第111話 情報

 カツヨリは別室で王と話をする事になった。カツヨリは自分が転生者であること、ヤンギュー国の事、心中多羅さんと門さんの事を報告し、自分が調べた勇者カツヨリについての疑問を述べた国の事、神獣タラさんと門さんの事を報告し、自分が調べた勇者カツヨリについての疑問を述べた はっきりしない。魔王を倒した時にドワーフのカイマンは失神していて魔王を倒し、カツヨリは消えたと聞かされた。その後カツヨリの行方は知れない。民に勝利を広める為に勇者が倒したというふうに世間には伝えられた。


 ※ 勇者カツヨリについて魔族が知り合いのように話していたが心当たりは?

   無し。魔族もあの戦争以来この国には現れていない。


 ※ 勇者カツヨリはどこから現れた。出身は?

    不明だ。記録に残っていないが神獣やそなたが言う通り転生者なのだろう


 ※ 猿の神獣についてどこまで知っている?

   カイマンの記録に4匹の神獣を封印して魔王の力を削ぎ、魔王城で倒したとある。魔王の配下だと思っていたが違うようだ。なんらかの関係があったのだと思う。


 ※ 他の神獣のいる場所は?

  不明だ。


 ※ 勇者カツヨリが神殿に銅像を作らせた理由は?

   不明だ。記録に残っていない。


 ※ 勇者の兜と小手を手に入れたが効果がわからない。記録には残っているか?

   勇者装備はドワーフが作った。兜、小手、脛当て、胴当ての4つだ。全てが揃い勇者が魔力を流すと効果があったと言われている。材質はオリハルコン、希少金属だ。


 ※ ラモス国では魔族がダンジョンを作りコアを育てていた。魔王復活の為だ。この国で何か動きは出ていないのか?

    今のところ情報は入っていない。ダンジョンがあるとすればガッキー山だろう。あそこは魔源が多い。


 ※ 勇者の影という固有スキルについて心当たりは?

   ない。これは推測だが、いつか影がとれてそなたが勇者になるのではないか?そんな気がする。


 ※ 俺は魔法が使えない。他に魔法が使えない者を知っているか?

   知らない。


 ※ 青い光が転移に関係しているようなのだが知見はあるか?

   ドワーフの作る魔道具に似たような物がある。風、光、闇、土の魔石を使う特殊なものだ。かなりの魔力が必要で使い捨てのため世の中には出回っていない。


 ※ これは頼みなのだがヤンギュー国へ行きたい。手がかりが欲しい。

   わかった。調べておこう。




 王様からたっぷりと情報得た上に、お土産までもらってしまった。軍使金とステータスアップのアクセサリーだ。カイマンが身につけていたという不思議なブレスレットも手に入れた。宿へ戻ったがまだムサシ達は戻っていなかったのでカツヨリも町の探索へ繰り出した。目的はもちろん神殿だ。エネルギー充填120%である。ところが、この町の神殿は賑わっていて神官と密室2人っきりミッションが失敗に終わる。やはり神殿には勇者カツヨリ像は無くなっていた。


「ここらでスッキリと思ったが諦めるか。エリアルに聞く事もまだ無いしな。次に来るまでにゴッドポイントを貯めておいてもらおう」


 カツヨリはギルドへ向かった。ギルドへ着くとちょうどムサシが素材の売却費を受け取っているところだった。


「あれ?リコは?」


 ムサシは後ろを指差す。リコは食堂でジュースを飲んでいたが顔が疲れている。


「どうした、リコ?」


「あ、お兄ちゃん。頭使いすぎたら甘いものが欲しくなって。本に書いてある事が難しいのよ、今までさっと出してた魔法が原理がどうとか基礎がどうとか。でもね、本の通りにやると威力が上がるの。それと上級魔法も覚えられそうよ」


 リコによると本屋で学者に出会い、魔法について会話をしたら驚かれてしまった。リコが非常識だというのだ。ただそんなんで魔法が使えるという事実がある以上、認めざるを得なく魔法について先生になってくれたそうだ。どうも興味を持たれたようで、この町にいる間はいつでもおいでと言われたらしい。色々と勉強になったようなのだが、普段あまり使わない頭を使ったのでこうなったらしい。


「ふーん、どこの何て人なんだ?」


「おう、それはな」


 ギルドマスターが会話に割り込んできた。


「その学者はジェリド、王国の元魔術師で今は魔法学校の校長だよ。ラモス国にもあっただろう、魔法学校。あれはサンドラ帝国の分校なんだ。こっちが本家って事だ」


「なんでギルドマスターがしってるんだ?」


「さっきまでギルドの訓練場を貸してたのさ。いやあ良いものを見せてもらったよ。リコは世界一の魔法使いになるんじゃねえか?あのジェリドが魔力で負けてたからな」


 ジェリドも3属性を使う大魔術師なんだそうだ。そりゃまたいい先生に出会えたんだね。そこにムサシがやってきて、


「カツヨリ。素材の買い取りなんだが特殊な素材が多くて査定にもう1日欲しいそうだ。簡単な物は換金したが、どうする?」


「素材の方は?」


「ミスリルまでだな、それも高い。そっちはどうだったんだ?」


「素材なんだが………」


 カツヨリはリコとムサシに王様との話をつたえた。ゴーリーが先行してマーリー村に素材を取りに向かった事も。


「だとすると俺達も急いだ方が良さそうだな。ギルマス、買い取りだが次に来た時に支払ってもらう形でいいか?ちょっと急ぎたい」


 ムサシがギルドマスターに聞こえるように言うと、


「今日はもう遅い、明日朝一で換金できるようにしておくから出発前に寄ってくれ。それでいいか?」


 カツヨリ達は翌朝出発することにした。

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