今日はオフだ。

受肉して現代日本で"死神として"殺し屋をやっていたわけだが、今は死んでいるので幽霊みたいなもんだ。神格ではあるが。

そんなもんで通りを歩いていると、その『幽霊』から声をかけられることがあるというわけだ。

「死神さん、転生させてくだせえよ」

「おいおい何言ってんだ、お前地縛霊だろ。未練があってそこにいるわけだろ」

「ははは。ちげえねえや」

こんなやり取りを何度かしたりする。もちろんこの地縛霊は冗談で言っているわけだが。

大体ふつうの動物は死んだら転生するモンだ。俺はその転生先を選んでいるに過ぎない。

まあ、転生させるために殺すのも死神の仕事だ。

そこらへんをわかってない霊も最近多くて、実は自分が死んだことに気づいていないタイプがこれだ。

そういうやつらに『理解』させてやるのも死神の仕事の一つだ。

――オフなのに仕事の話してねえかオレ？

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい