貴重な資源
「状況終了。警戒レベルを第一段階に戻す」
私がメイミィと顔を合わせたところに、少佐が戻ってきてそう告げました。
「よかった。もう大丈夫だよ。メイミィ」
少佐の言葉を受けて私がメイミィに言うと、彼女もホッとした様子で、
「ウン…」
と応えました。
「それじゃ続けてで申し訳ないが、彼女を送り届けてくれないか? ビアンカ」
少佐に指示され、私は、
「はい!」
と応じます。このくらいなら私も全然問題ありませんし。
「じゃ、家の近くまで送るよ」
「アリガトウ」
普段は流暢に話すことができる彼女ですが、咄嗟の時や緊張してる時などは、上手く話せないこともあります。今回もこうして
「お、ごくろうさん」
その彼の肩には、
危険な外敵でもある
その強靭な外皮は、私達や獣人達が身に着ける防具の部品になったり、綺麗な部分はアクセサリーになったり、肉は燻製にして保存食にしたり、丈夫な腱も防具を作るための紐代わりに使われます。
体液はバンゴ達<まじない師>が
「……」
さすがにメイミィは
しっかりとしがみつく彼女を伴って、オイルランプを手にして、私はすっかり暗くなった森へと入っていきました。
ちなみにこのオイルランプも、
これも<よろずや>の商品の一つです。それまでは焚き火と松明で灯りを取っていた獣人達も、格段に使い勝手のいいこれを今では重宝してくれています。
なお、メイミィは自分達の食料となる野草の採取中に
彼女にとっては大切な家族を養うための食料ですから、慌てていたってそうそう手放すこともできないのでしょう。
こうして今度はメイミィを集落まで送り届け、ようやく今日の仕事を終えたのでした。
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