第2話 異世界
光が消え視界が鮮明になったころには、もう白い部屋にはいなかった。じりじりするくらいの太陽の光、ゆらゆらと揺れる花々、通りを歩く人たち、典型的な「村」といったような景色が広がっていた。
「ここが異世界かぁ…!」
特に変わりない景色だけど、異世界ってだけで妙な感銘を受けてしまう。はたまた、都会暮らしに慣れた影響なのか。
と、ふと我に返って考えると、何かがおかしいことに気づく。確かに目の前には絶景が広がっていて、村人たちが活気良く商売をしていたり、子供たちがワイワイと騒ぎながらかけていく様子が見える。だが、その音は聞こえない。
「いったいどうなってやがるんだ…」
ステータス!ステータスはあるのか?
とりあえず変な動きをしてステータスが出てこないか確かめると…
「あっ出た!」
どうやら下から上へスワイプするように指を動かすと出るらしい。どれどれ、ステータスは…
【ステータス】
サノマモル Lv.1 EXP:0/100
ふむ、項目は多いが大体わかる。そして防御力。一つだけ能力をくれるという話はどうやら本当だったようだ。じゃああの女はやはり女神なのか…?だが、最後のDOMっていったいなんだ…
まあいいや、スキルはっと…
【スキル】
・最強の壁 Lv1
体の表面から5cmの位置にあらゆるものを拒絶するバリアを構築する。
Lv1:光、酸素を通過させる 習得済み
Lv2:範囲を10cmにする 必要#SP__スキルポイント__#:5
Lv3:『食料』『飲料水』を通過させる
Lv4:バリアを周囲型にできるようになる
Lv5:一部の音を通過させる
おいおい、マジかよ。音が聞こえるようになるまで、このスキルをレベル5まで上げないといけないってことかよ…しかも食料を食べられるようになるのがLv3になってから…
こんなのって、こんなのって…
「いくらなんでもねえだろうがよおお!こんな状態でどうやって生きていくんだよぉ!」
とりあえず怒りはそこら辺のイノシシにぶつけた。
イノシシ『解せぬ』
☆☆☆
「とりあえずイノシシは殴って倒したから食べられるようになったらすぐに食べられるはず…腐るまでには食べたいな…にしてもストレージがあって助かった」
レベルはあと少しで2になる…イノシシは経験値効率が悪そうだ。
「もう少し経験値効率のいい敵いないかなあ…」
正直今の自分は防御力最強だ。防御力もカンストしてるし。でも殴打しか攻撃手段ないしなあ…
「くそ、人と話せないせいで武器すら買えない…」
現状に嘆いても仕方がない、獲物を探そう。
☆☆☆
「おっ、ここダンジョンじゃないか?」
イノシシ狩りをやめてから敵という敵に出会えずにここまで約30分くらいか。2,5kmくらいは歩いた気がする。目の前には古びた神殿のような建物。これはもう、ダンジョンとしか言いようがない。
「仕方ねえ、ここはダンジョンで一狩り行くかあ!」
☆☆☆
「ここ、暗えな…音こそしないけど、絶対怖い音してるよ…怖えよ…」
正直、怖かった。明かりになるようなものもない。ダンジョンがこんなに怖いものとは思ってもいなかった。画面の先のアバターは、怖いとは言わなかったから。
「ん?あそこ、明かりじゃないか?」
向こうに、明るいものが見える。よし、あそこに向かって…
「おっと」
目の前にモンスターが現れた。いや、いたのだろうか。暗すぎて見えなかった。小型のオークのようだ。これは暗視スキルも取りたいな、いやでも飯が…とか考えていると。
オークが突進攻撃を繰り出してきた!
「やべっ」
とっさに防御姿勢をとるが間に合わない。痛いの我慢しないと…
「あ」
そういえば今の俺、最強なんだった。俺とぶつかったオークは、壁にでもぶつかったかのように痛そうに頭を抱えている。
「とりあえず、俺に攻撃しようとしたということは重罪なんで、」
もちろん、ボコボコに殴り倒した。
おっと…?
『レベルが2に上がりました。
来た来た、レベル上げ。ふむふむ、
「死ぬ! 飢え死ぬ! 効率化! やっぱ剣欲しいなあ! 鍛冶スキル取りたいなあ!」
序盤はやはり欲しいスキルが多くて困ってしまう。でも生きるためにスキルは振らないといけないし…
「よし、とりあえず飯を食うことを目標に! 頑張るぞ!」
しばらくは殴打で行くことになりそうだ。
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お待たせしてすみませんでした。今回はちょっとゲーム単語多くて難しかったかもしれませんが、今後も振り仮名振っていくので安心してお読みください!
次回はもう少し早く投稿したい…
アルファポリスとルビとかの振り方が違うので大変です
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