気づけなかった主役

鈴木結華

気づけなかった主役

灰色の部屋の小さな窓越しに空を眺める。

この小さな部屋に一人いる僕は、あの日に思いを馳せる。


僕はバスや電車などの公共の乗り物が好きだ。

同じ場にいる人々と今後一生出会わない、関わらないかもしれないと思うと不思議な気持ちになる。


あの日いつものようにバスに乗っていた僕は、いつもと違う気持ちを抱いていた。


誰かの人生に一瞬だけ現れる脇役ではなく、

誰かの心に残り続ける主役になりたい。


そして僕はバスに火をつけた。

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気づけなかった主役 鈴木結華 @nanamika

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