何かないか。


三日月「ねえ、暑くない?」


潺「そういえば暑いね」


今は春だからそこまで暑くならないのに、ここの部屋は以上に暑い。

そういう場所なのか、もしくは意図的に暑くしたのか。


三日月「だから、一緒にシャワー浴びてこない?」


潺「!?」


恥ずかしすぎる。食べさせる次に一緒にシャワーを浴びると段々上がっていっている。


潺「え、ええと」


三日月「さあ、善は急げだよ。早くシャワーに行こう」


えええええええ

か、帰りたい・・・


彼は知らなかった、彼女の狂気がこれから多くの血が流れることに。


     【1話終了】





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