第49話 遭遇
ゲーマルク達の前にギドラが現れた。しかもカツヨリ達が苦戦したヨバンバッターとバッタ達を連れて。
「ほう、上が騒がしいのはお前達だったのだな。先ほどの振動はお前達の仕業か?」
「!!!、魔族か?振動だと?何も感じなかったが。魔族というのは言葉が通じるのか。で、ここで何をしている?」
「答える義務はねえな。お前達もダンジョンの餌になってもらう。そういえばガーゴイルはどうした?俺がここまで来るまでに会ってないという事はお前らか?」
「先程倒しました。次はあなたです」
シェリーが会話に割り込んだ。ギドラは考えた。ガーゴイルを倒したか。なかなかやるようだが俺の敵じゃあねえな。カツヨリにやられた傷も癒えたし鬱憤ばらしにやっちまうか。
「ガーゴイルごときを倒した位で偉そうに。俺様が直々に相手してやろう。だがその前にこのバッタ達と遊んでくれや」
ギドラは敵の実力を確認するためにバッタ軍団を前に出し高みの見物を決めることにした。カツヨリ位強いと楽しめそうだが、さあお手並み拝見だ。しかしさっきの振動は何だったのか?こいつらでないとすると一体?
ヨバンバッターが2匹、バッタキラーが5匹、ラージバッタが無数のバッタ軍団がギルド隊に襲いかかった。風の範囲魔法、火の範囲魔法がラージバッタを攻撃するが攻撃をすり抜けたラージバッタが軍の兵に襲いかかっている。軍の兵もCランク相当の強さなので短剣でバッタを倒していくが、何人かの兵も倒れている。
そこにヨバンバッターとバッタキラーが混ざろうとするが、青い閃光、赤い流星、それにズサを欠いた震える大地のメンバーが立ちふさがった。
「ロックランス」
「ウォーターカッター」
「ファイヤーランス」
中級魔法を連発で放つとCランクのバッタキラーには多少のダメージを与えたがBランクのヨバンバッターには効いていないようだ。ヨバンバッターは4本の手に持った剣で冒険者達に斬りかかろうとした。そこを、
「今だ!」
震える大地のメンバーによる土魔法、落とし穴にヨバンバッターがはまった。そこに軍の魔法使い、ギルドメンバーの魔法が集中する。1つの威力は小さくともそれが何十と重なればダメージは通るのだ。ヨバンバッターは苦し紛れに剣を投げてきた。それをバーザムのライトニングセーバーが払い落とす。同じ轍は踏まない。ヨバンバッターは羽を広げ空中へ逃げた。そこを、
「スクリュークラッシャーキーーーック!」
シェリーが得意技で地面に叩き落としそこをバーザムのライトニングセーバーが腹を突いた。虫の弱点は腹だ。以前Bランクの魔物の首を切ろうとして命を落としかけた失敗から、首を狙うのはやめて敵の弱点を攻撃する事に集中したのだ。そのおかげでバーザムの剣はヨバンバッターの腹を貫き、倒す事ができた。
もう1匹のヨバンバッターは青い閃光のメリーとそのメンバーが、魔法の集中攻撃で弱っているところを攻撃しているが、バッタキラーの草魔法で足を絡められ動きが鈍ったところをヨバンバッターの剣で斬られメリー以外は倒れてしまった。メリーは格闘でヨバンバッターに立ち向かっているが徐々に追い詰められている。ヨバンバッターの剣がメリーを捉えようとした時、ノイル、シド達アキールのギルドメンバーの攻撃が襲いかかりメリーは難を逃れた。続けてシドの弓が放たれバッタキラーを倒した。この弓は前回カツヨリからもらったこのダンジョンのドロップアイテムで威力50%増しの効果があるレアアイテムだった。
ついに生き残っているバッタはヨバンバッター1匹となっていた。ヨバンバッターは最後の力を振り絞り剣を振り回しながら軍のいるところへ飛び込み回転を始めた。
「ギギーギ、ギッギー」
大車輪カッターとでも叫んだのか?コマのように高速回転しながら軍の兵を切り刻んでいく。止めようにも近づくと斬られる。魔法は回転で弾かれてしまう。軍の兵を20人倒し、まだ回転を続けるヨバンバッター。
「土魔法だ、落とせ!」
ゲーマルクが叫び、震える大地のメンバーが再び落とし穴の魔法でヨバンバッターの足を穴に落とした。
「そのまま埋めてしまえ!」
穴に落ちた状態で土魔法で穴を塞いでいく。ヨバンバッターは下半身を固定されてしまい身動きが取れなくなっている。そこを
「スクリュークラッシャーキーーーック!」
メリーが仲間の仕返しとばかりに蹴りを見舞う。弱っていたヨバンバッターは倒れた。
ギドラは、結構やるな。コンビネーションもいい。さて、これだけ人数がいると倒すのに時間がかかりそうだ。何人か強いやつを倒せばダンジョンの魔物が掃除してくれるだろう。
「パチパチパチ、見事だ。なかなかやるではないか。どうだ?お前達の中で5人強いやつを選んで俺と5対1で戦うってのは?」
ゲーマルクは、何言ってんだこいつと思い
「お前は強いのだろう。全員でかからせてもらう。魔族を生かしておくわけにはいかん。かかれ!」
そのままギドラとの戦闘が始まった。
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